福岡には美味しいものがたくさんある!と、ここに暮らす人は自慢し、ここを訪れる人は大きな期待を寄せています。年中温暖な気候のおかげで、新鮮な食材が手に入りやすい恵まれた地理的環境であることも大きな理由の一つですが、福岡には店主自らが腕を振うインディペンデントな店が多いのも人々を惹きつける理由です。
今回紹介する飲食店は、あくなき探究心をもつ福岡の料理人が、信念をもって手がける『プラントベース(植物由来)』のメニューを提供していることが共通点です。産地がわかるもの、環境に配慮されたものなど、食材を吟味して丁寧に作られる一皿は、グルメに関心ある人にこそ選んでもらいたいものばかり。
肉や卵、魚などを使わず、あえて限られた食材から作る料理人の腕が試されるメニューを、ぜひお試しあれ。
フランス料理人が作るヴィーガンディッシュは、アラカルトでもコースでも。
レストランを経営する両親の影響を受けフランス料理の世界へはいった本田フトシシェフ。福岡の人気ビストロで腕を磨き、2008年にAIGNON(アニオン)を開業。これまでに2回(2014、2019)発行された「ミシュランガイド福岡」では、ともにビブグルマンを獲得。気さくな人柄でファンも多い本田シェフの確かな技術で作られるフランス料理を、ここでは豪快かつカジュアルに楽しめます。
訪れた客からのリクエストに応える形でスタートしたヴィーガンメニューは、全てが手作り。洒落っ気のあるネーミングにも惹かれる「マッシュ・マッシュ・スマッシュ」。マッシュルームのピューレとソテーをクレープで包み、フレッシュのマッシュルームをビネガー(酢)で和えたオリジナルメニュー。単品¥2,400
インゲン豆とカリフラワーのハンバーグを、バルサミコ酢とトリュフのソースで味わう新メニュー「PBB No.1 (Plant-Based Burge) / 単品¥2,600)」は、外側はカリッと、中はふんわり焼きあげた風味豊かなハンバーグにリッチなソースが絡むメインディッシュ。
デザートだけを頼むこともできます。このビーガンデザートは「いちごとディルのモンブラン」。さっぱりした中にも、カカオバターやオーツミルクのコクが加わる色合いも美しい一皿です。
コースの場合は、これら3品を含む合計5品で¥8,000(別途席料¥1,000)。一般コースはデザート含む7品で、¥9,900、¥15,000、¥19,800(別途席料¥1,000)。ビーガンメニューを頼まない人とも一緒に会食できる貴重なレストランです。思いついた時に立ち寄ることもできますが、コースやビーガンメニューは、事前予約をした方が安心です。
AIGNON
・福岡市中央区天神1-15-14
・17:00〜25:00 L.O.
・定休:日曜
・電話:092-717-3001
・公式webサイト / Instagram
日本の家庭料理の基本は地産地消の玄米菜食
玄米を中心に、旬の野菜や穀物、海藻を使ったおかず(副食)と味噌汁をいただく、伝統的な日本の食卓。これをベースにするのがマクロビオティックの食事法です。
福岡のマクロビオティックの老舗・エヴァダイニングでは、農薬や化学肥料をできる限り使わずに育てた植物性由来の原料を使い、醤油や塩、味噌、昆布や椎茸の出汁を使って調理する食事を提供しています。
日本の家庭料理の基本は一汁三菜(ご飯と汁物+おかず3種)。リバレイン本店では、おかずが日替わりの「一汁三菜¥1,100(ご飯は大盛り可能)」をランチタイムに(11:00〜14:00)食べることができます。
デザートも、ラズベリームースやカカオムース(各¥500)などのビーガンスイーツの他、テイクアウトできる穀物コーヒーのゼリーや、クッキー、マフィンなど、卵や乳製品を使わないビーガンスイーツが揃います。
テイクアウトできるマクロビ弁当の定番メニューは8種類。大豆ミートを豆板醤を使って韓国風に味付けした「焼肉もどき丼(¥864)」、玄米ボール3種が入った弁当(¥760)、モチモチに炊き上げた玄米のおむすび(¥162 / ¥194)など、持ち帰り用の惣菜や弁当も店頭で販売しています。ここリバレイン本店の他、博多駅、西鉄福岡(天神)駅、岩田屋でも、マクロビの弁当や惣菜を販売しています。
エヴァダイニング リバレインモール
・福岡市博多区下川端町3-1
・10:00〜19:00(18:00 L.O.)
・不定休
・電話:092-273-2262
・公式webサイト / Instagram
見た目も麗しいバーガー
プラントベースの食材にこだわるカフェ、NICE(ナイス)。店主の横山優介さんが丁寧に作るメニューは、ケチャップやハンバーグなど調味料も含めてほとんどが手作りです。
植物由来であることがNICEのコンセプトですが、その大前提として「美味しいこと」をモットーに作るメニューは、厳選したナッツや穀物、スパイスをバランスよく配合したオリジナルレシピです。
ひよこ豆ベースのパティに糸島産の野菜を挟んだバーガーと、ナッツを使った香ばしいベジタブルラザニアは、見た目も美しい人気メニュー。
マフィンやバナナケーキなどの日替わりのスイーツや、豆乳をベースにフルーツやスパイスを加えたプラントベースのアイスクリームもメニューに並びます。
アボカドチーズバーガー¥1,550(写真上)、ラザニアプレート¥1,600(写真下)
Plant-based Cafe NICE
・福岡市中央区警固3-13-35
・11:30〜19:30L.O.
・定休:月曜
・電話:092-983-5971
・https://www.nice-plantbased.com/
・https://www.instagram.com/nice_plantbased/