Body Singer KOKO


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1999年に伝説のアフリカンパーカショニスト、ママディ・ケイタの福岡公演が行なわれた。僕がはじめてKOKOを見かけたのは、その公演後のパーティ会場でだった。彼女をはじめとする日本人のパフォーマーが、アフリカという遠く離れた土地の文化に深く通じていたことがとても印象に残っている。それからもKOKOは海外でいろいろな経験を重ね、今あらためて自国の文化を見つめ直している。人は自分の生まれ故郷を離れて初めてその良さに気付くのかもしれない。僕もそうであったように。
編集長/ニック・サーズ

KOKO/コオコ
福岡出身、高校卒業と同時にジャズシンガーとなる。’94、’96、福岡ブルーノート出演。98年に渡米、Barry Harrisのコーラスメンバーとして活動、レコーディングにも参加。’00、’01と2度に渡りアフリカへ。本格的にパーカッションやダンスを学ぶ。以降、唄やダンスや太鼓を楽しめる、アフリカンやジャズのテイストを取入れた無国籍なグループ GyaayRose(ジャイローズ)を結成。現在ではノンジャンルな独自のスタイルを確立し、ライブやコンサートを中心に活動。

ライブ活動はHPをチェック!
http://mmd_ngm.at.infoseek.co.jp/

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FN:ジャズシンガー、Sabar(サバール=セネガルの打楽器)パーカッショニスト、ダンサーと多才な顔を持たれていますが、最初に音楽に興味を持ったきっかけは?
Koko:小学生の時はエレクトーンを習ってたんです。歌うようになったのは高校の頃、バンドを始めてからですね。ちょうどバンドブームだったんですよ。当時はパンクを中心にロック、ポップスetc…ジャンルにこだわらず、歌いたいと思う曲を歌っていました。

FN: ジャズもその時に?
Koko: いいえ。高校卒業後の進路をどうするか迷っていた時にジャズと出会い、卒業と同時にジャズシンガーに転向しました。それまでは全く触れたことのない世界でしたが、“歌う”ということに変わりはないから何の抵抗もなかったし、ジャズの世界に強く惹かれていきました。ちなみに最初に歌ったのはJulie London の “Cry Me a River”という曲なんですが、この曲は歌詞のとらえ方によって解釈が違ってくる、奥深い魅力のある曲。年齢を重ねるごとに“あーこういう風にもとれるなー”なんて新鮮な発見もあったりして。今でも十八番(おはこ)として歌い続けているんですよ。

FN: 福岡以外に海外でも活動されてますよね。ニューヨークではBarry Harris Family Chorusのメンバーとして活動したり、サバールパーカッションの名手ドゥドゥ・ンジャイ・ローズの家族の元でパーカッションやダンスを学んだり。どうして海外へ?
Koko: 24歳の時にニューヨークへ3ヵ月ほど行きました。「ジャズ=ニューヨーク」というイメージだけで、何の準備もせずに行っちゃいましたねー(笑)。向こうではセッションなどが毎日のようにどこかで開かれている。自分で動けば動くだけ情報が入手できました。例えばフリーペーパーを見てライブハウスに「歌いたい」って飛び込んで行ったり、たまたま参加したセッションで別のセッションを紹介してもらったり…と。

FN: なるほど。自分で動いて情報を得るというのは、大事なことですよね。では、アフリカンパーカッションに出会ったきっかけは?
Koko: 福岡在住のセネガル人のミュージシャンとたまたま知り合ったんです。そこで日本からアフリカへ行くツアーがあることを知り、本場で学んでみようかと。でも、今考えるとその年は彼と出会う以前にもアフリカンミュージックになんとなく興味を持ち始めていたので、常にアンテナを張っていたのかもしれません。“用意”をしていたら“チャンス”が巡ってきた時に掴まえることができる!って実感しました。

FN: 実際にアフリカへ行ってみてどうでした?
Koko: 行く前に抱いていた印象とあまりにも違っていてびっくりしました。アフリカって野生の動物に会えるってイメージじゃないですか~。ところがセネガルという国は、街がとってもファッショナブル!女性たちは厚底ブーツにパンタロンはいて、髪にはウィッグまで。本当かどうか分からないけれど、「男性の収入の70%は女性の装飾品に消える」という話もあるくらい女性がとってもおしゃれなんです。特にお祭りの時なんて、みんなめいいっぱいオシャレして出かける。そして、リズムに乗って、ダンスして…というように全身全霊で何もかも楽しむ!って感じでした。

FN: ひとりの音楽人(アーティスト)として、海外で受けた影響は?
Koko: ニューヨークやアフリカで暮らしてみて確かに世界は広がりました。でもどこに行っても感じたのは、音楽は国境に関係なく、世界中の人たちで共有できるモノだということです。リズムのとり方が分からなくっても、聞く音楽が楽しいとか悲しいとか感じたりするのは、文化や国籍なんて全く関係ないことですよね。また、同時に日本の文化にも興味を持つようになりました。昨年から民謡を勉強しているのですが、何でこんないい音楽が近くにあったコトに気付かなかったんだろう!っていう驚きがあったり。 これもジャズやアフリカンをやってこなかったら興味を持たなかったかもしれない。ニューヨークで歌を教えてくれた黒人の先生と今民謡を教えてくれている先生が同じことを言うんです。「人生で経験できる全てのことはいい歌を歌うことにつながってる」って。

FN: いろんなことにチャレンジしながら、今後ますますのご活躍を期待しています! ちなみにKOKOさんに映る「福岡 」の街とは?
Koko: 「福岡」が大好きです。国内外問わず、いろいろなことを受け入れる大きな器を持っている街だと思う。アジアマンスだってあるし! いずれはアジアだけでなく“ワールドマンス”に成長して、もっともっと世界に目を向けていくとさらに楽しい街になるんじゃないかな。

FN: KOKOさんのこれからの夢は?
Koko: おばあちゃんになっても歌い続けていて、世代を超えて人々に「ジ~ンときたよ」と言ってもらえるようなアーティストになることかな!

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クセ?
クセかどうかは分からないんですけど、ところかまわずよく眠ってしまうんですが、人から良く言われるのは、はっきりした寝言を言うそうです。それも会話ができるくらい鮮明なのだとか! 自分では全く覚えてないんですけど、起きたらすっごく疲れているんですよ…(笑)。寝言に話しかけないでください…

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