ラグビー・チャンプ


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ディオン・ミュア

1986年、ニュージーランドのオークランド市と福岡市が姉妹都市関係を結び、文化や芸術、ビジネスなど、幅広い交流がスタート。以来、ラグビーやヨットなどのスポーツ界でも、両都市は幅広く文化のつながりを深め、積極的な交流が続けられている。今日、九州を拠点に活動するプロラグビーチームにも選手、コーチを含め、多くのニュージーランド人が在籍。彼らは勝利だけを目標とせず、試合を通じてラグビーの楽しさやおもしろさなどを伝えている。そんなニュージーランドの選手のなかから、今回はディオン・ミュアさんに話を伺った。

Q. どれくらいラグビーを続けているのですか? また、日本でプレイしてどれくらいですか?
A.ラ グビーをはじめたのは5歳の時です。日本で子どもたちが野球やサッカーをはじめるのと同じ感覚ですね。ニュージーランドではラグビーが最もポピュラーなスポーツですから。小学校>中学校>高校>大学と続けていて、ちょうと大学を卒業する頃に「SUPER12」というニュージーランド国内のプロリーグが誕生したので入団し、プロとして8年プレイしました。その後、日本からのオファーがきて、今こうして福岡でプレイしています。今年で2年目になります。

Q. どうして福岡へ?
A. 友人がすでにサニックスに所属していて、いろいろ情報が得られたので。東京のチームからもオファーがあったのですが、家族を連れて日本に移住する上で、福岡の環境が魅力的だったのも大きなポイントでした。

Q. 実際に住んでみていかがですか?
A.ホームシックになることもなく、とても楽しく暮らしています。自然もたくさんあって、オフの日にはサーフィンや釣りなどを楽しんでいます。日本食も大好き!特に寿司とラーメンが大好物なんです。何といっても“米”がおいしい!ニュージーランドへ帰省すると、日本の米が恋しくて仕方ないんです(笑)。ニュージーランドから帰ってきてすぐ、回転寿司屋に駆け込んだこともありますよ。ネタではサーモンが特に好きで、同じネタばかりを4人で30皿ほどたべたかな~。ちなみにラーメンは替玉3~4回はあたりまえです。

Q. 奥さんも子どもさんもニュージーランドからの移住ですよね。外国人として家族で生活する上で不便な点などありませんか?
A. 同じチームに外国人選手が他に4人いて、彼らも家族と共に移住しているので小さなコミュニティーができています。いざという時にいろいろ協力できたり、相談できたりするので、特に不安や不便さを感じることはありませんね。子どもはインターナショナルスクールに通っていますが、最近では少しずつ日本語も覚えてきているようです。また、車の運転にも馴れてきましたし、どこへだっていけますよ。交通渋滞にはちょっとうんざりしますが…。そうそう面白いエピソードがあります。運転をはじめてまだ間もない頃、ガソリンスタンドに入ったんです。店員から車内をふくための布を渡された時、それをおしぼりと勘違いしてしまって!顔を拭こうとしていたら、慌てて止められました(笑)。

Q. ニュージーランドとの大きな違いなどありますか?
A. さきほどのエピソードはともかく、生活の違いはあまり感じていません。ただ、ラグビーに関しては、多少なりとも感じますね。ゲームのスタイルは一緒でもレフリーの判断が違ったり。向こうと比べると厳しいので、正直なところちょっとやりにくかったりもします。また、日本人は外国人選手と比べて身体が小さいので、低いところからタックルをされてケガをすることもありますよ。そして、やはり一番の違いは観客ですね。ニュージーランドではメジャーなスポーツでも日本では野球やサッカーに比べてまだまだですし。とはいえ、東京では大学リーグなども盛り上がっているようなので、今後ますます人気がでるといいですね!

Q. プロのプレイヤーとして外国でプレイすることのプレッシャーはありますか?
A. それはもちろんあります。試合に負けた時は特にプロとしての責任を感じますね。今後の目標はファーストリーグに進むこと、そしてその位置をキープしていくことですね。

Q. 将来のビジョンを聞かせてください。
A. 将来的にはコーチとしてラグビープレイヤーを育てていきたいと思っています。場所は日本でもニュージーランドでも特にこだわりはありません。今でも月に1度日本の高校で教えているんですよ。

Q. 日本の高校生はどんな印象ですか?
A. みんな制服をきているので、最初は規律正しくてまじめだろうなぁと思っていました。でも一旦ラグビーをはじめると、みんな素直で元気があって、私自身もとても楽しんでいます。

Q. 最後になりましたが、Muirさんにとってラグビーの魅力って?
A. スポーツ自体の面白さはもちろんですが、ラグビーから得た一番大きなものは、一生涯の友人ができたことです!チームスポーツだから、チームメイトとはまるで本当の家族のように信頼関係が厚くなる。また、ラグビープレーヤーとして世界各地を回れたことも貴重な経験です。今もこうして家族で外国で暮らせることも子どもたちにとっても、私たち夫婦にとてもいい経験だと思っています。

PROFILE
ディオン・ミュア選手/ニュージーランド出身
5歳の時からラグビーをはじめ、大学卒業後は国内のプロリーグ「WAIKATO CHIEF」に入団、5年目からキャプテンとしてチームを担う。その後、日本チーム「サニックス」に所属。現在では、スター選手のひとりとして活躍。ニュージーランドの部族Maoriの血を引き、肩の刺青はMaori族の象徴なのだとか。

●クセ?
クセではないけれど、試合の時はいつも決まった下着をつけています。“勝負下着”で挑んでるんです(笑)。

●ケータイ?
実はケータイ持ってないんですよ。ニュージーランドにいた時からそうなんです。でもさすがにそろそろ考えようかと、家族に連絡をとるのにも便利ですしね。

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