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西日本シティビル竣工、開業は夏頃

博多駅前の再開発が、建築の更新から都市の回遊性を再編する段階に移行している。
2026年3月31日、博多駅前で2023年11月から開発が進められていた「西日本シティビル」が竣工した。地上14階、地下4階からなる複合ビルで、博多駅と地下で直結する。

4月3日に行われた竣工式では、福岡市の高島宗一郎市長がこの場所を「福岡の顔」と位置づけ、来訪者にとって最初に触れる都市の印象を担う拠点であると来賓祝辞を述べた。

西日本シティ銀行と福岡地所が開発を進めてきた本計画の軸にあるのは、駅前の賑わいを周辺へと拡張する都市的な装置としての機能。敷地内には「コネクティッドコア」と呼ばれる公開空地が、1Fエントランス前(約500m2)と地下鉄に繋がる地下2F(約300m2)に設けられ、イベント利用にも対応する公共的な空間として整備された。

さらに明治公園へと連続するプロムナードを通じて、歩行者の流れを駅前から外へと導く構成だ。これは福岡市が進める「博多コネクティッド」と連動し、駅周辺の回遊性を高める試みである。

Nishinippon City Bldg. Hakata

建築デザインは、デンマークで設立された世界6カ国を拠点に活動する 3XN Architects が日本初のプロジェクトとして手がけた。

低層部のコーナーを持ち上げることで街に対して開かれた動線を生み出し、上層部ではボリュームを分節して周辺スケールとの調和を図る。外装には鋸歯状のタイルとガラスを組み合わせ、直射日光を遮る日射制御と環境負荷低減を両立させている。環境性能の面でも、ZEB Readyをはじめとする複数の認証を取得し、エネルギー負荷低減やウェルビーイングに配慮した設計が採用されている。

低層部は街に開かれた用途が配置されており、1Fにはバーガーレストラン「Shake Shack 博多店(シェイクシャック)」、「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」、ベーカリーカフェ「dacō/I’m donut ?」、ロイヤルグループが手掛ける立ち飲み酒場「STAND T -HAKATA-」が入り、地下1階にはコンビニエンスストアが整備される。

地下2Fには約400席規模の「NCBホール」が設けられ、コンサートや講演、企業イベントなどに対応する多機能ホールとして2026年6月に開館予定だ。尚、同ホールは、大規模災害が発生した時などには、帰宅困難者の一時滞在施設として提供される。

また、建物周辺には花や中低木による植栽、壁面緑化、ベンチなどが配置され、広場と一体となった歩行空間が整備されている。また、公共スペースには、日常のオブジェクトを擬人化するユーモラスな作品で知られるアーティスト、Erwin Wurm(エルヴィン・ヴルム)による作品も設置される予定だ。

• 建物名称:西日本シティビル
• 所在地:福岡市博多区博多駅前3丁目 1 番1号
• 敷地面積:5,229.87㎡(約1,582 坪)
• 建築面積:5,084.63㎡(約1,538 坪)
• 延床面積:75,699.29㎡(約22,899 坪)
• 階数:地上14階、地下 4階
• 高さ:59.7m(地盤面からの高さ)
• 用途:銀行、事務所、店舗、駐輪場、駐車場等

取材・撮影:Emiko Szasz

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