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福岡市長としての2期目 / 高島市長インタビュー

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再選おめでとうございます
第1期目ご当選時にもインタビューにご協力いただき、そして今回もインタビューできますことをとても嬉しく思います。市長選を終えてのご感想をお聞かせください。

今回は、投票者のおよそ6割の皆さんが私に投票してくださった結果、福岡市長選挙史上最多得票で当選することができました。たくさんのご支持をいただいたことを嬉しく思うと同時に、ご期待に応えていかなければならないと責任の重さも感じています。
前回のキャスターとしての知名度による当選とは異なり、今回は、市長としてのこれまでの4年間に行った様々なチャレンジと実績について評価いただいたのではと感じています。

なるほど、チャレンジスピリットが評価されたのですね。2期目の抱負をお聞きしたいのですが、まずは、海外とのつながりはどのように捉えていますか?

福岡は都心部と国際空港が近接しているという強みがあります。私自身も、この利点を大いに活用し、1期目は海外プロモーションに努めてきました。
今やアジアだけでなく、KLMオランダ航空によるヨーロッパ直行便も就航し、シティプロモーションを行う対象としてヨーロッパも意識するようになりました。2013年にMOUを結んだイギリス、テックシティとの連携のようにビジネス展開の裾野が広がっているのも海外との直行路線があるのが大きいと考えています。
LCCの就航も増えており、東京と比べて断然に安いオフィス賃料など福岡のビジネスコストを考えると、低コストでビジネス展開を希望する外国人と福岡の街は親和性が高いと思います。
また、今後の日本は人口減少が大きな課題で、海外とどのように繋がるかが大きなポイントになってきます。インバウンドだけでなく、福岡の人が海外に行くことも重視しており、彼らが海外から持ち帰ってくる刺激は、間違いなく福岡を変えていく力になります。つまり、シティチェンジャーを増やす意味でも、アウトバウンドを促進していきたいと考えています。

市長の海外ミッションでもっとも印象的なものは?

2014年春に安倍総理と一緒に行ったロンドンが最も印象に残っています。ロンドン市が主催する晩餐会に総理と一緒に参加させていただきました。また、対日投資セミナーにおいて、プレゼンテーションを行い、福岡を売り込むことができました。総理大臣の外遊に福岡市長が同行してシティセールスをしたのは、福岡の歴史がはじまって以来初めてのことだと思います。福岡がこのような機会を得ることができる都市になったという意味でもとても印象深いミッションです。

グローバル創業・雇用創出特区にも指定され創業支援に力を入れていることが多くのメディアに取り上げられています。このプロジェクトの目的と、目的達成のために必要なことは何ですか?

新しい価値を福岡から作っていく、福岡から時代をリードする。そして、福岡市を世界の人が住みたいと思うような街、人々の価値観に最も合う都市、私は、これを「人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市」と言っていますが、このような都市にしていくことが重要だと考えています。
今まではメガシティ信仰が強く、東京やニューヨークを目指していたかもしれませんが、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに価値観が大きく変わっていると感じています。単純に経済や人口の規模で測るのではなく、Livable(暮らしやすさ)という価値観が大切にされています。しかしLivableは、豊かな自然があればいいということではありません。ビジネスもしたい、週末になったら遊びにも行きたい、そして、癒しも欲しい。こういった全てのニーズに応えることが求められています。そのニーズに応えることができるのが、福岡市が目指す「人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市」なのです。
ビジネス分野においては、国は「地方創生」を実現するために、東京から地方進出する企業を対象とした減税などを打ち出しています。ただ、企業が移るということは、単純にオフィスの場所が移るだけではなく、その家族や従業員も移るということ。良い企業であればあるほど、その従業員や家族は子供の教育にも熱心でしょうし、医療環境を含め、都市に求めるニーズが大きいと思います。
東京や大都市圏の大企業を誘致することも重要かもしれませんが、今の時代に合うサービスや価値を生み出す企業を誕生させ、成長させていくことの方が、福岡市には、よりふさわしいのではないかと考えています。
福岡市は、人口に占める大学生の割合が京都に次いで国内2番目に多く、留学生を含め多様な人材が多数います。また、住みやすくて、ストレスフリーでクリエイティブな発想が生まれやすい環境もあります。こういった福岡の特徴を強みにして「創業」をどんどん活性化させて、街の活力につなげていきます。
今、福岡では、みんなが「創業」とか「スタートアップ」という言葉を意識するようになりました。2014年10月にオープンした創業支援の拠点であるスタートアップカフェも、起業を志すチャレンジャーたちで連日賑わっています。次のステップとして、実際に自分がチャレンジをするという人たちをどんどん誕生させていきたい。そして、その中から抜きんでてくる人や企業を、どんどん後押しして、スタートアップの成功モデルを、ここ福岡から日本全体に広げていきたい。さらには、海外の企業の進出も促進していきたい。そのように考えています。

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福岡が外国人にとってビジネスがしやすく、暮らしやすいまちになるためのアイデアはありますか?

一番大切なのは、オープンマインドな「ハート」です。これはお金をかければできることではないわけですが、福岡はこれまでのアジアとの交流によって、すでに市民の中に備わっていると思います。福岡のオープンマインドを象徴するものとして、25年以上にわたって、アジア太平洋地域からこどもたちを招いて交流をしている「アジア太平洋こども会議」があります。
ただ、海外の方にもっともっと観光やビジネスで来ていただいて、福岡の魅力を知っていただくことについては、まだ十分とは言えません。
そこで、観光の面では、日本国内でも先駆けて無料Wi-Fiの整備を行っていますし、医療面でも医療機関と連携し、外国語でも受診できる環境の整備を進めています。ビジネス面においては、まず外国人創業者や留学生の在留資格の緩和を実現できるよう取り組んでいますし、スタートアップカフェの中にある雇用労働相談センターでは英語・中国語・韓国語で創業についての相談ができるようになっています。
今回指定をうけた特区も「“グローバル”創業・雇用創出特区」と「グローバル」が付けられていますので、外国の方が、生活する、観光する、ビジネスをする上での課題を一つ一つクリアし、たくさんの海外の方に観光のため、ビジネスのために福岡に来ていただきたいと思います。

公立学校でのネイティブ英語教師による授業にも力を入れられていますよね。
目標などがあれば教えてください。

福岡市では、英語教育や国際交流、体験活動の充実に力を入れていて、ネイティブスピーカーによる授業を小学5年生から中学生まで実施しています。その授業時間数は政令市でもトップクラスとなっています。
また、英語能力判定テストにおいて英検3級相当以上の中学3年生の割合を35%以上にするという目標を掲げていますが、平成25年度の時点で33.6%で、目標達成までもう少しです。
グローバル創業・雇用創出特区にも指定されていますし、福岡からグローバルに活躍する人材を育成していきたいと思っています。

最後に。福岡に関心ある外国人に向けてメッセージをお願いします。

日本といえば東京、あるいは京都を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、福岡は東京と違って、コンパクトなエリアの中で様々な「日本」を感じることができますし、京都より長い歴史もあるんです。そして何よりも東京や大阪、京都に比べて観光や、生活、ビジネスにかかるコストが安いんです。そして、交通利便性の高い福岡を拠点にすれば、多彩な魅力が広がる九州各地に足を伸ばすのも簡単です。
東京、大阪は既に完成された都市だと思いますが、福岡はいわば日本の「ニューフロンティア」と言えるのではないでしょうか。昔からアジアとの交流で発展してきたけれども、今では日本で最も元気な都市だと言われています。本当にチャンスや機会に恵まれた地域で、成長している日本の都市の中でも魅力的で面白い都市だと思います。東京でも、京都でもなく、やっぱり次は福岡です。

日本国内を見たら、ネクストは福岡ですね。
そう、ネクストは間違いなく福岡です!
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以下の質問にも髙島市長に答えていただきました。

今年の11月16日に福岡初の大規模なレインボーパレードが開催され、600名以上の参加がありました。市長としてどのように思いますか?

福岡市は、市民が一人ひとり異なる個性や背景をお互いに尊重し、みんなが楽しくいきいきと過ごせるまち「みんながやさしい みんなにやさしい ユニバーサル都市・福岡」の実現を目指しています。この福岡市でレインボーパレードが盛大に開催されたことは、とても意義深いことだったと思います。
人権啓発センターを中心に、様々な差別や偏見を解消するために啓発を行っていますが、セクシュアルマイノリティの問題に関心を持っている市民の方はまだ少ないのが現実です。
そこで、1月には若い当事者の思いに触れることができるイベントを開催することにしています。これからもセクシュアルマイノリティの問題にみんなが関心をもってもらえるような取り組みを進めていき、誰もが心豊かに暮らし元気に輝いている社会の実現を目指していきます。

福岡市の借金は日本の大都市の中でも多くの残高を有しています。

個人の場合でも、家を買う時には一括で購入するのではなく、一般的には住宅ローンを利用して、長期に渡って少しずつ返済すると思います。自治体も同じで、市民生活に欠かせない道路や下水道、地下鉄、水道の整備など大きな予算が必要な事業を行う時には、借金をします。借金はしますが、整備されたインフラなどの恩恵は世代を超えて享受することができるのです。また、借金といっても、地下鉄や上下水道などの利用料金といった確実に見込める歳入で返済していくことができるものも含まれていますし、これまで、着実に市債残高を減らしてきています。
これからも、財政規律と投資のバランスを図りながら、健全な財政運営に取り組んでいきます。

fn 194 mayor 2

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Fukuoka City
Published: Jan 28, 2015 / Last Updated: Jul 18, 2019

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