ユメキチワイン


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「着物」と「ワイン」、「和」と「モダン」、「築50年の一軒家」と「アールデコ」。一見相容れないように思える要素が、このワインバーでは自然に調和している。プロデュースしたのは、アンティーク着物ショップ「夢吉きもの」。路地にある築50年を越える一軒家の扉を開けると、和装に身を包んだスタッフが迎えてくれる。

白黒金を配した床のタイルや、壁にかけられたオブジェなど、店内は「アールデコ」がテーマ。和とモダンが融合した、新しいような古いような、独特の雰囲気が心を和ませてくれる。一見シックなようで、カウンターにヒョウ柄のイスを並べたり、テーブル席の壁を鮮やかな朱色で染めたり、遊び心が随所に感じられる空間だ。そして、それが居心地のよさにつながっている。カウンターに座ると、窓から店のそばを流れる薬院新川の川面が見える。座る場所によって、川の見え方が変わるのもおもしろい。元々は風呂だったという地下にも席を用意。イス席のほかに小上がりもある。窓が大きく開放的な1階とは打って変わって、こちらは、秘密の隠れ家といった趣。

現在、着物のショップは2階にあるが、以前は、1階でも着物を販売していた。「仕事が終わって、夕暮れ時にスタッフでビールを飲んでて、この空間の心地よさに気づきました。こんなお店があったら素敵だなって思ったのが、このバーを開くきっかけです」とオーナーの徳永さん。カウンターと厨房の調理器具を追加したくらいで、インテリアは、ほぼショップの時のままだ。

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ボトルは赤、白、ロゼ、スパークリングを合わせ、常時200種類以上。特にビオ・ワインに力を入れる。「何よりも体に優しいから。翌日起きた時に実感します」と語る徳永さんは、両親がブドウの産地として名高い甲州出身。かつて自宅では、自然派ワインを一升瓶で飲んでいたそうだ。グラスワインは赤、白4種類ずつ飲みくらべできるセット(¥2,500)もある。銘柄は日によって替るので、店内に掲げられたボードで確認を。スパークリングワインや、グラッパなどのデザートワインもグラスで提供している。

料理は、赤ワインにぴったりのとり肝ソース漬け(¥600)や、塩加減が絶妙な京都ちりめんじゃこと白ねぎのピザ(¥900)などの定番のほか、日替りのおすすめ料理もある。どれも滋味に富んでおり、お酒がついつい進む。ぬか漬けやチーズなど、発酵食品を用意しているのは、「体にいいものを」という徳永さんの配慮からだ。しっかり食事をとりたい人には、数量限定のユメキチ御膳(¥1,200)がおすすめ。栄養のバランスが取れたおかずが食べられる。

「夢吉きもの」で扱っているアンティークの着物は、ビビッドな色づかいや、大胆な柄のデザインなど、外国人が想像するよりもずっとモダンで刺激的だ。同じように、このワインバーも、昔ながらの和の要素を盛り込みながらも、ステレオタイプには陥らない新しさが感じられる。そして、根底にあるのは、日本ならではの「もてなしの心」。それが、店内を流れるリラックスした空気を生んでいるのだ。

Menu
オイルサーディン缶「天の橋立」¥1,000、ポークリエット(バケット添え)¥700、田舎風テリーヌ¥800、まぐろのにんにくオイル漬け¥900、八女産杉乃葉亭ソーセージ¥1,000

ユメキチワイン

Address: 福岡市中央区渡辺通5-2-15
Tel: 092-735-7117
営業時間: 19:00〜02:00、日曜15:00〜23:00、祝日19:00〜02:00
定休日: 火曜、第3水曜


福岡市中央区渡辺通5-2-15

092-735-7117

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