大名エリアで蕎麦屋と言えばこの店。大名に本店を構える老舗・ジョーキュウ醤油の3代目社長が建てた1936年築の邸宅「松楠居」で営業する老舗。門をくぐり、玄関から入ると靴を脱いで店に上がる。店内は木を基調にし、小粋な雰囲気。窓の向こうに見える小さな中庭も、情緒たっぷりだ。蕎麦は、毎日開店前に「大玉打ち」と呼ばれる手法で、一度に50人前を打つ。店主は、シンプルな料理だからこそ、ごまかしが利かない。常に緊張感をもって打っていると言う。味を左右する蕎麦粉は、全国から取り寄せて味と香りを試して厳選。すするとふくよかな香りが鼻に抜け、噛むと口の中にほのかな甘みが広がる蕎麦だ。季節により期間限定の料理もあるので、店のスタッフに聞いてみよう。一品料理も揃っており、特に、だし巻(¥950)はファンが多い。ふんわり焼いた卵に、くずでとろみをつけたあんがかかる。上品な甘さが癖になる逸品だ。
メニュー:せいろ¥880、おろし¥1,250、とじ¥1,000、天ぷら¥1,900、きつね¥880、天丼¥1,900、梅にぎり¥280、焼きみそ¥650、とりわさ¥780、 生ビール¥630
※2019年10月1日以降、消費税率変更に伴い価格の変更がある場合があります。
Originally published in Fukuoka Now magazine (fn151 Jul. 2011)