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九州のいいとこ取り!バスや列車、フェリーで巡る8日間モデルコース

を運転しなくても九州各地を巡ることができる「ザ・九州の旅」。外国人旅行者だったら『All Kyushu Pass』を使うと便利でお得。在住外国人や日本人は、このインバウンド専用デジタルチケットは使えないけれど、公共交通機関を使って九州の各県を巡る福岡発着のモデルコースは、発見や再認識の連続です。

最初の目的は、外国人旅行者に九州を堪能してもらうためにコースを組み立てたのですが、電車やバス、フェリーを乗り継ぎながら、そして、限られた時間内でどこまで行けるのかを試すうちに、これは九州、福岡に住んでいる人も楽しめる!と実感して日本語でも紹介することにしました。その土地らしさを感じながら旅することが好きなFukuoka Nowが選んだ、フレキシブルなコースです。九州を知らない人はもちろん、海外からの友人が来た時に一緒に巡ったり、一人でバックパッカー気分で旅したり…実際のプランニングの参考としてご利用いただけます。

All Kyushu Pass とは
インバウンド向けの九州周遊デジタルチケット『All Kyushu Pass』。
<バス・船舶>
九州+下関・長門の高速バス・路線バス、一部の船舶:3日分(1日券x3枚)
<列車・新幹線>
JR九州の在来線・特急列車・九州新幹線・西九州新幹線の普通車自由席券:3日分(1日券x3枚)
がセットになった商品で、利用開始日を含めて10日間、1枚ずつ任意の日に使用できるお得なチケットです。九州MaaS共通プラットフォームアプリ「my route」や外国人専用サイト「LINKTIVITY」で外国人旅行者のみ購入することができます。

All Kyushu Pass

ザ・九州の旅モデルコース

1日目:福岡 → 長崎(列車1枚目)
2日目:長崎 → 雲仙 → 島原 → 熊本(バス&フェリー1枚目)
3日目:熊本(自由時間)
4日目:熊本 → 別府(列車2枚目)
5日目:別府 → 由布院 → 阿蘇(バス2枚目)
6日目:阿蘇(自由時間)
7日目:阿蘇 → 鹿児島(バス&フェリー3枚目)
8日目:鹿児島 → 指宿 → 福岡(列車3枚目)

1日目:福岡 → 長崎(列車移動)

・博多 → 武雄温泉(8:54〜9:58/特急リレーかもめ
・武雄温泉 → 長崎(10:01〜10:32/西九州新幹線かもめ
・宿泊地:長崎市

旅の初日は、博多駅から「特急リレーかもめ」と「西九州新幹線かもめ」で長崎へ向かいます。この日は長崎ステイなので、到着したら自由時間。長崎市内には観光スポットがたくさんあるので、路面電車を使って巡り、ご当地グルメも堪能しましょう。

長崎観光の見どころ

グラバー園から長崎港を一望
長崎を代表する観光名所・グラバー園からは、長崎港を見渡すことができます。明治時代の日本の近代化に貢献したスコットランドの商人、トーマス・グラバーの名を冠した歴史ある洋館など3棟の国指定重要文化財と、長崎市内に点在していた伝統的建造物が移築復元されています。

平和公園・平和祈念像
長崎平和公園にある、力強いメッセージを持つ平和祈念像。その右手は核兵器の脅威を指し、左手は平和を象徴。過去を振り返り、未来の平和を願うために訪れたい場所です。

All Kyushu Pass

長崎ちゃんぽんと餃子
海鮮や野菜がたっぷり入った、ボリューム満点のちゃんぽんは長崎の中華料理店発祥といわれています。鎖国下でも対中貿易港として認められていた長崎には中華街があり、旧暦の正月(春節)は、ランタンフェスティバルが開催され大いに賑わいます。

2日目:長崎 → 雲仙 → 島原 → 熊本(バス&フェリー移動)

・長崎 → 諫早(09:30〜10:08/高速シャトルバス
・諫早 → 雲仙(10:40〜12:06/島鉄バス
・雲仙で自由時間(約2時間20分)
・雲仙 → 島原(14:25〜15:09/島鉄バス
・島原 → 熊本(16:25〜17:25/九商フェリー
・宿泊地:熊本市

この日は、車窓を楽しめるバスでスタート。雲仙の地獄温泉を散策して、午後はフェリーで有明海を渡り熊本へ向かいます。バスとフェリーを組み合わせたこのルートは移動も楽しめます。

2日目のハイライト
All Kyushu Pass

雲仙地獄
地の底から吹き出す蒸気と熱気が辺り一面を覆い尽くす雲仙の地獄温泉。硫黄の香りが漂う地獄エリアは、遊歩道が整備されているので散策することができます。明治から昭和初期にかけては、上海に暮らす欧米人の避暑地として愛され、日本で初めて国立公園に指定された場所でもあります。

フェリーで有明海を横断
島原と熊本を結ぶフェリーは、わずか1時間の快適な船旅。青い海と空、雄大な雲仙普賢岳を眺めながら、ゆったり過ごせます。追いかけてくるカモメにデッキからエサをあげると上手にキャチ!(ターミナル売店でカモメのエサを売っていました)。

All Kyushu Pass

All Kyushu Pass Ferry

3日目:熊本(自由行動)

・宿泊地:熊本市

この日は移動を気にせず、熊本の魅力をじっくり味わう1日です。歴史と復興のシンボル・熊本城は必見ですが、公園や庭園、アーケード街やオールドタウンなど、ユニークなまち並みなど見どころ満載です。のんびりと散策しながら、熊本ならではの魅力を体感しましょう。

熊本観光のハイライト

熊本城
堂々とそびえる熊本城の天守閣。春先は梅の花が彩りを添え、桜の名所としても知られます。2016年の地震から復旧工事が進む姿に、熊本のプライドを感じます。熊本城の象徴である優美かつ力強い黒と白のコントラスト、曲線を描く石垣や黒漆塗りの板壁は、戦国時代の名城としての風格を漂わせています。天守閣の展望デッキに登れば、市街地や遠くの金峰山まで一望できます。

All Kyushu Pass

桜の馬場 城彩苑でグルメ&ショッピング
熊本城のすぐふもとには、江戸時代の城下町を再現した小路にショップが建ち並びます。地元グルメやお土産品が揃う賑やかなスポットで、熊本銘菓『誉の陣太鼓』が丸ごと入ったソフトクリームをいただきます。小豆餡と求肥、そしてソフトクリームのマッチングがユニーク!

All Kyushu Pass

4日目:熊本 → 別府(列車移動)

・熊本 → 小倉(8:39〜9:38/九州新幹線 さくら
・小倉 → 別府(9:46〜10:55/ソニック特急
・宿泊地:別府市

この日は列車移動です(All Kyushu Passの鉄道網をフル活用!)。九州を横断する快適な列車旅の先に待っているのは、まちの至るところから湯けむりが立ち上る温泉天国です。観光名所を巡りながら、別府ならではの温泉文化に浸りましょう。

4日目の見どころ
All Kyushu Pass

湯けむりに包まれる街並み
まちのあちこちから立ち上る湯けむりは、別府らしい光景です。2000以上の泉源をもつこのエリアは世界有数の温泉地。湯上がりの人がまちを闊歩する姿も、温泉地ならではの光景です。

All Kyushu Pass

白池地獄
別府名物の地獄めぐり。中でも幻想的なのは白池地獄で、庭園も楽しめます。ミネラル豊富な温泉が作り出す乳白色の水面が、静かで神秘的な雰囲気を演出。フォトジェニックなスポットとしても人気です。

地獄蒸し料理
温泉の蒸気を使って食材を蒸し上げるヘルシーな郷土料理、地獄蒸し。自分で釜入れする体験もユニークで、食材の旨味がぎゅっと凝縮された品々にも感動!

All Kyushu Pass

5日目:別府 → 湯布院 → 阿蘇(バス移動)

・別府 → 湯布院(08:20〜09:13/亀の井バス
・湯布院で自由時間(約4時間37分)
・湯布院 → 阿蘇(13:50〜16:23/九州横断バス
・宿泊地:阿蘇

朝早くに別府を出発し、九州屈指の温泉リゾート・湯布院へ。温泉街の散策やカフェ巡り、アートに触れる時間を楽しみましょう。午後には九州横断バスで阿蘇へ向かい、大自然に包まれたエリアに泊まります。

5日目の見どころ
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湯の坪街道と由布岳
由布院駅から5分ほど歩くと、ショップや飲食店、ギャラリーが建ち並ぶ「湯の坪街道」。通りの先には、雄大な由布岳が見えます。のんびり歩きながら、湯布院らしい穏やかな雰囲気を楽しんで。

All Kyushu Pass

金鱗湖
湯布院を代表する風景のひとつ、金鱗湖。特に朝方には、温泉水と清流が混ざり合って生まれる霧が湖面を覆い、幻想的な空間を生み出します。

All Kyushu Pass

貸切温泉(家族風呂)で至福のひととき
湯布院周辺には、プライベートな空間で温泉を楽しめる『家族風呂』もあります。露天風呂の貸切なら、自然を眺めながら贅沢なひとときを満喫できます。旅の途中に心身を癒す、最高のリラックスタイム!

6日目:阿蘇(自由行動)

・宿泊地:阿蘇

この日は移動はせず、阿蘇の雄大な自然を堪能する1日。世界最大級のカルデラを誇る阿蘇の大地で、澄んだ空気と広大な景色を満喫しましょう。

阿蘇駅周辺をのんびり散策するもよし、レンタサイクルで美しい田園風景を駆け抜けるもよし。阿蘇駅からバス(片道約¥730)で 草千里を経由して「阿蘇山上ターミナル(中岳火口) 」まで行くこともできます。バスは1〜2時間おきに運行していますが、火山活動の状況で火口近くに入ることができない場合もあるので、出発前に公式サイトでの確認をお忘れなく!運が良ければダイナミックな火口を間近で見るチャンスです。

▶︎ 阿蘇火山火口規制情報

6日目の見どころ
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阿蘇のシンボル・赤牛とカルデラの絶景
熊本名物・赤牛がのんびり草をはむ風景が広がる阿蘇の高原。世界有数のカルデラ地形を背景に、どこまでも広がる草原の風景は圧巻!

All Kyushu Pass

阿蘇中岳火口
火山の迫力を間近で感じられる阿蘇中岳火口。噴煙を上げる火口はまさに大自然の力強さを象徴する絶景です。阿蘇駅からのバスを利用すれば、短時間でアクセスが可能です。

阿蘇の田園風景を満喫
緩やかな丘陵地帯と火山の絶景に囲まれた阿蘇の田園風景は、散策やレンタサイクルでの探索にぴったり。車通りの少ない静かな道を走りながら、九州ならではの大自然に浸る贅沢な時間を楽しんで。

All Kyushu Pass

7日目:阿蘇 → 鹿児島(バス&フェリー移動)

・阿蘇 → 熊本・桜町バスターミナル(09:02〜10:22/高速バス「やまびこ」
※前日までの予約必須(WEBまたはTEL: 0570-09-3533
・熊本 → 鹿児島・本港フェリーターミナル(11:00–14:27/高速バス「きりしま」
※要予約(WEBまたはTEL: 0570-09-3533
・鹿児島 → 桜島(15:00–15:15/桜島フェリー
・桜島 → 鹿児島(18:05–18:20/桜島フェリー
・宿泊地:鹿児島

この日は九州南部を移動します。バスとフェリーを乗り継ぎ、火山と温泉が織りなす鹿児島の大地へ向かいます。午後は鹿児島湾(錦江湾)を見下ろす桜島を訪れ、夕方は鹿児島市内へ戻ります。

7日目の見どころ
All Kyushu Pass

桜島を望む絶景
鹿児島湾の向こうにそびえる桜島。九州の大地が火山によって形作られていることを実感できるダイナミックな風景が広がります。市街地からわずか15分の船旅で、まるで別世界のような大自然へ。

桜島フェリー
鹿児島市内と桜島をつなぐ「桜島フェリー」は15分のクルーズながら、絶景を楽しめる人気のルートです。噴煙を上げる火山を眺めながら、リラックスした船旅を満喫しよう。

All Kyushu Pass

名山エリアのグルメ&ナイトライフ
旅の締めくくりにぴったり、鹿児島のディープな名山(めいざん)エリア。個性豊かなレストランやバー、カフェが並び、地元の人々も集まるローカルな雰囲気が魅力です。黒豚や地鶏など鹿児島名産の料理を味わいながら、鹿児島の夜をゆっくり楽しんで。

All Kyushu Pass

8日目:鹿児島 → 指宿 → 福岡(列車移動)

・鹿児島中央 → 指宿(9:17〜10:29/JR指宿枕崎線
・指宿でフリータイム(3時間)
・指宿 → 鹿児島中央(13:35〜15:01/JR指宿枕崎線
・鹿児島中央 → 仙巌園(15:14〜15:21/JR日豊本線
・仙巌園 → 鹿児島中央(17:30〜17:38/JR日豊本線
・鹿児島中央 → 博多(17:54〜19:13/九州新幹線「みずほ」
・宿泊地:福岡

最終日はローカル線から新幹線まで、多彩な列車旅を楽しむ一日です。指宿では名物の「砂むし温泉」を体験し、鹿児島市内に戻って歴史ある庭園「仙巌園」 でのんびり過ごします。その後、新幹線で福岡へ戻り、九州旅を締めくくります。

All Kyushu Pass

指宿枕崎線の絶景ローカル列車
懐かしさを感じるディーゼル列車・キハ40系に揺られながら、鹿児島の南海岸をのんびりと走る指宿枕崎線。素朴な風景とゆったりした時間の流れに癒される旅路です。

指宿の砂むし温泉
九州、指宿といえばこれ! 温かい砂に全身を包まれる砂むし温泉。火山の恵みを感じながら、じんわりと身体の芯まで温まる極上のリラックスタイムを。

All Kyushu Pass

薩摩藩主の庭園美、仙巌園
桜島を背景に、美しい日本庭園と歴史ある武家屋敷が広がる仙巌園。江戸時代から続く薩摩藩・島津家の邸宅で、武家文化の趣を感じながらゆっくり散策を楽しみます(目安60分)。2025年3月に仙巌園駅が開業し便利になりました。

All Kyushu Pass

アレンジ自在なモデルコース

この旅程は「All Kyushu Pass」、つまり限られた時間(最大10日間)を最大限に活用して、効率的かつ快適に九州を巡ることを目的に作ったモデルプランですが、パスがなくても周遊は楽しむことができます。自分好みにアレンジするのももちろん可能です!

・ゆっくり過ごしたいなら? → 休息日を増やす
・お気に入りのまちがあれば? → 滞在を延ばしてじっくり楽しむ
・行きたい場所が別にある? → ルートを自由に変更

九州の魅力は季節によっても変わりますので、あなたの好みのタイミングやスポットを見つけて、楽しんでくださいね。


 

Category
Travel
Things To Do
Kyushu
Published: Mar 24, 2025 / Last Updated: Apr 3, 2025

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