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Summer BBQ Special!

輪 v.s. バーベキューグリル

「アヅイ~」と口にしながらも降り注ぐ太陽を見上げてワクワクしてしまうこの季節。さらに暑い夏こそ屋外料理がいつもにも増して美味しくなるものだ。洋風に行くならバーベキュー、和風で行くなら七輪だ!ということで東西バーベキュー対決!

■七輪
~日本の伝統的な調理器具~


「七輪」は、江戸時代以前には完成していた調理器具の一種。珪藻土と呼ばれる粒の細かい火山灰の土で焼かれた陶器製のものが一般的で、昔はどこの家庭にもあったが、現在は炭火焼料理を味わう道具として飲食店やアウトドアなどで利用されている。最近はスローフードの影響もあり、七輪を使って調理をする家庭も増えているのだとか。煙が少ないので屋内で使用することもできるし、食材の風味が数段上がる事は間違いない。旨味の秘密は遠赤外線。火を入れた時に発生する遠赤外線と素材に使われる珪藻土から放出される遠赤外線のダブル効果によって、表面はかりっと香ばしく、中はふんわりジューシーに仕上がるのだ。

※主に珪藻土からなり、中でも昔ながらの珪藻土岩を削って形を作る「切り出し七輪」が高級。熱でひび割れても崩れないように胴にはバンドが巻かれている。

黒川浩良さん
じっくりと素材のおいしさを引き出すには最適な七輪。そこで一番こだわって欲しいのは木炭。特に備長炭は通常の木炭よりも高いけど、料理の仕上がりが断然変わる。アウトドア以外でも使用できるのもポイント。換気扇を回せば室内でも使えるし、日本の伝統文化を見直すという意味でも、ぜひ七輪調理に挑戦してほしい!



今日は日本を代表する調理器具・七輪を使って、バーベキューに挑戦。七輪の使い方他、新鮮な海の幸と糸島で採れた野菜が、炭焼きによってどれほど旨味が倍増するのかご紹介!

七輪の使い方
一度炭に火がつけば、あとは時々炭を足すだけでOKだけど、炭を足すと火力が弱まるので、窓で調節したり、うちわや火吹きで空気を送ると火力を調節することができる。

備長炭
木炭には黒炭と白炭があり、一般的には黒炭が安く手に入る。備長炭は白炭の部類に入り、炭素の純度が高いほど質がよく、紀州備長炭は最高級と言われている。

野菜
しいたけやピーマンなどは、意外と早く焼き上がる。なすも丸ごと乗せても中までしっかりと火が通る。ベーコン巻きなどもおいしい!塩だけで十分おいしさが味わえるぞ。

サザエのつぼ焼、アジの干物
酒としょうゆをたらして、ぐつぐつと煮えるのを待つ。炭の香りと磯の香りが広がって、何ともいえない贅沢な気分が味わえる。干物は焼くというよりも弱火であぶる感覚で!

魚のホイル焼き
白身魚と野菜、バターとレモンをホイルでとじて、酒としょうゆをプラス。この時、しっかりとホイルで包むのがポイント。炭火でじっくりと蒸すと、開いた時の香りが違う。

地鶏
七輪のよさと備長炭の違いを存分に楽しむなら、ぜひ地鶏を焼いてみてほしい。こりこりと歯ごたえのある糸島の地鶏は、塩こしょうだけでも十分おいしい!


ちょっと小腹が空いたなーと思った時に、ちょうどいいのが「もち」。七輪で焼いたもちは、のびも最高!

–七輪の達人–


黒川浩良さん/ヒノデ
野北ビーチ沿いにあるサーファーに大人気のヒノデ。一押しメニューは、糸島産の玄米と野菜をふんだんに使ったスペシャル・タコライス(700円)。
住所>>糸島郡志摩町野北ビーチ海水浴場駐車場
電話>>090-5941-0705
営業時間>>11:00~日没後1時間
定休日>>雨の日
■ バーベキューグリル
~肉食文化の国の必需品~


一家に一台と言っても過言ではないほど、欧米諸国ではポピュラーなバーベキューグリル。その歴史にはいろいろな説があるが、テキサスの食肉青空市場発という説が有力視されている。アメリカではバーベキュー専門新聞が毎月発行されていたり、「Steven Raichlen’s Bbq USA」という本(レシピ、地域性、旨い店ランキングなどが掲載された分厚い本)が売り上げトップ5にランクインするなど、その浸透ぶりはまさに肉食文化の象徴といえる。バーベキューといえばダイナミックにジュウジュウと焼くイメージがあるが、本来はスモークに最適な道具であり、調理方法も多彩なのだ。

※米国の炭グリルで人気のウェーバー。炭のタイプもあるが、欧米ではガスバーベキューが一般的。コックを開いて点火ボタンを押すだけの簡単便利な調理器具。

マシュー・ブレリーさん
バーベキューのいいところは手軽でおいしいこと。食材さえあれば今からだって出来ちゃうし、手をかけたければ肉に下味を付けたり、お手製のドレッシングを作ったり。盛り付けなんて気にしない!とにかくバーベキューは豪快に焼く!ってことが大切だ。照りつける太陽の下で、肉汁ジュウジュウいわせてみようじゃないかぁ!



気軽に豪快に食材を焼くバーべキュー。今回は学生時代をほぼ毎日バーべキューで過ごし、今でもかなりの頻度でグリルを囲むというマットさん直伝のバーベキューメニュー。決め手はソース!と語るこだわりの豪快料理だ!

バーベキューグリルに着火
まずは肉や野菜などの食材を準備する前に、肝心要、グリルの火を準備する。

マスタードソースチキン
マスタードソースにつけ込んだブロックチキンを炭火で香ばしく焼き上げた食欲をそそるジューシーな一品。視覚的にもまさにアメリカンだ。

※マスタードソース
以下の材料を混ぜたソースに肉をつけ込む。ビニールタイプの密閉袋は手もよごれずに合理的!
マスタード1/2カップ、酢大3、ウスターソース大4、はちみつ大3、ドライタイム少々

ホットサラダ
ザク切り野菜にドレッシングを塗って、柔らかくなるまでグリルで焼く。焦げ目が着いたころを目安に、火からあげて食べやすいサイズにカット。温かいうちにドレッシングで和えれば、彩り鮮やかホットサラダの出来上がり。

※サラダドレッシング(下味用)
オリーブオイルとラズベリービネガーに刻んだニンニクとショウガと混ぜ、香り付けにタイムを加える。
※サラダドレッシング(仕上げ用)
オリーブオイルに酢を少々。コショウと塩で味を調整。

バーベキューソースコーン
バーベキューソースを軽く塗って香ばしく焼き上げる。おいしさのポイントはコーンの下準備。水と牛乳、砂糖で軽く下茹するとほどよい食感が楽しめる。

※バーベキューソース
同量のケチャップとブラウンシュガーに、お好みで酢としょうゆを加え、刻んだニンニクとショウガに、パイナップルジュースで甘味を添える。肉にも、野菜にも使える万能ソース。

バナナチョコレート
ご覧あれ!甘さド級の定番デザート。バナナの上にチョコレート、さらに砂糖、バターを乗せ、焼く直前にラム酒で香り付け。バターが溶けたら食べごろだ。
右手にトング、左手に水を!
大きな炎には水をシュッシュツ。強烈な炎ではせっかくの香ばしさが台無しだ。

ヘアドライアーを使って
炭の着火が鈍いときはドライヤーが大活躍。ぐんぐん風を送れば時間短縮。

–BBQグリル名人–


マシュー・ブレリーさん/居酒屋マッツ
畳や堀ごたつ、入り口の玉砂利など、和を意識した店内。警固の四つ角近く、多国籍料理の居酒屋として営業中。
住所>>福岡市中央区警固1-12-5
電話>>732-8322
営業時間>>18:00~1:00
定休日>>日曜日

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn79 Jul. 2005)

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Fukuoka City
Published: Jul 1, 2005 / Last Updated: Jun 13, 2017

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