博多駅から南へ線路沿いに15分ほど歩いた「美野島北」交差点側に、赤い提灯が目印のうどん専門店「侍.うどん」はある。侍のごとく、覚悟をもってうどん作りに専念する店主・相馬寛之さんのこだわりを堪能するなら、店の名前を背負ったメニュー「侍うどん」がオススメ。器からはみ出すよう豪快に盛り付けられた”ごぼう天”と”ちくわ天”は、まるで刀のようだ。しかし侍うどんが人を惹きつける所以は、この遊び心だけでなく、うどんの肝である麺とスープにあるのだ。ほんのり黄金色の透き通った温かいスープは、昆布をベースにカツオやサバなどの油分の少ない節を使っており、丁寧に出汁を引いて作られたものだと一口でわかる。もちろん、化学調味料や保存料などは一切使われていないので、最後まで安心して飲み干せる。そして麺。九州産の小麦に全粒粉を独自にブレンドし、店舗で毎日仕込んでいる自家製麺は、小麦本来の味わいをしっかり残し、弾力あるぷるんとした食感を楽しめる。このグルメなうどんは、注文してから揚げる天ぷらや季節の野菜が彩り美しく添えられて運ばれてくる。週末限定だが、スパイスの効いた本格カレーとたっぷりの具材が添えられた侍スペシャルも捨てがたい。いわゆるカレーうどんを予想している人らを、良い意味で裏切ってくれるだろう。
メニュー(税別):侍.うどん¥850、侍.スペシャル¥1,000、海老天うどん¥800、トッピング(とろろ昆布¥100、海老2尾¥200、他)
※2019年10月1日以降、消費税率変更に伴い価格の変更がある場合があります。
・外国語メニュー:なし
・カード:不可
・予約:可能
・禁煙
Originally published in Fukuoka Now Magazine (fn207, Mar. 2016)