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墨絵アーティスト 西元祐貴

2018年1月、自身初の個展「西元祐貴 龍のキセキ」 福岡展を開催する西元祐貴。「西元祐貴 龍のキセキ」 福岡展では、書き下ろし作品を含む墨絵約100点が、プロジェクトマッピングなど最新技術を用いて表現される。西元本人の体にセンサーを付けて筆圧や筋肉の動きを記録したCGを墨絵に重ねたプロローグ作品や、約30mもの巨大『龍』など、若き才能が生み出す躍動感が溢れる世界に浸ってほしい。

鹿児島出身の墨絵アーティスト、西元祐貴。彼が手にするのは、日本伝統の書道や水墨画に使われる「墨」というシンプルな素材だ。アートを学ぶために福岡に移り、路上で作品を描いていた頃、一枚の絵がプロへの道を開いた。店に飾る「龍」の絵を描いて欲しいと頼まれた初仕事をきっかけに、西元独自の力強いスタイルで作品を生み出し続け、年齢や伝統への固定観念を抜きに、作品の魅力で海外での高評価を掴んだ。香港のクリスティーズオークションではライブペインティング作品が85,000香港ドルという高額で落札されるなど、すでに世界を舞台に実績を持つ彼は、日本の新進気鋭アーティストだ。

「“絵を動かしたい”という思いをきっかけに作品を作り続けている。」そう話す西元の作品は、深い集中の中で短時間で生み出される。時間をかけて色を重ねていくタイプの絵画とは違い、彼が描く墨の躍動は誰にも予測できない。一筆入れて、二筆入れて、気に入らなければ完成前にでも次々と捨ててしまう。創作の世界に集中して入れば、不規則から生まれる墨の動きに“失敗”はなく、流れのままに描きつつ答えを見つける一発勝負だ。心情がストレートに投影される作風だからこそ、墨の動きが西元の「今」を表し、作品の魅力となる。

©FBS

2016年凱旋門賞に向けて行われた日本代表馬応援イベントは、西元にとって印象深い経験の一つだという。ライブペインティングと音楽、映像の3つを一体化させるという大きなチャレンジで、舞台で墨絵を描く西元とともに約20人で一つの演出を行った。「“このタイミングで筆を入れて”という制約が、自分にとっての最大のストレスだったし、絵、音楽、映像のそれぞれの良いところを削ってしまうんではないかと不安をもったが、実際は、とても勉強になった。それぞれのアーティストが表現に対してこだわりをもつ中、一つの作品として成功できたのは、まさにチームの力。感動的だった。」

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西元の作品のモチーフは、龍や侍の古典的なものから、アスリートやミュージシャンといった現代的なものまで多彩だ。また、スポーツイベントやゲームとのコラボレーションを行うなど、活動の幅も広がってきた。「墨絵は古典的でシンプル。だからこそ、自分が描いた一枚の絵にこだわるより、そこから新しいものが生まれるのであれば、どんどんコラボレーションしていきたい。それが自分の魅力を向上させてくれると思っている。」

東洋において特別なモチーフである龍を、西元は積極的に、そして自由に力強く描いてきた。今では彼にとって「守り神」のような存在になっているという龍も、新しい土地や人との出会いの中で、自身の成長にともない表情や描き方が変化しているのだという。これまでの、そしてこの先の西元祐貴の進化を追う上で欠かせない「龍」の『キセキ』と銘打たれた今回の初個展。この展示が多くの人にとって初めて墨絵に関心をもって触れる機会になることを期待している。「古典的なことだけど、そこに捕らわれることなく、日本を代表する『現代アート』として取り組んでいきたいし、そんな風に感じ取ってもらいたい。」

現在、西元祐貴の作品は墨絵が4点、陶墨画(越前焼)が1点、福岡市内の店舗で見ることができる。中でも「江戸そば侘介」には、彼にとっての奇跡の始まりとなった龍の絵が照明演出として飾られている。
全国展開を目指す個展の第一回開催となる福岡展では、これまでの約400点から選び抜かれた作品約100点を楽しむことができる。ユネスコ世界遺産に登録される京都の仏閣でライブ制作した作品には、今回の展示会では制作時の桜を再現するプロジェクションマッピングが施されて展示されるなど、伝統と最先端が融合させたオリジナルの世界観で、西元祐貴の軌跡(キセキ)を感じることができる。

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• 2018年1月6日(土)〜2月11日(日)
• 10:00〜20:00(最終入室19:30)、2月11日10:00〜18:00(最終入室17:30)
• 休館:水曜
• 前売一般¥800、高大生¥500、ペア一般(2名)¥1,400/当日一般¥1,000、高大生¥700、ペア一般(2名)¥1,600、中学生以下無料
• 福岡アジア美術館
福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7F
• 092-532-1111(FBS福岡放送内 平日9:30~17:00)
http://ryunokiseki.jp

Category
Art & Culture
Fukuoka City
Published: Dec 1, 2017 / Last Updated: Dec 1, 2017

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