King of Commercials


6823
6824

Jean Christian Bouvier

ブーヴィエ氏に初めて会ったのは1999年、彼が福岡で最初の世界のCMフェスティバルを仕掛けようとしていた時だった。本や企画書、ビデオでいっぱいのリュックを背負って、彼は私のオフィスへやってきた。これからやろうとしているオールナイトのテレビCMのイベントについて延々語り続ける彼を見て、その面白いアイデアに、心底「がんばれ!」と思ったことを覚えている。その後も彼は長年の労苦を重ね、今では沖縄から北海道まで日本全国で世界のCMフェスティバルを開催するようになった。ーそして何よりもうれしいのは、彼はこのお祭りをここ福岡でスタートさせ、いまだ福岡を離れず、これからも福岡で生活を続けるであろうということだ。
編集長/ニック・サーズ

JeanミChristian Bouvier /ジャン・クリスチャン・ブーヴィエ
フランス・パリ出身
1977年九州大学の外国人教師として来日。九州大学で14年、九州芸術工科大学で13年勤務。現在は『世界のCMフェスティバル』事務局を運営。イベント以外にも、「DVDで楽しむ世界のCMフェスティバル2001、2002」の監修及び解説なども行なっている。また、日本文学の翻訳も手掛ける(筒井康隆「時を駆ける少女」、村上龍「69」、「獅子文六」他)など活動は多岐に渡る。今年のCMフェスティバルは7/9,10開催。
http://www.cmfestival.com
************************************************
Q.福岡では、すっかり馴染み深い夏のイベントとなっている『世界のCMフェスティバル』ですが、どのようなきっかけで、このイベントをはじめることになったのでしょうか?
A.『CMフェスティバル』はパリで24年前にスタートしたイベントで、私が福岡で始めてから今年で6年目になります。九州芸術工科大学で講師をしていた時に、「比較文化論」の授業で、世界のCMを題材にしていたんです。CMは限られた時間の中にいろいろなストーリーが含まれている。お国柄も出ていて、文化の違いが分かりやすいんですよね。そこで、このおもしろい題材を使って何かイベントを仕掛けたいと思ったのがきっかけです。

Q.そもそもCMって何のためにあるんでしょう?
A.それはもちろん、各企業がつくり出す商品を消費者に告知するためです。最近では、広告代理店やクリエイターが有名な賞のためにカッコイイCMを作ったりするのですが、本来の目的とはずれてますよね。そうそう、面白いエピソードもあります。その昔、エリマキトカゲがブームになったのもCMからだったのですが、何のCMだったか覚えていますか?このCMはエリマキトカゲだけがあまりにも有名になってしまい、ブランド名が浸透しなかったという、CMとしては、失敗作と言われるものなんですよー。ちなみに車のCMなんですけど…。CMってムーブメントを作ることが目的ではないですからね。CMが話題になっても商品が売れないと意味がないですから!

Q.ブーヴィエさんの目には日本のCMはどう映りますか?
A.正直、日本のCMはつまらないものが多いかも…。ユーモアのセンスがあるのはスウェーデン、フェミニズム的な要素が強いのはフランス、イギリスは総合的にクオリティが高いように思われます。アジアで元気があるのはタイですね。たくさん賞も取っていますし、大衆娯楽の感性がピカイチ!

Q.日本のCMが面白くないのはどうしてだと思われますか?また、日本のCMの中でも特に印象に残っているものは何ですか?
A.CMというかテレビ全般がつまらない…というのが初めて日本にきた時の印象でした。自由で斬新なクリエイティブ的発想が弱いのかなーと。そうは言っても、面白い作品もありますよ。印象に残っているものは、「Are you hungry ?」のコピーでお馴染みの日清カップヌードルのCMや湯川専務が一躍 “時の人”となったSEGAのCMですかねー。それとやはり、アラン・ドロンのダーバンのCM。

Q.ところで、ブーヴィエさんにとって福岡の街とは?
A. 1977年に、大学の外国人教師としてやってきてから、もう27年経つのですが、福岡以外だったら住みたくなかったかも!というくらい福岡が大好きです。だって、フランスで過ごした人生よりも福岡での方が長いんですよね。大人になって選んだのが福岡での人生なんですから。病気にでもなれば、フランスに戻りたいって思うのかな。でも今は元気だから大好きなサーフィンもできるし、ちょっと離れれば大自然もあるし、本当に住みやすくて、最高ですね。

Q.では、東京でもこのイベントが開催されていると聞きましたが、これからイベントがどんどん大きくなっていっても東京に拠点を移すということはないんですね?
A.もちろんです!東京は今年で4年目になるのですが、いつも「博多から参りましたー!」というあいさつからはじめます。博多の名物イベントが東京でも楽しめるという感じかな。今年は東京以外にも大阪・札幌・名古屋・大分・沖縄などで開催します。 “福岡発 “の全国的なお祭りになればいいなーと思って。

Q.最後に、長年携わってきた講師の仕事を辞めて、本格的にイベントプロデュースの仕事をしていかれるということなので、これからの目標を聞かせてください。
A.楽しいイベントをどんどん作っていきたいです。『世界のCMフェスティバル』はライブやパフォーマンスもあり、エンターテインメント性もたっぷり!ワインやカクテルを飲みながら、お祭り気分で楽しめます。そういう要素はそのままに映画の「予告編フェスティバル」なんかも企画しています。(国文祭で!) または、「インド映画のテーマソング特集」イベントとかね!とにかく、イベント時の非日常感や高揚感が好きなんです。私自身は楽器は演奏しませんが、バンドを持っていて、イベントには欠かせないものになっているし。そうそう、東京では女優の吉田日出子さんがバンドに参加してくれたこともあるんですよ。また、プロデュースの仕事だけでなく、翻訳の仕事も続けていきたいですね。ちなみに、私にとっては、毎年夏に能古島で開かれるイベント『イスラ・デ・サルサ』を運営している「ティエンポ イベロアメリカーノ」や外国人編集長が作っているこの「フクオカ・ナウ」は、同じ外国人が福岡の歴史作りに関わってると思って、励みになっているんですよ。お互いがんばりましょうね!

************************************************
クセ?
クセとは言えないかもしれないけど、とにかく本が大好き!どこへ行くにも本を持って行くほどの活字中毒。あと、手遊びかなー。何かを手で触りながらとかジェスチャーとか手を動かしてることが多いですね。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ページトップに戻る