自転車愛用者から言わせてもらうと、福岡の車の運転は乱暴。逆に車の運転手から見れば自転車の方が危ないんだろうけど…
僕は速くて凸凹にも強いハイブリッド自転車に乗っている。そして歩道は通らず車道を通ることにしてる。理由は簡単。とにかく歩道はゲームのフロッガーアーケード版みたいで、犬を散歩中のおばさんに遭遇したらマイナス50点、彼らの成長に反するように歩くだらだらした専門学校生たちならマイナス100点、道端でたむろしている学生たちはマイナス200点ってな具合さ。だから車道は歩道よりもずっと安全なんだ。車は同じ方向に進むし、僕はバスや車と同じ位の早さで自転車を運転するからね。でも車の運転手の中には、サイドミラーで自転車のハンドルが引っ掛かるくらいスレスレを通る輩もいるんだ。トラックの運転手には、運転しているトラックの長さを忘れ、車線変更のついでと言わんばかりに自転車を車道から追いやろうとする輩もいるし。車線変更中の運転手たちの視覚動作探知機能は車には敏感だけど、自転車には鈍感のようだ。曲がろうとしている時なんかは自転車の速度なんかすっかり無視。かといって強引に進もうとすると“Get off the f@#king road”なんて罵声をあびる始末（しかも英語で！日本の運転手って実は英語が堪能なんだね）。
一方、車の運転手たちからすると僕ら自転車の方が危険極まりない存在だろうね。愚かな若者らはメールをしながら自転車に乗るし、信号無視は当たり前。片手で傘をさす遅刻寸前で猛スピードの自転車通勤サラリーマンたちもいる。道のど真ん中をママチャリで優雅に通るマダムに、塾帰りの高校生軍団なんかは、暗闇でライト無し、黒髪で黒い制服を着て、横に広がって群れて運転してる。君たち、闇に隠れてまったく見えないって知ってるのか？それこそ“Get off the f@#king road!!”だぜ。
法律で自転車は「軽車両」。歩道を徐行しないで通ると3カ月以下の懲役（つまりは刑務所入り）もしくは5万円以下の罰金刑になるよ。残念ながら形式上の法律だけどね。
ここ数年間で福岡市には平和台公園前の明治通りのように、歩行者と自転車を分けた歩道ができた。これはかなりの効果を出していて、サイクリングもしやすいし、歩行者も身の安全を守ることができる。難点は市内のごくわずかなエリア限定の対応だってことくらい。だから僕はここで提案したい。販売した自転車の売上げから千円ずつを自転車用のレーンを作るための費用に充てるってどうかな？そして警察には交通規制を厳しく見守るように申し出たい。一時停止の場所では必ず止まるとか、方向指示をだすとか、夜にはライトを付けるとか。基本のルールを徹底することによって、車道における自転車の権利は強くなるはずさ。そして、君が自転車愛用者であれば、明るい服を着て、フラッシュライトを昼夜関係なく点灯して欲しい。そうすれば、大半の運転者は君に気づいてくれるよ。そして、野蛮で有名な福岡の運転手が大勢いる街中では、停止線と赤信号では必ず止まること。方向転換する時は動作で示すこと。そうすれば運転手は快く道を譲ってくれる。ハンドルにミラーなんかつけると尚オッケー。そしてトラックの気配を背後に感じたら、君のペースでトラックに追い越しサインを出してあげるといい。最後に、歩行者にはベルで知らせてあげること。自転車は君が思っているより静かだから、ベルを鳴らすことで、年配者や子連れのお母さんたちは気づいてくれるよ。
そ して自動車の運転手のみなさん、自転車をみたら少なくとも1.5メートルは車間距離をあけて下さい。サイドミラーが肩すれすれに通って行く時は生きた心地がしないし、自転車だって常に直進するとは限らないからね。自転車だって軽車両。乗り物を運転するドライバーみんなで気を配り合うってドーデショ？
マーク・カウワン／カナダ／ソフト開発者
Originally published in Fukuoka Now Magazine (fn175, July 2013)
