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大博通り

国時代、多くの豪商が活躍した博多の町。巨万の富が集まるこの町は戦国武将たちの的となり、幾度となく戦火に見舞われ、町の大部分を焼失した。 しかし、1587年に豊臣秀吉と博多商人が行った復興計画「太閤町割り(たいこうまちわり)」により町は整備され、商都・博多として再生することとなる。その際、最初に縄張りがなされた「市小路」を1939年に拡張し、戦後の復興事業で幅50mに広げられたものが今の大博通りだ。 現在では、JR博多駅前から福岡サンパレス前までを結ぶ約1.8㎞を指し、その呼び名は「博多の町の大通り」に由来する。そんな、博多の町の基準線とも言うべき、大博通り周辺をぶらり散策してみよう。


大博通りの東側、御供所町は多くの神社仏閣が立ち並ぶ歴史ある町。1195年に建立された日本最初の禅寺・聖福寺では、「太閤町割り」の際に作られた焼け石や焼け瓦を使った土塀「博多塀(はかたべい)」をはじめ、堂々とした山門を見ることができる。東長寺の高さ10.8m、重さ30tを誇る福岡大仏や六角堂も必見だ。神社仏閣で博多の長い歴史に触れたら、堅粕に位置する「博多百年蔵」にも足を伸ばしたい。都市高速の高架が頭上を走る近代的な景観の中、明治初期に建てられた趣のある酒蔵はいっそう目を引く。博多の”現代”と”昔”が同居する貴重なエリアだ。

明治期~昭和30年代の大博通りは、1963年まで2代目の博多駅が活躍していたこともあり、商社や博多大丸デパートなどが集まるビジネス街だった。 1951年には店屋町に火野葦平や夢野久作など多くの文化人が愛した「カフェ ブラジレイロ」が移転。周辺で働くビジネスマンやOLの憩いの場所として愛され続け、今でもノスタルジックな雰囲気とコーヒーを楽しむ客は後を絶たない。
博多の商人が愛した町々を南北に貫く大博通り。今も、”ビジネスマン=商人”たちが行き来し、博多を盛り上げる原動力を生み出している。今年3月に開業したJR博多シティ効果もあり、ますます目が離せないエリアだ。

もち吉博多本店


直方市に本社を持つせんべいとあられの専門店で、店内では70〜80種の商品を販売。国産の品質のよいうるち米やもち米、福智山山系に磨かれた天然水などこだわりの原料を使い、創業82年の熟練の技で焼きあげる。博多本店では喫茶スペースを用意し、生菓子(¥94〜)やソフトクリーム(¥200〜)、抹茶(¥250)を提供。試食のせんべいとセルフのお茶は無料だ。
Tel:092-263-9770
Web site 

博多百年蔵


明治初期に建築された酒蔵で、国の有形文化財に指定。白壁の土蔵や赤レンガの煙突がノスタルジックな雰囲気だ。直営店ではここでしか販売しない、しぼりたて新酒(720ml¥1,000)が人気No.1。試飲も可能だ。蔵の歴史や酒造りについて学べる映像室(要予約)は英語・韓国語・中国語にも対応している。イベントも随時行われているので、詳しくはHPをチェックしよう。
Tel:092-633-5100
Web site 

カフェ ブラジレイロ


創業1934年、福岡では最も長い歴史を持つカフェ。昭和期には福岡・博多の文化的サロンとして愛され、多くの文人墨客が足を運んだ由緒ある店だ。2代目オーナー自らが自家焙煎するコーヒーは6種を用意し、なかでも昔ながらのクラシック・ブレンド(¥450)がおすすめ。ランチではハンブルグステーキ(¥990)などを数量限定で提供する。店内の雰囲気も心地よいので、つい長居してしまいそうだ。
Tel:092-271-0021

MORE TAIHAKU-DORI

オートザッケ
ヴィンテージ、49〜125ccのバイク修理専門店。オーナーは御供所町の出身。
Web site 

日昇物産
冷凍食品や食材など、他では手に入らない中国の食品を多数販売。

綱取り饅頭
元力士がオーナーの饅頭屋。ソフトクリームもあるぞ!

東長寺の五重塔
2011年春に完成したばかりの五重塔。今月号の表紙はこれを背景に撮影。

TAIHAKU-DORI MAP


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Originally published in Fukuoka Now magazine (fn154, Oct. 2011)

Category
Fukuoka City
Chuo-ku
Published: Jan 19, 2012 / Last Updated: Apr 1, 2016

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