Yuji


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Profile
Yuji
宮崎出身。本名榎本裕二。大学を休学してN.Y.に留学中、民族楽器に興味を持つ。現在はアフリカンパーカッショングループ『Folikan』のリーダーでジェンベ(太鼓)プレイヤーとして活躍中。ジェンベ&ドゥンドゥンの伝統音楽レッスンも好評開催中!http://www.geocities.jp/folikan/

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民族楽器に興味を持ったきっかけは?
もともとN.Y.に留学したのはデザインの勉強のためだったけど、友達にもらったジェンベ(太鼓)を日本に持ち帰ったら、たまたまレーダーっていう情報誌(Fukuoka Nowの元祖!)に、セネガル人が教える太鼓教室があるっていうのが載ってて。レーダーがなかったら今の自分はいませんよ(笑)。初めはデザイン学校の講師のかたわらで音楽活動をしていたけど、今は『Folikan』の音楽活動やジェンベ教室で教えたり、音楽一本の生活です。

『Folikan』ではどんな活動を?
5人のメンバーで、全国のお祭りやイベントに参加したり、小学校の文化学習の一環として招待されたり。もちろん自分たちの音楽性を高めるために、ギニア出身のママディ・ケイタが主催している西アフリカのワークショップに参加したりもします。ママディは僕らの中では神様みたいな存在。『Folikan』っていう名前もママディが付けてくれたものです。Foliっていうのは、マリンケ語で話すとか演奏する。kan は音を意味する言葉だから深い意味で「魂の音」って、僕らは解釈してるんですけどね。

ワークショップではどんなことをするのですか?
西アフリカ地方に伝わるマンディング音楽の継承っていうのが前提で、ヨーロッパやアメリカ、イスラエルやアジアなど世界中から集まったメンバーで行う音楽合宿みたいな感じかな。僕はもう2回参加しました。

アフリカと日本の違いはどういう所でしょう?
アフリカは一言で言えば、シンプル&ストロング。僕が行ったギニアとマリは、トイレが土に穴を掘ってじょうろが置いてあったり…。あと、一夫多妻制で奥さんは4人までOK!でも4ワイフ4トラブルって言われてて実際は大変そう(笑)。他にも肌の色の違いとか、目に見える違いはたくさんあるけど、スピリッツはどこの国も同じですよ。

滞在中のエピソードを聞かせてください。
ワークショップの合間に、ママディ・ケイタの故郷に行ったんだけど、福岡から東京ぐらいの距離をタクシーとトラックと徒歩で3日間ぐらいかかりました。スタンドで間違えて軽油入れられるし、タクシーは何度も止まるし、本当に大変でしたね。村に着いたら子どもや村人がぞろぞろついてきて、まずは長老に挨拶。向こうではおみやげにコーラとよばれる木の実を持っていくのが習慣だから、途中で買って行きました。日本でいう「なまはげ」みたいなお祭りも見ましたよ。

ワークショップを体験して変わったことは?
視野は広がるけど、内面がどう変わったかは自分ではよく分からない。ただ向こうでご飯食べたり、色んなものに感動したり、そういう肌で感じたことは全部、僕らの音楽のこやしになってると思います。

アフリカ人は『Folikan』の活動をどう思ってる?
ヨーロッパ人はもう20年ぐらい前からこの音楽に興味を持っていたので、今さら日本人だからって不思議がられることはないけど、喜んでくれる人もいればジェラシーを感じている人もいて、それは人それぞれかな…。でも『Folikan』は日本で一番アフリカの音楽に近いって言ってくれる人もいます。楽器の練習は外国語を勉強するのに似てて、地方によって違う発音やスラングが分かってこそ一人前みたいな感じがあるけど、一生懸命理解して伝えようとすれば、それはたとえ片言でも意志は伝わるって僕は思ってるんです。

Yujiさん が伝えたい意思って何ですか?
例えば今僕らは、北朝鮮やイラクに対して、ニュースから入る情報だけで偏見を持ってしまう。でも、北朝鮮やイラクにも昔から伝わるすばらしい音楽があると思うし、それを知ることで彼らと同じように感動できたら、その国の見方も変わるような気がする。音楽にはそういう力があると思うんです。だから僕は単純に自分が感動したことを音にして伝えたいし、その手段が僕にとってはジェンベだった、っていう感じですね。

ジェンベの魅力ってどういう所?
シンプルで素直で奥が深い所。音に自分というものがどうしようもなく出ちゃう。それは、いい時も悪い時も。くりぬいた木にヤギの皮を張ってるだけなのに音の種類が何千、何万って無限に出て、ジェンベを始めた頃とは音も表現の仕方も変わってきたと思います。ただ、ジェンベと一生付き合っていく気持ちは同じですね。

Yujiさんの夢は何ですか?
音楽のベースは変わらないとしても、自分たちの音をどう聴かせたいかっていうのを自分たちなりにやっていきたい。死ぬまで音楽だけで生活できたら幸せだなーと思うし、60歳になってもジェンベを叩いていたら、自分によくやった!って乾杯します(笑)。

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