3 月に楽しみなインターナショナル・イベントといったら、これ!アイルランド最大のお祭りセント・パトリックス・デー。緑の豊かさからエメラルドの島とも呼ば れるアイルランド同様、シンボル・カラーの緑を身につけて(じゃなければ、ツネられちゃう!?)『ギネスビールを楽しむに最良の日』は街に繰り出し春の到来を祝おう!

グリーンカラーとグリーンビール漬けになって飲めや騒げやのこの祭日、もともとはアイルランドの守護聖人パトリックの死を追悼する神聖な日なのだ(つまり命日)。今日では世界でも最大級の祝祭日であるが、19世紀中頃アイルランドで発生した「ジャガイモ飢饉」の最中、海外へ脱出=移住した多くのアイルランド人によって、この伝統は世界中に広まることとなる。世界各国でパレードやイベントが行われ、日本も例外ではない。特にここ10年その人気はうなぎ登りだ。ともあれ、聖パトリックを祝って飲み騒ぐ人々の間では、パトリック本人のことはほとんど知られていない。


ということで、まずは発端人、パトリックとはどういう人物だったのか!?一般にアイルランド人だと思われがちなパトリックは、5世紀に英国で生まれる。少年時代に誘拐されアイルランドへ渡り、6年間羊飼いとして奴隷生活を送った後に逃走。月日は経ち、夢の中でアイルランドの嘆願の声を聞いた彼は、伝道者として再びアイルランドへ渡った(と言い伝えられている)。


この時点で、言い伝えと史実がひとつになる。聖パトリックは、三つ葉のシャムロック(シロツメクサ)を手にキリスト教三位一体を説き、キリスト教をアイルランドへひろめたとして功績があり、また、アイルランド島から蛇を追い払ったという伝説もある。しかし、「二人のパトリック説」によれば、伝統的にパトリックに関連して考えられていることの多くは、実はパトリックと同時期にキリスト布教していたパラディウスに結びつく、ということだ。


つまるところ、パトリックのことは誰にもはっきりとは分からないのだ。しかしまあ、それはそれ、謎の人物だからといって何百万という人々が毎年3月に(かなり非宗教的な方法で)パトリックを称えることに違いはない。ということで、3月17日のセント・パトリックス・デーには、あなたも彼(が一体何者であったのか、に関わらず)聖パトリックに敬意を表して乾杯!


アイルランドのシンボル

国旗:
アイルランドの国旗は、緑、白、オレンジの縦3色。緑はカソリック多数派、オレンジはプロテスタント少数派、そして白は両者間の平和の象徴を表す。緑は長きに渡りアイルランドとその国家主義者にとってのアイデンティティ・カラーである。オレンジ公ウィリアムの歴史的支援に端を発し、オレンジは英国王室に忠実なプロテスタント・コミュニティを象徴する色である。3色の国旗は、フランスとニューファンドランドのそれに発想を得たとされている。


ハープ:
はるか昔から今日まで、ハープはエメラルドの島・アイルランドのもっとも象徴的な楽器である。中世よりアイルランド硬貨の図柄として、また大統領旗にも描かれ、そしてパスポートはじめ全ての公文書にも使われている楽器ハープ。アイルランドでは昔からの伝統的音楽であるハープが国家の象徴としての地位を得たのは、ハープをたしなんだブライアン・ボル王の治世中(1002年〜1014年)であるとされる。ケルト社会では、それぞれの一族に族長を讃える曲を作るためのお抱えハープ演奏者がいたそうな。


シャムロック:
三つ葉のクローバー、シャムロックの名は、ゲール語のクローバー“seamróg”が英語化したものである。シャムロックは、アイルランド政府公認のトレードマークであり、世界中ですぐにそれと分かるアイルランドの標章でもある。また、結婚式では幸運を願い花嫁のブーケや花婿の上着のボタン穴によく飾られる。言い伝えでは、聖パトリックは異教徒にキリスト教の三位一体の教えを説く際にシャムロックを使用したとされる。伝統的に、聖パトリックの命日3月17日にはシャムロックを身につけ、その日最後の酒にそのシャムロックを浸すという風習もある。


日本で有名なアイルランド人

ラフカディオ・ハーン (1850-1904)
~小泉八雲~
19世紀に日本の文化を英語圏へと広めたことで知られるハーンは、1980年代後半に来日し、その後の余生を日本で送った。日本女性と結婚した彼は「小泉八雲」の名で日本に帰化し、その後数々の著書を出版する。数ある作品の中でも日本のおとぎ話や怪談のコレクションは、ハーンの最も世に知られた著書である。


トーマス・ジェイムズ・ウォーターズ (1842-1898)
~銀座を設計した男~
1872年、銀座が大火に見舞われた後、東京都知事は有数な商業地区である銀座の再設計をウィーターズに依頼した。彼のデザインした頑強な煉瓦造りの建物によって銀座は「日本の近代化」の象徴となり、基盤目状の街路は今日でも銀座の特徴である。


ジョン・ウィリアム・フェントン (1828-1890)
~初代「君が代」の作曲者~

日本の国家「君が代」のオリジナル版を作曲したフェントンは、日本吹奏楽の父とも呼ばれ、彼の功績は、今日日本国中でチューバを奏でる多くの高校生達に受け継がれている。


世界のセントパトリックス・デー

世界で最初のセントパトリックス・デーを祝うパレードは、アイルランドではなく、アメリカのボストンで1737年に行われた。


毎年、シカゴ川はセントパトリックス・デーを祝って40パウンドもの野菜染料でグリーンに染まる。この伝統は、下水道作業員が川への漏れを見つけるため使っていた緑の染料が、理想的な「アイルランド」カラーであることを見いだした1961年まで遡る。


コロラド州ボルダーで行われるセントパトリックス・デーのパレードは、半ブロックのみの世界最短。


聖パトリックは、ナイジェリアの守護聖人でもあり、彼の命日3月17日には大体の学生がお休みをとる。当時、アイルランド人宣教師達は福音をナイジェリアで説き、今日では人口の14%にあたる2000万人ものローマ・カソリック教徒の故国となる。


日本では、東京、京都、熊本など日本各地9カ所でパレードが予定されている。


アイルランドの食事

揚げ物中心のヘビーな朝食:
「フル・アイリッシュ(アイルランド丸ごと)」または「フライ(揚げ物)」の名のごとく、内容は高カロリーのアンチ・ダイエット食。ベーコンの薄切り、ソーセージ、目玉焼きに牛の血を固めて作ったソーセージ・ブラックプディング、オートミールで作られたソーセージ・ホワイトプディング、揚げトマト、ベークドビーンズそしてソテー・マッシュルームと、まさに丸ごと。


アイルランド人にとってのごちそうスモーク・サーモン:
バター塗った黒パンにスモーク・サーモンをのせて召し上がれ。しっとりと透き通るように新鮮でスモーキーな後味をもつアイルランドのスモーク・サーモンはとっても美味。ナッツ入り黒パンにのせた薄切りスモーク・サーモンは空きっ腹にぴったり!


伝統的ギネス煮羊肉:
伝統的なこのアイルランド風シチューは、ラム肉、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、セロリ、ハーブにラムまたはビーフのブイヨンを、ギネス・ビールで煮込んだもの。材料全部を鍋に入れ、肉が口の中でとろけるほど柔らかく、コクが出るまで数時間コトコト煮る。体もハートも暖まる逸品!


アイルランドのお酒

黒ビール:
スタウトと呼ばれるアイルランド産黒ビールは、他国のそれよりドライでコクがある。なかでも「ギネス」は名実共に首長格だが、他にもアイルランドのスタウトには「ビーミッシュ」や「マーフィーズ」など良質の黒ビールが勢揃い!



ウィスキー:
「ウィスキー」は、ゲール語の "uisce beatha”が語源となり、その意は「命の水」(→アイルランド国民の酒癖から推して知るべし)。そのバラエティたるや数えきれないくらいだが、初心者には「レッドブレスと12年」の氷なしストレートがおすすめ!


ポチーン:
例えば焼酎のように、このアイルランド「密造酒」は、おもにジャガイモから蒸留される。 そのアルコール度数は実に95%にものぼり、ポチーンがつい最近の1997年までアイルランドで非合法であったのもうなずける。幸い、今日合法的に楽しめるブランド(「ノッキーン・ヒルズ」または「バンラッティ」がおすすめ)で、失明したり命を落とす事はない(はず)。


アイルランド・ホントの話!?


  • アイルランド人はチェコ人に次いて世界で2番目の大酒飲み! (年間一人当たりの消費量131.1リットル。毎日約360cc!!)

  • アイルランドで最も人気の飲み物は実はソフトドリンクだったりする。紅茶の消費量はなんと世界一!

  • アイルランドは世界一の赤毛大国?ノンノン!スコットランドに次いで2番(約10人にひとり)でアル。

  • ダブリンにあるギネスビール工場の不動産貸借期間は、な・なんと9000年、無期限で年45アイリッシュポンド!

  • アイルランドの聖人ブレンダンはコロンブスより1000年も前にアメリカを発見したそう。早いっ!