Champion Hawks Report


Bird Watching – Fukuoka SoftBank Hawks 2010

福岡 2010年10月12日
文:マット・シュエレイン
翻訳:安川ゆうき

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やったぁぁぁぁ!!福岡ソフトバンクホークスが、パ・リーグ優勝した!!!
ホークスは後3勝で日本シリーズへ進出、4勝でホークス歴史上5回目の日本一の座を手に入れる。残り試合は最多で13試合。勝率5割で優勝だ。

チャンピオンの栄冠まであと一歩。私が今まで住んでいた都市(カンザスシティ、タンパベイ、サンディエゴetc…)の野球チームは一度も優勝に近づいたことはない。
前回ホークスがパ・リーグ優勝を成し遂げたのは2003年。その当時のチーム名は福岡ダイエーホークスで、パワフルな打撃を開花させた松中が30本のホームランを打ち、リーグの打点王に輝き、チームを引っ張った(髪の毛も今より多かった・笑)。私はまだ大学1年生だった。7年も前の話だ。そして、その年ホークスは日本シリーズをも制覇した。今年も、そう、今年こそやってくれるはずだ。

2010年シリーズレビュー

2010年のシーズンは、ホークスにとって非常に厳しいシーズンだった。実は、パ・リーグで優勝したとはいえ、勝利数はリーグトップではない。しかし、負け数は少なかったことが効を奏した(引き分け数が多かったため)。混戦模様のペナントレースの結果、ホークスは2位の埼玉西武ライオンズにわずか0.2%の勝率の差で上回り優勝を果たしたのだ。

ホークスは絶対にあきらめなかった。それがパ・リーグ優勝へとつながった。
今季のホークスには突出した「スーパースター」はいなかった。しかし、チームが一丸となり勝利をつかみ取った。私は今まで、これほどのけが人を抱えながらも集中力を失わず、一致団結したチームを見たことがない。

シーズン前の順位予想ではホークスは全くと言って良いほど期待されていなかった。スポーツ記者たちの予想も4~6位だった。私自身の予想としてはもう少し楽観的ではあったが、昨年の3位という順位よりも上に行くには、全てがパーフェクトでなくてはならないと考えていた。

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オフシーズンに選手の補強がほとんどなく、唯一と言っていい補強はWBC韓国代表のイ・ボムホだった。私としては松田、オーティズがいるのに、と思ったのだが・・・。
結果的に、平均年齢は1歳上がり、昨シーズンとほぼ同じ選手の顔ぶれで、今シーズンは始まった。私は昨年よりもどうにかいい成績を残せるようにと願うしかなかった。他のチームが効果的な補強に成功したことを考えると、不安はさらに大きくなっていた。

選手の高齢化は大きな問題だ。キャプテン小久保は38歳、松中は36歳。松中は怪我も完治していないし、バッティングも完全復活にはまだほど遠い。前「ホームランアーティスト」小久保と前「三冠王」松中は、今年は2人合わせてホームラン26本、打点103、打率.263。守備でも身体が動いていない場面も何度か見られた。

怪我はチームの大きなネックだった。特に今年は、怪我が感染していくかのようだった。小久保、松田、オーティズ、ホールトン、山崎が故障者リスト入りした。しかし、最大の問題は先発投手だった。

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今シーズンは5番目、6番目の先発投手に不安をかかえたまま開幕。加えて、今シーズン2試合目で良い投球をした大隣も、昨年11勝したホールトンも、怪我などもあり調子が上がらない。シーズンを通して先発ローテーションを守ってくれると思われていた2人が期待されたようなピッチングを見せられないなか、計算できる先発投手は、杉内と和田の2人だけだった。この先発投手不足は、シーズンを通して解消できなかった。
和田、杉内の2人の先発投手の力だけではホークスはリーグ優勝することはできなかっただろう。ホークスの最大の勝因はブルペンだ。中継ぎ投手がシーズン中に大きく成長してくれた。6、7回までにリードしていれば、それを死守し、先発が崩れリードされている時もしっかりと踏ん張り、打撃陣が逆転するチャンスを残してくれた。とにかく頼れる中継ぎだったと言える。
2009年に攝津、ファルケンボーグ、馬原のSBMトリオが出現し、6回までにはゲームが決まった。7回から9回の防御率は1.76、61ホールド、30セーブ。今シーズンはさらに多くのゲームで多くのイニング数を投げ、1.71の防御率、79ホールド、34セーブと、昨年よりも良い結果を残した。それに加え右の甲藤、左の森福が現れ、2人で124イニング、防御率2.82と20セーブを上げた。SBMから「SBM48ちょ」へと進化したのだ(葛藤の背番号が48、森福のニックネームが「ちょめ」から)。

1番バッター川崎は昨年の不調から復活し、シーズン打率.316、出塁率.397を記録。2番本多も自己最高の打率.296を残し、盗塁王にもなった。この2人が塁に出て盗塁したことが昨年よりも36点多く得点した一つの要因だろう。
怪我の多かった多村も、彼のキャリアで初めてシーズンを通して出場した。打率.324、27本のホームランで攻撃陣を牽引。オーティズは117試合に出場し、24本のホームランを打ちチームに貢献した。ペタジーニはシーズン途中からチームに加わり、左のパワーヒッターとして活躍。ホークスには一人で30本のホームランを打つ選手や、100打点を超える選手はいなかったが、チーム全員で得点を稼いでいったのだ。

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シーズン後半は大混戦だった。対ライオンズ3連勝をきっかけにホークスの大逆転劇が始まった。天王山は杉内vsダルビッシュの両エースが投げ合った試合。杉内が好投を見せ1-0で北海道日本ハムファイターズを破った。一方ライオンズはプレッシャーに負けたのか、連敗を喫する。ホークスの優勝が決まったのは東北楽天イーグルス戦の3回途中だった。札幌ドームのデイゲームでファイターズがライオンズを下したのだ。ホークスはその試合はイーグルスに負けてしまったが、パ・リーグ優勝は確実にホークスが自らの手で掴んだものだ。

今シーズンのような大接戦は、本当に素晴らしい。シーズン3位のマリーンズが2位のライオンズを破り第2ステージへ進出したが、アドバンテージはホークスにある。CSはシーズン中の結果や相性がどうであれ、最後まで何が起こるか分からないものだ。長年の野球ファンはきっとこう言うだろう。「日本一の栄光は一番信念の強いチームが手に入れるだろう」と。今シーズンのホークスは図太い信念を持っている。

More to come!

と〜っても待ち遠しいクライマックスシリーズももうすぐ!フクオカナウのレポートも続いていくのでお見逃しなく!フェイスブックもフォローしてね!
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福岡ソフトバンクホークス ピッチャー ブライアン・ファルケンボーグ選手にインタビュー

2010年10月6日

ライオンズが負けてホークスのパ・リーグ優勝が決まった時、チームの反応はどうでしたか?
最高だったよ!優勝のニュースが入ってきたのは3回だったんだけど、ほっとしたよ。長いシーズンだったから優勝が決まったときは、本当に安心したね。

ダルビッシュとの対戦のときのチームの雰囲気はどうでしたか?
何人かの選手はちょっと緊張してたかもね。でもいいプレーをするにはリラックスしないといけないから、そう出来るように心がけてたよ。
日本球界のトップの投手の投げ合いだからね。本当に野球が好きな人なら、その場にいたかったと思うよ。

ホークスの強さはリリーフピッチャーだったと思うんですが、誰が一番成長したと思いますか?
甲藤だね。昨シーズンはあまり試合に出てなかったし、今年のキャンプが終わってから1軍に加わったんだけど、今シーズンは沢山の試合に出て沢山のイニングを投げて、すごく成長が見られた。本当に攝津と僕に休みを与えてくれて助かったよ。森福も貢献してリリーフ陣を助けてくれたね。とにかくチーム全体で勝ち取った優勝だよ。

SBMの一人として、若い選手を助けるための役割はなんですか?
言葉の壁があるから難しいけど、行動で見せているよ。どんな風にバッターに立ち向かい、ストライクを取っていくかが僕たちピッチャー陣の役割だからね。自分にできることをやるだけだよ。

誰がSBMという名前をつけたんですか?
分からないね。多分マーケティングの誰かだと思うけど。昨シーズンの半ばくらいについたんだよ。

新聞などではあまりリリーフ陣の記事が載ることはありませんが、フェアじゃないと思いますか?
中継ぎがインタビューされるのは、大体ゲームを壊した時だけだからね。その理由では注目されたくないよ。レポーターと話すのは好きだけど、新聞やニュースは先発投手やバッターに注目すべきだと思うよ。

ブルペンで待っている時はどんな感じですか?出番が来るまで何をしていますか?
1回から3回はトレーナーとストレッチしたりマッサージをしてもらったりしてる。6回にベンチに行ってリラックスするようにして、それから集中しピッチングに備えてるよ。

ライオンズとマリーンズ、どちらのチームにセカンドステージに上がってきてほしいですか?
どっちでもいやだね。どちらも良いチームだからね。どちらのチームも攻撃力があって、良いクローザーがいるからね。どっちでも一緒かな。

セントラル・リーグはどう思いますか?
中日ドラゴンズがホークスと同様、早々に1位に決まって、最も怖い相手かもね。でもジャイアンツもタイガースも日本を代表するチームだし、とにかくすごい日本シリーズになると思うよ。

FUKUOKA NOWの読者に一言。
球場に足を運んで来て見てください!福岡も盛り上がってエキサイティングな時期になると思うよ。応援よろしく!!

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CS第1ステージレビュー

2010年10月13日
文:マット・シュエレイン
翻訳:安川ゆうき

週末に千葉ロッテマリーンズは埼玉西武ライオンズを2連勝で倒しミラクルを起こした。ライオンズのホームグラウンドで、ライオンズは2試合ともリードしていたが、リリーフが崩れ2試合とも9回に追いつかれた。マリーンズは2試合連続で逆転勝利をし、CS第2ステージ進出を決めた。

ホークスにとっては良い結果になったと言えるだろう。ホークスはシーズン中マリーンズに対し15勝9敗、ライオンズに対し10勝14敗だった。
第2ステージのゲームは全て福岡Yahooドームで開催される。ホークスのホームゲームの勝敗は43勝27敗2引き分け、アウェイゲームは33勝36敗3引き分けで、圧倒的にホームゲームの勝率が良い。ホークスは休息も十分。その上、1勝のアドバンテージもある。

ホークスの第1試合は杉内が先発する予定だ。杉内はシーズン中5回マリーンズと対戦しており、4勝1敗の結果を残しているが、防御率は5.13と良いとは言えない。しかし、杉内はホークスのエースで、ダルビッシュに投げ勝った頼れる左腕だ。CS1試合目の大舞台で使わない理由はない。

見どころ
マリーンズがチャンスを掴むには、早いイニングの内に点を入れる必要がある。杉内は昔のスチームエンジンのようなスロースターターだ。回が進むにつれてエンジンがかかり、どんどん良くなっていく。

ホークスのブルペンは杉内の調子が崩れない限り、1試合目は出てこないだろう。

ホークスはマリーンズに対して.280の打率を残している。川崎と本多の俊足コンビが出塁し、早い回に1、2点入れて、打線に火をつけてくれることを期待しよう。

マリーンズはCS第1ステージで強さを発揮したが、ライオンズに対して勝利をおさめたことに私は驚かなかった。今シーズン、マリーンズはライオンズに対し13勝11敗で勝ち越していたし、ライオンズは9月に入ってから調子を落としていたからだ。マリーンズは今好調の波に乗っているが、ライオンズに対しての9回からの猛攻撃を 、ホークスの“SBM28ちょ”に対して再現することは難しいだろう。マリーンズの初戦の先発は、エースの成瀬だろうが、疲れが残っているかもしれない。アドバンテージの1勝も含めホークスが有利であると言えよう。だが、新聞や雑誌の予想は野球の結果には関係ないということは、ホークスが一番知っている。

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