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ベジタリアンも楽しめる食の体験と街散策

— 多様性のある街で、暮らすように過ごす —
博多や天神を中心に、たくさんの人で賑わう福岡市。あたたかく過ごしやすい気候は、今から博多祇園山笠(7月1〜15日)が始まる前まで続きます。また、桜に始まり、藤やつつじなど、街に花々があふれる美しい季節です。

この街を楽しむコツのひとつは、観光地をなぞるのではなく、暮らすように過ごすことです。あえて中心部から少し外れ、福岡を居住地として選んで暮らす人たちが日常的に使うエリアを歩いてみると、この街の別の表情が見えてきます。

今回は、天神からも歩いて行ける港や赤坂周辺を歩いてみましょう。この辺りには、オフィスやマンション、そして、公園や広場、港など多様な背景がゆるやかに混ざり合う場所が点在します。

aratsu bridge, 荒津大橋

食にもその流れは現れています。ベジタリアンやグルテンフリーといった選択肢が、特別なものではなく、日常の延長として存在しています。身体や思想に合わせて無理なく選べることが、この街の柔らかさにつながっています。

スタートは荒津大橋を眺めるつばめ広場から。博多湾に向かって視界が開け、港の風景がそのまま都市の一部として感じられます。都市高速を行き交う車両や、係留する漁船など、ここが観光地ではなく生活圏の延長にあることが実感できます。

aratsu bridge, 荒津大橋

長浜方面へと歩いていくと、長浜鮮魚市場や港湾機能と街の暮らしが混在する風景が続きます。このエリアで立ち寄りたいのが、港ビルの一角にある長浜うどんです。屋台やラーメンの印象が強い土地にありますが、ここはうどんを提供するうどん店。ごぼう天うどんや肉うどんなど、福岡での定番メニューもありますが、気になるのは「しいたけうどん」です。

nagahama udon, 長浜うどん

大分県産干し椎茸と、北海道産羅臼昆布で出汁を取った、やさしく、そしてしっかり旨味を感じるプラントベースのスープに、甘辛く炊いた柔らかくて大きな椎茸がドンと3枚乗る、長浜うどんの看板メニューです。味もビジュアルも印象に残る一杯です。
* 写真奥はワカメとネギが乗った「わかめうどん」。

nagahama udon, 長浜うどん

「しいたけうどん」は、1日30食限定の人気メニューなので、確実に食べたい人は、オープン時間に合わせていくことをおすすめします。
* 支払いは、着席前に入口付近の食券機でチケットを購入します(現金のみ)。

長浜うどん
福岡市中央区長浜2-5 港ビル102
・営業:10:00〜20:00(休憩16:00〜17:00)
・不定休
https://www.instagram.com/nagahamaudon/

そこから10分ほど歩くと、地下鉄赤坂駅の上には、食と農の関係をより具体的に感じられるコンセプトがしっかりしたユニークな場所もあります。ここOREC green lab 福岡は、農業機械メーカーがお米を軸にした食を提案するオーガニックなカフェです。

orec green lab

甘酒とライスミルクを使ったやさしい甘さのオリジナルドリンク「お米ラテ」などのドリンクに加え、発芽玄米のおむすびセットや、米粉ピザ、豆乳マヨネーズを使ったホットサンドなど、グルテンフリーやベジタリアンに対応したメニューが揃っています。いずれも制限のためではなく、素材や循環への関心から自然に導かれた内容です。

orec green lab

OREC green lab 福岡
福岡市中央区赤坂1-13-1
・営業:9:00〜18:00
・定休:日、月、祝日
https://www.instagram.com/greenlab_cafe/

赤坂交差点から西に向かって、福岡市民の憩いの場、舞鶴公園にもぜひ足を伸ばしましょう。
舞鶴公園では、桜の季節に合わせて「桜まつり(3月25日〜4月5日)」が行われ、期間中はたくさんの人で賑わいます。福岡城跡の石垣や濠に沿って桜が広がる様子に、季節の移ろいを感じることができます。広い園内を歩きながら過ごす時間は、特別な体験というよりも、日常の延長として楽しめます。

maiduru park, 舞鶴公園

また、桜まつりの時期に咲くソメイヨシノが終わる頃から、明治通りにはピンク色で花びらが多い八重桜の街路樹が咲き始めます。そして、ゴールデンウィークの前後はツツジ、大濠公園へ繋がる道中には藤の花、そしてお堀の蓮の花が、次々と花ひらきます。

maizuru park, 舞鶴公園
桜の季節は、和菓子店で販売される桜餅。

maizuru park, 舞鶴公園
現在整備中の舞鶴公園の鴻臚館広場には、かつて平和台球場(1949〜1997)がありました。

港から公園へと続くこのルートは、距離としては長すぎず、立ち寄りを重ねることで一日の流れが自然に組み立てることができます。

airefu hall, あいれふホール
あいれふホール(福岡市中央区舞鶴2-5-1)前に設置されるキース・ヘリングや、草間彌生のパブリックアート。

海、街、そして食。それぞれを分けるのではなく、活動と一体となった食のあり方を、肩肘張らずに楽しめるのがこのエリアの特徴です。

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