長崎県 雲仙


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白いヴェールが樹々を覆う、記憶に残る天然絵画

 真夏の夜空を華やかに演出した花火も、クリスマスに街中をキラキラと彩ったイルミネーションも、確かに印象的でロマンティックで美しかった…。でも、人の力では生み出すことのできない自然現象こそ、時には驚くほど神秘的で美しく、人生の記憶にまでも残る美しい風景となる。 
 霧氷(むひょう)を知っているだろうか。気温が氷点下になることによって、空気中の水蒸気が冷やされ樹木などについて氷や霜となったものだ。その名の通り 霧が凍って できる。そしてこの霧氷が山々の木々を覆い尽くすと、ひとつひとつの細かい結晶が冬の枯れ木にクリスタルのような白い花を咲かせ、それはまるで絵画のような芸術作品となる。息をのむほど繊細かつ壮大な1枚の風景画を作り上げるのだ。
 氷点下でないと出会えないとなると、そんな条件が整うのは北国のみか…と思いきや、実は九州でもそんな場所があった。 長崎・雲仙だ。朝夕にたちこめる霧で有名な雲仙の仁田峠(にたとうげ)は標高1,080m、道路が凍結規制されていなければ車で向かうことができる。そこからさらに上を目指し、似田峠駐車場の近くにある雲仙ロープウェー駅で妙見岳(みょうけんだけ)へ。標高1,300mとなる展望台までたどり着くと…めっちゃ寒い。めっちゃ寒いのだが、温泉街を含め雲仙が一望できそして、条件が揃えば幻想的な霧氷世界(このエリアでは別名「花ぼうろ」と呼ぶ)が広がっている。シーズンは12月中旬~2月下旬で、見られるかどうかは天気しだいなのだが、前の晩が少々風のある寒くて曇った夜だったら期待できるとのこと。ババシャツでもパッチでも防寒対策をしっかり、そして雪対策に足もとの装備も万端にして、自然が作り出す天然の絵画鑑賞をごゆっくりお楽しみください。

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