FACo(福岡アジアコレクション)


3月20日日曜日 会場:福岡国際センター

軽やかな春の衣装に身を包んでランウェイを行き交うのは、押切もえや蛯原友里、山田優、マリエなど、ファッション雑誌でおなじみのモデルたちだ。彼女たちが微笑み、手を振ると観客席から大きな歓声が上がる。
3回目を迎えるFACo(福岡アジアコレクション)は、7,346人の観客を集め、華やかに開催された。ステージは約2時間ごとの3部構成になっており、ファッションショーのほか、音楽ライブやモデルコンテストが繰り広げられた。
ファッションショーに登場するのは、ブライダルを除くと、手ごろな値段で買え、普段着に使える「リアルクローズ」のブランド。ステージに登場した服は、場内で販売したほか、公式ショッピングサイト「Model Street」でも買うことができる。

このイベントは、アジアのファッション産業発信拠点として福岡を発展させることを目的としており、「GROOVY JETTER」や「Duble」など、地元福岡県内のブランドも14社出展しているのが特長。なかでも「azur」「Annesy’z」「Love Junkie」の3ブランドは、それぞれスザンヌ、近藤しづか、メロディー洋子といったタレントとコラボした商品を発表した。モデルの個性に合わせたコーディネートに、オーディエンスの目は釘付けだ。
アジアからはタイのブランド「T-ra」と台湾のブランド「NATURALLY JOJO」が参加。それぞれ、オーディションで選ばれたタイ人モデルと台湾人モデルが、衣装を身にまといランウェイを闊歩した。日本とは異なる感性でデザインされた服は、オーディエンスの目には新鮮に映ったようだ。
ショーの合間には、昨年「トイレの神様」でブレイクした植村花菜などが、ライブステージを披露する。なかでも盛り上がったのが、1st.ステージで登場したベッキーだ。軽快なトークとともに2曲を披露。観客席では、彼女の歌に合わせ色とりどりのタオルが振られた。
ランウェイを囲むようにして設置された18のブースも楽しみのひとつ。3月に博多駅にオープンした博多阪急のほか、航空会社や菓子メーカー、飲料メーカーも出展。プレゼントを用意するブースも多く、賑わいを見せていた。

13:00にスタートしたイベントが終了したのは、時計の針が19:00を回った頃。最後はモデル全員がランウェイに登場し、客電が灯った会場でオーディエンスとともにフィナーレを祝った。スタートからラストまで、ステージから目を離さなかったオーディエンスも多い。会場を後にする彼女たちの表情は一様に明るく満足げだった。憧れのモデルのウォーキング姿や、お気に入りのファッションについて友達同士で語り、イベントの余韻に浸る姿があちこちで見られた。
東日本大震災後、各地でイベントの中止が相次いだが、FACoは「福岡の元気が日本を建て直す」という想いのもと、開催に踏み切った。この日会場に足を運んだオーディエンス達の胸中にもその想いがあったはずだ。それが、今年のFACoに今までとは違うパワーを与えたように思える。

「東京ガールズコレクション」など先行するイベントに比べるとアジアでの知名度は、まだまだ高いとは言えないが、この日会場にあふれていたヴァイヴは、韓国や中国などアジアの国々の女性にも共感してもらえるはずだ。次回、「Autumn / Winter コレクション」で福岡ならではのステージが実現できれば、アジアでのFACoの存在感もより高まるだろう。

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