
福岡市早良区百道の福岡インターナショナルスクール(FIS)に、新しい校舎「北館」が完成しました。2026年8月31日には、関係者や生徒らが参加して完成を祝う式典が行われ、翌9月1日から新学期とともに利用が始まります。

1972年に設立されたFISは、幼児期から高校まで国際カリキュラムによる一貫教育を行う、福岡を代表するインターナショナルスクール。現在は約40カ国から約420名の生徒が学び、80名以上の教職員が勤務しています。
今回の増築は、海外から福岡への転入などに伴う入学希望者の増加に対応するもの。新しい北館によって約80名分の受け入れ枠が増え、将来的には約500名までの在籍が可能になります。学年によっては入学待機者がいる一方、限られた敷地の中で教室をやりくりしてきたFISにとって、教育環境そのものを見直す機会にもなりました。
既存校舎になじむ、4階建ての新校舎
北館は4階建。外から見ると既存の校舎に自然になじみ、角度によっては新たに増築されたことに気づかないほどです。一方、内部は既存校舎とスムーズにつながり、明るく開放的な空間が広がります。
天井の設備配管をあえて見せることで天井高を確保し、大きな窓や広いホワイトボード面、明るい色の家具を配置。近くを流れる川や橋を望む教室もあります。

新たに整備されたのは、理科実験室、小学生用の教室、少人数で学習やディスカッションができるスペース、そして陶芸室を備えた拡張アートスペースなど。単に教室数を増やすのではなく、生徒が集まり、試し、つくり、考えるための場所として計画されています。

FIS学校長(Head of School)のブライアン・フリーマン氏は、この新しい空間について、「教師にとっては教え方の選択肢が増え、生徒にとっては協働し、実験し、創造する機会が広がる」と説明。「今日は新しい建物を開く日というだけではなく、生徒たちに新しい可能性を開く日です」と語りました。
「学校の世界が広がる」
式典では、生徒代表もスピーチを行いました。
9歳のときに日本の学校からFISへ転校してきたという彼女。さまざまな言語が聞こえ、世界各地から来た友人や先生と出会ったことで、自分の世界が一気に広がった一方、小さな学校がゆえ、同じ人間関係の中で過ごす時間が長かったと振り返ります。

「この新しい建物によって、FISの世界が広がります。そして、私たちの世界も広がります」
空間が広がることで、新しい生徒を迎え、新しい友人関係が生まれ、上級生にとっては静かに集中できる場所も増える。建物の完成を、生徒自身の学校生活の変化として語った言葉が印象的でした。
福岡に根ざしたインターナショナルスクール
今回の増築は、福岡の企業や公共団体、保護者をはじめとする多くの支援によって実現しました。4階の多目的室には、支援者の名前を記したドネーションウォールも新設。FISのマスコットであるサメをモチーフにデザインされ、式典で披露されました。

海外企業や外国人材の受け入れが進む都市にとって、移住に必要なのは仕事だけではありません。住居、医療、交通、そして子どもの教育環境も重要です。特に家族がいる場合、適切な教育を受けられるかどうかは、その都市を生活拠点として選べるかを左右する条件になります。

約80名分の受け入れ枠を増やし、教育環境そのものをアップデートした今回の北館完成は、FISにとっての節目であると同時に、国際的な家族が福岡で暮らし、長く根を下ろしていくための都市基盤が一つ強化された出来事でもあります。
福岡インターナショナルスクール(FIS)
所在:福岡市早良区百道3-18-50
https://www.fis.ed.jp/ja

Reporting and photography: Nick Szasz and Emiko Szasz