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不当な雇用条件にもの申す!


最近、ALT(外国語指導助手)の労働者派遣事業の雇用問題が注目されている。県が全額負担するJET(語学指導等を行う外国青年招致事業)と日本で仲介業者を介するALTでは、教育の質は同じでも、雇用形態が異なり、一人あたりのコストも大きく異なる。そのコストをめぐる、ALTの雇用状態は驚くほどずさんであることをご存知だろうか。本来ALTの場合、プログラムの統括者である公的機関とALTは指揮命令関係つながるべきだが、現在のところ派遣業者と請負契約を結び、その先に業者とALTとが直接雇用関係を交わしているというのが現状だ。

その中で管理者が不透明となり、各自都合のいいシステムを続けているのだ。そのひとつが保険。それぞれ社会保険、雇用保険が義務づけられているものの、規定に反して派遣業者は保険への加入手続きを行わず、ひどいときには交通費さえ支払われない。そして、それを指摘すると「それは管轄外。他をお尋ねください」と、窓口をたらい回し。公的機関は派遣業者に業務を丸投げし仕事を放棄、派遣業者は契約を無視した雇用形態で利益を得ているというのが実態だ。当人たちが知らないことをいいことに、本来、教師に支払われるべき費用を派遣業者が巧妙な手口で我が利益にしてしまっているのだ。さらに、契約期間も曖昧。本来1年~3年契約のところを、1年以下の契約で働かせるなど、使い捨て労働者的な扱いを受けているのだ。そのような状況では業者の都合によっては突然の解雇もありうるのだ。もちろん一概に業者を攻めるわけではなく、管理を怠り、丸投げしている公的機関にも大きな問題はあるというもの。制服や教科書などの物販と同じように入札が行われ、不当な雇用条件で働かせるという現状は、国際化を教える現場では、まさにあるまじき行為だと思わない? みなさんドォデショ?

毎回シリーズでお届けする「ドォデショ?」。あなたも日頃の疑問や不満、提案なんぞを思うがまま、筆の動くがままに書き綴ってみてはいかがでしょう。。

Illustrations by Shirley Waisman

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn76, April 2005)

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Fukuoka City
Published: Apr 1, 2005 / Last Updated: Aug 1, 2019

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