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三重津海軍所跡

重津海軍所跡
〜欧米列強に対抗するために佐賀藩が設置した三重津海軍所〜
鎖国政策の下、オランダ、中国に限定してあけられた窓口、長崎を約200年にわたって警備していた佐賀藩と福岡藩。欧米列強のアジアへの侵出に強い危機感を抱いた佐賀藩は、その勢力に対抗しうる力をつけるため鉄製大砲の鋳造や蒸気機関を動力とする洋式船の建造、修理を行う施設を整備していく。

©佐賀県

1858年に、幕府が開設した長崎海軍伝習所で学んだ航海や造船の知識・技術を佐賀藩内に広めるため、藩所有の和船を管理する御船屋があった三重津(三重という地域にある港:津は港を意味)に御船手稽古所(おふなてけいこしょ)を設けた。これが三重津海軍所の始まりだ。

©佐賀市
有明海をバックグラウンドに、早津江川沿いの三重津海軍所跡の位置を示す写真

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三重津海軍所の地区と役割
・船屋地区:海軍所として整備される前は「御船手稽古所」が置かれた場所。今でも当時の地形が残っている。
・稽古場地区:藩士らに航海術や測量術、造船術などの教育を行った場所。多い時には300人を超える藩士が訓練をしていた。
・修覆場地区:洋式船の部品の補修・製造を行う製作場や、船を引き入れるためのドックがあった場所。日本最古の西洋式ドライドックが地下遺構として保存されている。

©佐賀市
修覆場地区に残るドライドック側壁の木組遺構
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三重津海軍所のドックの特徴
佐賀藩管理の和船は全長20m程度だったが、オランダから購入した洋式船「電流丸(でんりゅうまる)」の全長は約45m。大型の洋式船を修理するために造られたドックだ。日本の伝統技術を用い、木や土を使って造られており、船の出し入れには最大6mもある有明海の干満の差をうまく活用している。

©佐賀県

現在、この付近一帯は、三重津海軍所の監督を務め、日本赤十字社を創設した佐野常民の偉業を顕彰する記念館(体験学習施設)と日本近代科学技術の源流といわれる「佐賀藩海軍所跡地」の遺構を顕在化した歴史公園からなる「佐野記念公園」として整備されている。
また、三重津海軍所を象徴するドックの遺構は、保存のため現在は埋め戻されている。

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三重津海軍所跡の3大ポイント
①幕末における洋式海軍成立の様子
②西洋技術と在来技術との融合
③有明海の自然の力を活かした知恵と工夫

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みえつSCOPE

天気のいい日には、三重津海軍所跡を歩いてみよう!音声ガイダンスを聞きながら、見どころポイントでみえつSCOPEを覗くと、ドックをはじめ、約160年前の三重津海軍所をイメージしたパノラマ画像を見ることができる。

・貸出場所:佐野常民記念館2階みえつSCOPE受付
・貸出時間:9:00~16:30
・貸し出しの際、運転免許証やパスポートなど本人確認が必要
・対応言語:英語・韓国語・中国語繁体字、中国語簡体字、日本語

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みえつドームシアター

記念館1階では、直径6mのドーム型シアターで、三重津海軍所創設に至る佐賀藩のストーリーを迫力あふれる映像(約5分間、英語・韓国語・中国語繁体字、中国語簡体字、日本語のキャプションあり)で視聴できる。
また、ドームシアター前では、オキュラスリフトも体験できる。約160年前の三重津海軍所の賑わいを360度見渡しながらイメージしてみよう。

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見えない世界遺産・三重津海軍所跡へタイムクルーズ!
三重津海軍所の「過去」と「現在」を見比べることができるスマホアプリ。佐野常民記念館の3階インフォメーションコーナーにWEBアプリが見られるQRコードがある。

アクセス / Access

三重津海軍所跡
佐賀市川副町大字早津江津446-1 佐野常民記念館
・利用時間:9:00〜17:00(みえつSCOPEの貸出は16:30迄)
・休館:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
・料金:入館無料(一部有料展示あり)
・公式web:http://mietsu-sekaiisan.jp/

アクセス
・九州佐賀国際空港→タクシーまたはレンタカーで10分。
・福岡・天神→西鉄電車「柳川」駅より西鉄バス沖新線「早津江」バス停下車(30分)、徒歩5分。
・自動車→長崎自動車道「佐賀大和IC」より車で40分。

オススメ観光スポット

その名も「三重津海軍ドッグ」!
ドライドックの約100分の1サイズの三重津海軍ドッグ。約60cmのソーセージを昔懐かしいコッペパンに挟んだ1日5本限定(¥1,480)のご当地フード。三重津海軍所で作られた日本初の実用蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」をかたどっている。小船サイズ(¥500)もある。

Dai Dai Cafe
・所在:佐賀市川副町早津江津470(佐野常民記念館から徒歩1分)
・電話:080-3980-0232
・営業:11:00〜19:00
・定休:火曜

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地元名産の商品が勢揃い!
3つのテーマ「干したもの、蒸したもの、醸したもの」で厳選した佐賀の「おいしい」土産物が揃う。有田焼のカップ入り佐賀産日本酒や、有明海のエイリアンとして話題のワラスボの干物も手に入る。

三重津みやげ ホスムスカモス
・所在:佐賀市川副町早津江津470(佐野常民記念館から徒歩1分)
・電話:0952-37-1817
・営業:10:00〜17:30
・定休:不定休
https://www.facebook.com/hosumusukamosu/
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筑後川昇開橋のたもとにある産直販売店
地元でとれる魚介類・海苔などの海産物や、佐賀県産いちご「さがほのか」などの農産物などを販売。地元でつくられた調味料・珍味、お弁当、お惣菜などもある。

橋の駅ドロンパ
・所在:佐賀県佐賀市諸富町大字為重214-4
・電話:0952-47-5209
・営業:9:30〜18:00
・定休:12月31日~1月3日
http://www.sagabai.com/doronpa/main/

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Category
Places
Saga Prefecture
Saga City
Published: Jan 29, 2018 / Last Updated: Sep 20, 2022

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