熊本市現代美術館


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21世紀美術の誕生に出会える、九州初の現代美術館

芸術の秋。この時期さまざまなアートの展覧会やイベントが全国で行なわれているけど、なかでもぜひ訪れたいのが10月に開館したばかりの熊本市現代美術館。熊本市街の中心部・上通に同じくオープンしたばかりの複合施設「びぷれす熊日会館」に位置するこの美術館、これまでの美術館とはひと味違った形で美術を紹介している。
 注目すべきは、まずここでは展示室だけが美術を鑑賞する場所と定義されていないこと。館内のいろんな場所に世界的に活躍する4人の作家による、建築と一体化した作品が点在する。宮島達男の発光ダイオードで表現された光の柱の作品はエントランスロビーの中心に設置され、美術館に入ったその瞬間から観客をアートの世界へと導く。階段の下にミラールームを設置し、建築の内部にもうひとつの世界を作り出すのは草間彌生の作品。図書館も兼用するホームギャラリーには、中で人が寝ることができる旧ユーゴスラヴィア出身のマリーナ・アヴラモヴィッチの本棚の作品と、アメリカ出身のジェイムズ・タレルによる天井照明のアートワーク。このホールでは毎日19:00~19:30にコンサート、19:30~19:45にタレルの光によるショーが開かれ、「人間の家」という場所を具現化したスペースともなっている。
美術館コンセプトにも注目。現代の世界と日本の美術を通し、人間のありようを検証する美術館であり、目だけの欲望を満たすのではなく人間の欲望すべてに対応する「衣食住」の視点から芸術表現を考える美術館。そしてジャンルに関係なく頑張っている、九州に根をはったアーティストたちを紹介する美術館なのだ。また、コレクションとして21世紀に作られる新しい作品を今後集めていくそう。この美術館を通して21世紀の今、この時代・この瞬間に生まれるアートの流れに触れてみよう。

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