言わずと知れた豚骨ラーメン王国・九州には多数のご当地豚骨が存在する。有名どころで言えば、「博多ラーメン」「長浜ラーメン」「久留米ラーメン」「熊本ラーメン」。昨今は「佐賀ラーメン」や「北九州ラーメン」も人気が高まっている。それらは、いわゆる地名を冠した豚骨ラーメンだが、さらに、スープの作り方や状態でカテゴライズした「泡系豚骨（細かい泡が表面を覆う豚骨スープ）」、「クリア豚骨（透明感の残る豚骨スープ）」、「シャバ系豚骨（比較的サラリとした濃度の昔ながらの豚骨ラーメン）」なども加えると豚骨ラーメンの種類は多岐にわたる。要するにひと言で『豚骨ラーメン』といってもたくさんあり魅力も様々である、ということだ。そんなラーメンの懐の深さも、食べ手、作り手ともに夢中にさせる所以でもある。
さて、今回紹介する「麺屋 我ガ（GAGA）」は、先に述べた豚骨ラーメンのジャンルでいうと「小郡系ラーメン」にカテゴライズされる。小郡は福岡県中央部に位置する小都市。地名を冠しているのは「博多ラーメン」などと同じではあるが、小郡という限定された場所にフォーカスした愛称は、コアなラーメンファンに熱い視線を送られている。
「麺屋 我ガ（GAGA）小郡本店」は2013年にオープン。小郡では誰もが知る“あの有名店”の店主・中原夫婦のラーメンに親しんできた小郡出身の古賀大順さんがレシピを伝授されて開いた店だ。瞬く間に評判となり、中央にのる真っ赤な辛味タレをシンボルに「小郡系ラーメン」という呼び名とともに世に広まった。
人気もウナギのぼりの「麺屋 我ガ（GAGA）」が、小郡市、久留米市に続き2022年8月、福岡市の中心地、今泉に支店をオープンした。アクセスしやすい場所への登場で、より気軽に絶品の豚骨ラーメンを食べられるようになった。
鹿児島県産の豚の頭骨を20時間以上かけて炊き上げるスープは、クリーミーで濃厚な味わいで臭みはない。数十種のスパイスで作る自慢の「辛味タレ」がいいアクセントになり、少しずつ溶かしながら味の変化が楽しめ、最後の一滴まで飽きがこない仕掛けだ。一番人気は、トロトロと黄身がリキッドな「味玉ラーメン」。
刻んだ辛子高菜は福岡のラーメン店でよく見かけるが、高菜で巻いたおにぎりがサイドメニューにあるのは珍しい。シャキシャキ食感の高菜、そして絶妙の塩気で、まろやかな豚骨スープとマッチする。
また、店のデザインがスタイリッシュなのも女性客が多い理由だ。トレードマークの燃え盛る太陽、竹を配した和モダンな内装、有田焼のラーメン丼にダイナミックに書かれた屋号の「我ガ」の文字も含め、すべて古賀店主自ら手がけたもの。ラーメン愛、そして師匠である中原夫婦への愛に満ちている。
ラーメン店としては特殊ともいえる予約可能な個室を備え、家族連れでの利用や接待の場など、シーンに応じて使い分けられるのもポイント。小さな子どもがいても気兼ねなくラーメンを楽しめ、来福した友人をもてなす場としても重宝する。
天神・大名・今泉エリアでの街歩きの途中にラーメンスイッチが入ったら、「麺屋 我ガ（GAGA）」でのランチやディナーを選択肢に加えたい。
メニュー（税込）
ラーメン¥780、味玉ラーメン¥930、チャーシューメン¥970、高菜巻きおにぎり¥130、替玉¥160、半替玉¥90
※個室利用料¥1,000（45分）
