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Yangon Now – ヤンゴン訪問レポート

င်္ဂလာပါ – Hello! – こんにちは!
ヤンゴンに行くよ、と伝えたら、周囲の欧米人は、みんな揃って羨ましがった。
一方で、日本人の多くの反応は「?」大丈夫?なんでまた?と続く。

そんなヤンゴン。福岡からは、バンコクやソウル、香港、台北経由で行くことができる、日本との時差2.5時間のミャンマー最大の商都だ。

これぞヤンゴン!ヤンゴンを訪れる旅行者の大半が最初に訪れるシュエダゴン・パゴダ(Shwedagon Pagoda)。

『ヤンゴン』ってこんな街。

  • ミャンマー連邦共和国、最大の都市
    人口約600万人。面積約730k㎡(福岡市:約341k㎡)。ミャンマー経済の中心地で、2006年までは首都でもあった。
  • 暑い。
    年間を通して高温多湿で年平均気温は約32℃。夏期(3月上旬〜5月中旬)、雨期(5月下旬〜10月中旬)、乾期(10月下旬〜2月下旬)。観光で訪れるなら、冬季ともいわれる11月から2月がベスト。
  • アジア最後のフロンティアとして注目集まる
    2012年11月、アメリカはミャンマー製品の禁輸措置を解除し、2013年4月はEUによる経済制裁解除(武器禁輸措置除く)、2016年10月にはアメリカによる経済制裁が全面解除され、海外企業の進出や投資が拡大中。
  • 敬虔な仏教徒が多い
    人口の90%が仏教徒といわれるミャンマーには、パゴダといわれる仏塔が多数存在する。お釈迦様が住む家とされるパゴダは信仰の場であると同時に、市民の憩いの場でもあり、若い子たちにとっては、誰に見つかっても安心のデートの場でもある。
  • 化粧はタナカ、ボトムはロンジー
    ミャンマーの女性の多くが顔に、白い白粉のようなものをつけているが、それは「タナカ」という樹木からエキスを抽出して作る伝統の化粧品。日焼け止め効果や清涼効果が得られるとして、多くの女性(時には男性も)が愛用している生活必需品。そして、伝統的な民族衣装のロンジー(ボトムに着用する筒状の衣類)は、男女ともに愛用者が多く、現役の普段着でもある。
  • 渋滞、渋滞、渋滞!バイクはなんと走行禁止
    深刻な都市問題にもなっている渋滞。朝夕のラッシュアワーになると車は一向に動かない。バス、タクシー、自家用車が一般市民の移動手段で、アジア諸国にありがちな大勢乗り合わせたバイクは一台も走っていない。歩行者の安全を守るために1999年4月からバイクの運転は禁止されたままだ。
  • 日本の中古車ばかりだけど…
    ミャンマーの自動車市場は中古車が大半。2011年9月中古車輸入規制緩和で日本車はシェア90%以上と絶大な人気を集めていた。しかし2017年から原則として右ハンドルの中古車輸入を禁止するなど、中古車の輸入規制を強化。ミャンマーでは新車市場が新たに熱い。
  • 買い物はマーケット
    まちのあちこちにある屋台には、食事だけでなく、食材も文具も衣料も書籍もすべてが並ぶ。消費の90%が伝統的なマーケットで行われているのだとか(2016年4月JETRO調べ)。
  • 串とカレーと麺。食べ物は生ものに注意すればok。
    多民族社会(公式にはミャンマーには135の民族がある)がゆえ、料理も多様。中国、インドが近く、それらの影響を感じる味わいのものも多い。主食は米が多く、おふくろの味といわれる朝食の定番「モヒンガー(米麺+ナマズ出汁のスープ)」や、カレーは人気のおかず。
  • ヤンゴン市と福岡市は姉妹都市
    ミャンマー最大の商都、ヤンゴンは福岡市と姉妹都市。注目集まるミャンマーと姉妹都市提携を締結したのは日本国内初。ビジネスや文化などを通じた交流促進が望まれている。ヤンゴン市は、福岡市の水道事業や地下街、地下鉄に興味を示している。

 

そう、ヤンゴンは『外国文化の影響が少なく、東南アジアでも一味違った魅力のある都市』だ。しかし、アジア最後のフロンティア、と言われ、世界中から注目を集める街でもあるため、刻々と変化を遂げている。

= Tips! 知っておくと便利=
今回、福岡空港からバンコク経由で向かったミャンマーには、乗り継ぎも含めると9時間程度で着いた。入国までの注意点とすれば、ビザが必要であること(事前にオンライン申請を)、ミャンマーの通貨はチャット(kyat)。日本円からの両替は不便なので、予めUSドルで持っていくと便利(空港でドルからチャットに両替可能。ドルは額の大きな紙幣が両替手数料が安い)。クレジットカードはホテルでは使うことができるが、屋台など使えない店も多いので、少額紙幣に変えておこう(ちなみに硬貨は流通していない)。

ヤンゴンの街は、イギリス統治時代から残る重厚な建築物や道端に広がるテント張りの屋台、アジアの多民族らしい混沌とした暮らしや文化が現役。心地よいカルチャーショックと、日中の汗ばむような暑さにクラクラしながら、何か大きく変わっている途中にある、特殊な「勢い」を感じることができる。

街中のいたるところで見る風景。これは証券取引所近くのランチタイム前。

屋外ブッフェ。屋台街にはこんな店も多いが旅行者にはまだ難易度が高そうだ..

ヤンゴン市内の路線バスは、2017年1月に新システムに移行したばかり。300近くあった路線を約70に減らし、バス会社も8社に統廃合したばかり。

仏教徒も旅行者もみんなパゴダ境内は裸足だ。お釈迦様に足を向けるのはNG。膝が隠れない衣類もNG。

シュエダゴン・パゴダにて。

屋台の女性もタナカでお化粧。

若いカップルも多数見かけた。みんな仲良く参拝。

地方からの巡礼?みんな正装してパゴダを前に記念撮影。

パゴダでくつろぐ人は多い。スマホの普及率も高く、写真を撮ったり動画をみたりして楽しんでいる。

ショッピングモールとマンション、ホテルなどが一体となった複合施設の開発も目覚しい(写真はミャンマープラザの模型)。大型複合施設ジャンクション・シティ内に間も無く開業予定のショッピングセンター内には、一風堂のミャンマー1号店がオープン予定だ。

大通りから一本入ると路地はこんな感じ。

貴重な原チャリ写真。警察など一部の人だけがヤンゴンで乗ることができるそうで、職権でバイクの乗れることが嬉しそう。ナンバーは23と、登録台数は少ない。「これは中国製。日本製は高級だけどいつかは乗りたいね。」とYCDC職員。

宮廷料理、ドウン・ラン(Daung Lann)料理。漆喰の器にスープやサラダ、カレーや野菜などが盛り付けられてでてくるので、みんなでシェアして食べる。発酵させた茶葉は、漬物みたい。

こちらはチキンスープに鶏ミンチがのった米麺。奥に見えるのはレモングラス串の鶏ボール。隣にあるひよこ豆のペーストはスプーンですくっていただく。

地元っ子にも人気のブッフェのお店。ご飯と茶葉など野菜の盛り合わせは自動的につく。自分で見て選べるので楽しいが、ついつい頼みすぎてしまう…店員さんオススメのナマズのカレーはコクがあって美味。

ミャンマーの象徴的カクテルはこちら「ペグークラブ」。ヤンゴンがかつて英領植民地の首都ラングーンだった頃、イギリス人のための社交場「ペグークラブ Pegu Club」で誕生したジンベースのカクテル。

バックパッカーなど欧米系の旅行者が多く集まる通称「串焼き通り」には露店や飲食店が多く立ち並ぶ。チャイナタウン19th Street。

串焼き通りにはこんな店がずらりと立ち並ぶ。

屋台ではコオロギも健在。米の収穫期になると、もっとプリっとして美味しく、価格も上がるのだとか…

ミャンマーの人の大半はマーケットや屋台で買い物する。洋服だって食材だって揃うマーケットは、地元の人や旅行者で賑わう。ヤンゴン市最大のマーケット「ボーヂョー・アウンサン・マーケット(Bogyoke Aung San Market)」には、食料品、日用品、宝飾品、ミャンマー各地の土産品など豊富に集まっている。ミャンマーの民族衣装ロンジーは、生地を買い付けて仕立て屋でオーダーメイドも可能。

ミャンマーには公式には135の民族があり、それぞれに伝統的な模様がある。現役の民族衣装ロンジーは、生地を買い付けて仕立て屋でオーダーメイドも可能だ。

網目も素材も異なる様々なカゴが集まるお店。

ミャンマーの各民族の手仕事による工芸品などが、ストーリーとともに展示されているセレクトショップ。伝統文化を大切にしながら、若いセンスでコーディネートされた店内は、外国人旅行者の姿も多い。

ヤンゴン証券取引所内。現在上場している企業は、4社(2017年3月時点)だ。

コロニアル様式の建物(旧中央銀行)を改装して誕生したヤンゴン証券取引所。ヤンゴン市には、コロニアル様式の建築物や産業遺構が多数存在するのも特徴。パゴダなどの宗教施設も多数存在するため、街は独特の雰囲気が残る。ヤンゴン市都市開発委員会(YCDC)は公式の都市遺産リストをつくり、庁舎を含む189棟の公共的建物がリストアップされている。

 

ヤンゴンの行政

ヤンゴン市はヤンゴン市開発委員会 (Yangon City Development Committee – YCDC) によって行政が行われている。庁舎はコロニアル様式の美しく重厚な建築物だ。

= Tips! 知っておくと便利=

◎都市戦略
2012年に設立されたヤンゴンの建築遺産や文化遺産の保護を提唱するミャンマーの非政府組織(NGO)ヤンゴン・ヘリテイジ・トラストは、2016年10月に『持続可能な開発と遺産の保護を通じてヤンゴンをアジアで最も住みやすい都市にするためのビジョンと施策を盛り込んだ都市戦略』を発表。海外資本の流入による不動産開発が急速に進んでいることで歴史的建築物が消失の危機状況にあることに対し、民間も黙ってはいないのだ。
Yangon Heritage Trustによる街歩きツアーも開催(水・土・日|要事前予約)されている。

◎屋台についての取り組み
ダウンタウンの渋滞を解消するため、ヤンゴン市は、幹線道路沿いを中心とした一部地域の屋台を1ヵ所へ集め、新しい屋台街をオープンした。
ほとんどが飲食店で、営業は15:00~23:00頃。仮設トイレ設置や、各屋台に水道を引くなど、衛生面に配慮したつくりらしいが、新しい屋台エリアに、新たな渋滞が生じているのが現状だ。

 

◎福岡市とヤンゴン市の関係
2016年12月7日に姉妹都市提携を締結した福岡市とヤンゴン市。これまでに福岡市は、ヤンゴン市に対してJICAを通じた水道整備の支援(2012年~)や、日本政府が推奨するインフラ輸出拡大に向けた「地元企業の海外展開支援のための都市インフラを管轄する地方都市との関係構築」促進に応じるために、「都市間連携強化の覚書」(2014年5月)を締結している。

急速な都市化による上下水道の整備やゴミ処理など、深刻な都市問題を抱えるヤンゴン市に、「コンパクトで住みよいまちづくり」に取り組んできた福岡市の知見と経験を活かし問題解決に寄与することで、アジアでのインパクト効果と、企業の海外展開支援、官民連携のODA案件の受注などのビジネス展開を目指しているのだ。

水道事業運営能力強化に向けた専門家派遣
下水道システム維持管理のための研修生受入
廃棄物埋立技術「福岡方式」整備に向けた取り組み、等

また、福岡市が福岡よかトビア国際交流財団と共に運営している『福岡アジア文化賞』(1990年創設)では、ミャンマーから過去3名が受賞している(http://fukuoka-prize.org/laureate/country/mm/)。2015年大賞受賞者は先述の「ヤンゴン・ヘリテージ・トラストの創設者で会長を務めるタン・ミン・ウー(Dr. Thant Myint-U)氏。http://fukuoka-prize.org/laureate/prize/gra/thantmyintu.php

ヤンゴン市庁舎内。

福岡市からYCDCに技術職員として派遣中の野田勝也さん(福岡市総務企画局主査)。上下水、廃棄物処理等の分野における技術協力、福岡市・ヤンゴン市間の連絡調整業務、地元企業のビジネス機会創出に向けた情報収集、福岡市に関する情報、魅力発信など、託された業務と期待は大きい。左は、野田さん付きのYCDC職員 Thet Paung Soe(タッ パイン ソウ)さん。

様々な文化が混在するヤンゴンにも、2011年の民政移管と経済改革をきっかけに、富裕層・中間層が増え、大きな変革期を迎えている。
現在のヤンゴンの市場は、コンテンツの韓国、商品の中国、物流・経済拠点はタイ、シンガポール…。これからどう変わっていくのかが楽しみな都市である。

Category
Guides
Published: Mar 29, 2017 / Last Updated: 3月 29, 2017

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