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「お箸使えますか?」

部の外国人にとってはしばしば頭痛のタネだという「Can you use chopsticks? (お箸使えますか?)」という質問について、先日僕が教えている英会話上級クラスの生徒と話し合ってみた。ほとんどの生徒はこの質問がある種の「軽蔑」を意味することに気づいてたいた様子。1人の生徒は「Do you~?やDo you enjoy using~?と使うべきなのに、Can you~?(可能か?)だなんて聞き方はおかしいよ。言語表現の違いが問題だと思う。」という・・・この質問に違和感を覚えるのは、本当に言葉の問題なのだろうか?

「あの質問はウザイね。箸を使えるか否かはスキルの問題であって、日本人になりきる事とは何の関係もない」とは九州在住のアメリカ人、ケイシー。彼が一番困るのは、彼がお箸が使えると分かった時の日本人の過剰な反応らしい。「うわ~、すごぉ~い!(お箸)使えるんだ~!」
そこで、僕の生徒達に聞いてみたところ、満場一致で「西洋の人間がお箸を使えるという事が、日本人にとっては本当に驚きなのだ」という結論に達した。でも「もし彼ら(外国人)がこの質問が不快だと思っていると言ってくれれば、そんなオーバーアクションはしないのに」まだまだ言葉の壁が問題だ、という論点は変わらない。

ケイシーの考えでは、日本人は外国人を「特別な客人」としてもてなしているという事だった。人々は驚く事によって礼儀を表しているのだと。一方で、そんなオーバリアクションを「偏見だ」と思う外国人達もいるのも事実。そう質問される事により、自分たちが外国から来たという事をさらに自覚させられるし、せっかく身につけた日本人らしささえも、全部否定されたと思ってしまうのだ。そう、お箸なんて4歳の子供でも使えるんだ、僕らが箸を操るのはごく当たり前の事だと思わないか?

僕のクラスの生徒たちはすっかり黙り込んでしまった。もちろん、彼らは「箸」に関する質問で外国人を軽蔑しようとしていたわけではないだろう…。今回、僕自身もいろんな事を考えた。生徒たちもまた、彼ら自身が納得するためにいろんな論説を考えたに違いない。些細な事の用だが、育ってきた環境や文化、習慣が違うから、受け手の取り方は千差万別、当然の事といえばそうかもしれない。文化の壁を超えて、意味のある会話をすることはとても難しい。みなさん、ドォデショ?

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn89 May 2006)

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Fukuoka City
Published: May 1, 2006 / Last Updated: Aug 1, 2019

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