秋の博多ではさまざまなイベントが開催されます。「博多旧市街ライトアップウォーク2024 千年煌夜」は、博多の由緒ある寺社の庭園や建物がライトアップされる毎年恒例のイベント。昼間とは違った夜の雰囲気が楽しめることから人気があります。
博多旧市街ってどんなところ?
中世(12~16世紀頃)の博多は日本最大の貿易港で、宋(中国)の商人が住むチャイナタウンもあったとされます。その中心地として栄えたのが博多旧市街です。中世に由来する歴史や伝統がたくさん残っていて、寺院が数多くあることから「寺町」とも呼ばれています。博多駅から歩いていけるエリアで、昔の面影を残した街並みをゆっくり散策することができます。
この博多旧市街で2006年から行われているのが「博多旧市街ライトアップウォーク」です。いつもは入れない建物も会場として一般開放され、ライトアップされた庭園や建物には幻想的でアーティスティックな雰囲気が漂います。今年は無料・有料あわせて14の会場が参加して、11月1~4日の4日間にわたって行われます。今年のライティングテーマは「龍」で、それぞれの会場ごとに工夫を凝らしたライティングが披露されます。
博多旧市街ライトアップウォーク2024 千年煌夜
・2024年11月1日(金)〜11月4日(月祝)*雨天決行
・点灯時間:17:30〜21:00(入場は20:45まで)
・当日券:紙チケット¥2,500、eチケット¥2,450(前売券はそれぞれ¥200引き)、中学生以下無料
・https://www.hakata-light.jp/
見どころ会場をピックアップ
14の会場から、おすすめスポットをいくつか紹介しましょう。今年初参加の会場もあります。特に記載がない会場は有料になります。
承天寺
所在:福岡市博多区博多駅前1-29-9
仏殿は無料、方丈(本堂)は有料です。玄界灘の波を表現した石庭がとりわけ美しく、ライトアップされると本物の波のように輝きます。博多に居住していた宗の貿易商・謝国明が施主となって創建した寺院で、博多の夏祭り「博多祇園山笠」の起源にも深い関わりがあります。
一行寺
所在:福岡市博多区中呉服町9-23
ライトアップされるのは山門のみですが、無料で楽しめます。500年以上の歴史を持つ寺で、山門は長い歴史を感じさせるものです。石堂川のすぐそば、博多の街の玄関口とも言える場所にあります。
櫛田神社
所在:福岡市博多区上川端町1-41
8世紀中頃に創建され、博多の総鎮守として地域に大切にされている神社です。地元の人々は親しみを込めて「お櫛田さん」と呼びます。ライトアップされるのは注連懸稲荷神社など建物の一部ですが、広い境内は見どころがいろいろあります。
龍宮寺
所在:福岡市博多区冷泉町4-21
「龍宮」とは海の底にある龍神が住む宮殿のことで、今年のテーマ「龍」にゆかりが深い寺です。創建当時はもっと海辺に近い場所にあったとされます。また人魚の骨や人魚の掛け軸、さらには人魚を葬ったとされる人魚塚があるなど、数々の人魚伝説が残されています。
東長寺
所在:福岡市博多区御供所町2-4
真言宗の開祖・弘法大師が、唐での修行を終えて博多に戻ったときに日本で最初に創建した寺です。日本最大級の木造坐像「福岡大仏」があり、今年は2年ぶりに「福岡大仏」が夜間公開されます。ライトアップには水素で発電したクリーンな電力を使っています。
永寿院
所在:福岡市博多区御供所町13-7
これまで観光客にはあまり知られていなかった寺で、今年初めて会場として参加します。福岡藩・黒田家の重臣が、妻子を弔うために1664年に創建しました。本堂や庭園は創建当時のもので、落ち着いた趣のある雰囲気を残しています。
海元寺
所在:福岡市博多区中呉服町10-5
仏教で地獄の王とされる閻魔様を祭る閻魔堂があり、地獄の釜が開く(地獄の休日のことを意味する)とされる8月16日と1月16日には「えんま祭り」が開催されます。同じ境内に、人々を救う仏である観音様を祭る観音堂も並んで建っています。天国と地獄が一緒に体験できるユニークな寺院です。
関連イベントも盛りだくさん
さまざまな関連イベントも開催されます。承天寺の仏殿では「夜市」が開かれ、承天寺が日本発祥の地とされるウドン、ソバなどが販売されます。櫛田神社ではジャズライブ(11月1〜4日)が行われ、お酒の飲み比べブースやキッチンカーも出店します。博多千年門ではクラシックや和楽器などのコンサートが開催されます。
ほかにもスタンプラリーやオリジナルグッズの販売があり、ライトアップウォークのチケットを提示すると特典が受けられる店舗や施設が博多旧市街エリアにたくさんあります。チケット特典は10月3日から11月24日まで行われている「博多旧市街フェスティバル」の期間中有効なので、ライトアップウォーク終了後も利用できます。
今回紹介した博多旧市街は昼間に訪れても十分楽しめます。ライトアップイベント以外でも、ぜひ歴史ある寺院を散策してみてください。