西洋人の私たちからすると日本人って実年齢より若く見えるよね? 健康的な食習慣のせいもあるけれど、理由はカンタン。夏が近づくとこぞって始める「日焼け」対策にあり!
日本に来てすぐの頃、夏なのに厚着した女性達を見て驚いたわ。冬にはミニスカートを履いてたのに、何故か夏はロングパンツ、シャツも重ね着、傘や手袋で顔や腕などデリケートな白い肌を隠す。・・・夏にありったけの洋服を着て傘をさす、なんて絶対真似できない。だって私なんて、学校の休み時間には人になるべく見つからない場所で、日光を浴びてたりするくらいなんだもの!
西洋では、「白く透き通る肌」ってのは必ずしも珍重されるわけではないのね。どちらかというと、使用人に囲まれ贅沢優雅な暮らしをしていた時代の古めかしいイメージかな。近年の、特にカリフォルニアでの日焼けブームは凄いものがあって、皮膚ガンのリスクがあると分かっていても、こんがりと焼けた肌は健康と自由の象徴!健康志向の人たちは、妥協策としてカラーローションやスプレー等の”フェイク日焼け”グッズを使ってブロンズの肌を演出してるほど。
かわって、日本。驚いたのはデパートの棚に並ぶコスメの数々。おしろい、ホワイトニング、ローション、強力な日焼け止め…。地球の反対側で同じメーカーが売っているのは「フェイク日焼けグッズ」なのにね。日陰にいてもローションでブロンズの肌の色を演出することは簡単なのに、日陰にいて、且つ本当の「白い肌」を目指している日本人女性。そりゃ若く見えるわ~、ナットク。
職場では白い肌でいる方が賢明だと考える日本人女性。日焼けした顔は、女性の職場での権限や社会人としての常識を欠くと感じているようね。私たち西洋人だって、日焼けすることでアピールしている事があるのよ「私の人生は開放的! 泳いで、ビーチで寝そべって…。え、ナニ?仕事?!」ってね(笑)。私は働く時間より、自由な時間をどう過ごすかという事に関心があるけれど、日本人の場合は人生の時間のほとんどを仕事に当てているみたい。外がまだ明るいうちはオフィスに残って働いていることが望ましい日本、サマータイムはしばらく実施されなさそうね。
日焼け止めによる健康効果は認めるけど、日焼けが職場での立場に影響するってのはまだ理解できない。私は、薄着で日光浴をしてるのを見られるのは一向に構わないけど、それよりも生徒たちに「肌、白いね」と”褒められ”るほうがなんだかビミョーなのよね。こっちは努力してせっせと肌を焼いているってのに(笑)。なんだかんだ言って結局、行き着く結論は一つ。「人間とは、持っていないものを欲しがる生き物だ」ということなのかもね、ドォデショ?!
Originally published in Fukuoka Now magazine (fn91 Jul. 2006)