「優勝しても『よかろうもん!』


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フリオ・ズレータ

Q. 先日、31歳の誕生日を迎えられたそうですね。
A. 次の日が試合ということもあって、その日は友人と静かに食事をして過ごしたよ。まあ、30歳を過ぎると誕生日はあまり嬉しいものじゃないけどね(笑)。福岡に来たのは2003年の6月だから、日本で誕生日を迎えるのはもう3回目なんだ。大人になったなって感じるよ。

Q. 来日後、日本の野球や生活に慣れるのは大変だったのでは?
A. 来てすぐの頃、アパートについての説明を受けたんだけど、日本語が全然わからなかったんだ。まあなんとかなるだろうと思ったんだけど、アパートに入る時に変な操作をしてしまったらしく、消防車や警察が来て大騒ぎ。後で友達にバカにされたよ(笑)。もちろん、ホークスに入った当初は慣れなくて辛い事も多かった。けれどいろんな人からアドバイスや指導を受けて、いいパフォーマンスが見せられるようになったんだ。だから、お世話になった人たちには本当に感謝している。そしてこれからも日本で活躍を続けられるようにいろんな事を学んでいきたい。日本の事はマイホームだと思っているし、ずっとホークスで野球を続けたいね!

Q. アメリカと日本、どんな事に違いを感じました?
A. アメリカはメジャーでプレーしていても、いつマイナーリーグに落とされてしまうかわからないんだ。ここでは多くのチャンスを与えてもらえる。毎日試合にでて活躍ができる事は、本当に嬉しいし有り難い事。今ではチームメイトからの信頼も感じているよ。

Q. ホークスの中での自分の役割は変わったと思いますか?
A. そうだね、僕は今年で4年目、今やベテランの外国人選手だ。日本に慣れるのに必死だった最初の頃とは違う。だから、まだ日本の野球に慣れていない外国人選手や、経験の浅い若手選手などの助けになろうと思っているよ。特に外国人選手は日本の野球、生活に慣れるのはとても大変だ。けれどこの世界で生き残るためには、日本のスタイルを覚えなきゃいけない。自分の経験を話し、日本の野球について教える事も自分の役割だと思っているよ。チームはチェーンのように選手1人1人ががっちり繋がりあっている事が大切なんだよ。

Q. 3月に行われたWBCについてはどう思いますか?
A. あまりいいものではなかった。というのはWBCのシステムや時期に問題があったと思うんだ。シーズン前の3月にコンディションを調節するのはとても難しい事だし、契約交渉中の選手は参加ができなかったからね。そういった意味でも選手は大変な思いをした大会だったと思うよ。それに参加した国すべての条件がフェアではなかったし…。世界一を決める大会というよりは、世界の野球が一堂に会したフェスティバル的な要素が大きいんじゃないかな。

Q. 応援してくれるファンとはどんな存在でしょう?
A. ファンがいなかったら、僕たちはこうして野球をすることができない。その事はすべての選手に分かって欲しい。僕にとってファンはとても大切な存在だし、ファンサービスをすることはとても大事なんだ。ファンを大切にしない選手は野球をするべきではないよ。僕は時間のある時には病院や養護施設を慰問して、体が不自由な子や体の弱い子ども達とも交流するようにしてる。子ども達に元気や勇気を与えられるし、彼らの笑顔を見ると僕のモチベーションにもなるだろ?だから球場に来たくても来られないようなファンはこれからも大切にしようと思っているよ。

Q. ご家族と一緒の時はどうですか?
A. 球場にいる時は、常に100%野球に集中して真剣に取り組んでいるよ。僕の両親にも「仕事に100%力を注ぎ込めないならするな!」と言われていたしね。球場は自分のすべてを賭けている場所、それに対して僕の安らげる家は正反対の場所だね。だから球場と家の時は全く違う顔になっているよ(笑)。

Q. ホームラン後の「よかろうもん!」のパフォーマンスで話題になっていますね?
A. とにかく博多弁が好きなんだ。ヒーローインタビューでお立ち台に立った時「最高バイ!」とか「勝つバイ!」なんて言って、いつも博多弁で喜びを表しているよ。ファンのみんなも盛り上がってくれるしね。博多弁はたくさん覚えた。中でも「優勝バイ!」がお気に入りかな。そしてコメディアン(博多華丸さん)の「よかろうもん!」がとても気に入って、僕のパフォーマンスに加える事にしたんだ。やっていて楽しいし、ファンのみんなもノッてくれるから嬉しいね!

Q.「よかろうもん!」今年は何回くらい見られますか?
A. 45~50回はお見せしたいね、頑張るよ!

PROFILE
フリオ・ズレータ
パナマ出身
プロ野球、福岡ソフトバンクホークス内野手。アメリカ大リーグのカブス、レッドソックスでの活躍後、2003年来日。「パナマの怪人」と呼ばれ、197cmの長身から放たれる特大ホームランはヤフードームを熱くさせる。またファンサービスにも非常に熱心で、豪快なバッティングとは対照的に優しい一面もうかがえる。今年は最高のファンと共に3年ぶりのリーグ制覇、そして日本一に燃える。

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