糸島にあるアートギャラリー Studio Kura(スタジオクラ)では世界各国からアーティストが訪れ、数カ月間滞在しながら制作に励むレジデンスプログラムを行なっている。プログラムの最後には、その成果を発表する展示会が実施される。今回は5名のアーティストによる作品が展示される。
・2023年1月21日(土)、1月22日(日)
・アーティストトーク:1月22日14:30~
・11:00~17:00
・入場無料
・Studio Kura
・福岡県糸島市二丈松末586
・092-325-1773
・https://studiokura.info/
01. Paula Schultz / ポーラ・シュルツ(United States)
タイトル:Losing Wins
イラスト、デザインを手掛けるアーティストのポーラ。ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で美術学士号を取得し、ワシントンポスト、LAタイムズ、スバルなどの仕事に携わってきました。作品名”Losing Wins”は、雷山千代基大悲王院でひいたおみくじをそのままグーグル翻訳したもの。「大切なものを失っても、その代わりに何かを得ることが多い」と解釈しています。この考え方は、8年間勤めた会社を不幸にも失い、長期出張ができるようになったことでStudio Kuraにたどり着いた、この1年のテーマでもあります。今回の作品は、この地域で拾得した流木、貝殻、ヒトデなどの自然物と、民間伝承や習慣に焦点を当て、自然が与えてくれる物と地元で調達した古着など人工物の間に即興的な相互作用を生み出してきました。
〜カタツムリが殻を失うと、より快適な大きな殻を手に入れるように。クローゼットから布を捨てることで、家の中にスペースが生まれ、心の平穏も得られるように。鳥が卵を失い、翼を広げて飛び立つように〜
02. Chris Lightbody / クリス・ライトボディー(United States)
タイトル:自然のリズム「糸島」
クリスはウィスコンシン大学ミルウォーキー校でデジタルアートとテクノロジーを専攻し、映画とアニメーションに重点を置いて美術学士号を取得、日本語を副専攻しています。この展覧会では、滞在期間中に制作した自然の美しさが感じられる映像作品を展示します。
〜ゆっくりと、時間をかけて、呼吸を整え過去を思い出し、その雰囲気を味わおう
青春のノスタルジーを浴びながら、より良い未来を想像しよう
自然が織り成す循環のリズムを感じて。
この丘が私を知っているとは思えないけれど、
もし彼らが私のことを知っているとしたら?
波が私を待っているとしたら?〜
03. Lucy Hollier / ルーシー・ホリアー(United States)
タイトル:For Lack of Words
ルーシーは音楽家、作曲家として訓練を受け、現在はパフォーマンスアートやマルチメディアインスタレーションを取り入れながら、聴くことに重点を置いた活動をしています。
滞在中は、廃材を使用して机やテーブルを作り、スタジオ周辺のいろいろな場所に設置しました。机の上には切手が貼ってあるはがきを置き、人々にそのはがきに俳句を書いて誰かに送ることを提案しています。展示には集まった俳句や作ったテーブル、映像などが含まれ、展示終了後には葉書は発送されます。
04. Erlend Cross / エルレンド・クロス(Australia)
タイトル:Placemaking
西オーストラリアのパースを拠点に活動する抽象芸術家・エルレンド。キングス・カレッジ・ロンドンで人文地理学と哲学を学んだ彼は、人間と環境の関係に芸術的な焦点をあてています。スタジオの玄関前の車道を題材に、障子や和紙を使った作品を制作しました。この場所とそれを支えるコミュニティの物理的な歴史にも触れています。
05. Leander Tammo Beck / リアンダー・タンモ・ベック(Germany)
シンガポールの3DSense Media SchoolからKura賞を受賞し派遣されてきた、ベルリン出身のデジタルイラストレーターのリアンダー。イラストレーションを専門とするコースを卒業した彼は、既に存在するキャラクターに焦点を当て、そのキャラクターを背景と一体化。中世やSF、サイバーパンクといったジャンルに情熱を注いでいます。今回の展示は、新たな絵画のアイデアをより多く集めることとなるでしょう。