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Land of the rising scrum

岡のラグビーが今アツい!強力な外国人選手を擁し、九州からは現在3チームが日本のトップリーグ入りを果たしている。2015年ワールドカップの日本招致活動が進む中、今年のラグビートップリーグシーズンも開幕した。そこで今回は日本のラグビー情報と福岡の外国人選手の素顔をお届け!

機敏で柔軟な選手が繰り広げるスピード感溢れる個人プレーが、日本のラグビーの特徴だ。国際ラグビー機構(IRB)の通達により今年8月から試験的に行われている新ルールの導入により、ゲームのスピードアップがさらに期待できるようになった。これにより日本のラグビーがどのように変わるか、目が離せないところだ。日本ラグビー協会は2011年のワールドカップ大会開催国として手を挙げたものの、IRBはニュージーランドでの開催を決定。現在、日本のラグビーは2015年の大会招致に全力を挙げている。

九州電力キューデンヴォルテクス

「Voltex」はスペルミスにあらず。九州電力株式会社に所属するこのチームは、トップリーグに昇進した昨シーズン、「感情の激しさ、熱狂」という意味の「Voltage」と「技術、技能」の「Technique」を掛け合わせて新たにチーム名を「ヴォルテクス」に改名。オーストラリアのワールドチャンピオンシッププレイヤーのナイサン・グレイ、豪州7人制代表のキャリアを持つティム・アトキンソンを含めた国際的プレイヤーの活躍はあったものの、今シーズンは厳しいスタートとなったヴォルテクス。本来の競争力を維持し、残りの試合での巻き返しを図っている。

Coca-Cola West Red Sparks

チーム名の「Sparks」は、彼らのスタイルであるスピード感あふれる「電光石火のような」プレイにちなんでつけられた。今シーズン第1節の福岡勢対決となった、
対キューデンヴォルテクス戦の勝利により勢いづいているレッドスパークス。昨シーズンのトップリーグで大いに発揮できた彼らの攻撃力を活かし、九州における確固たる優位性を手に入れたいところ。ニュージーランド出身のセンターであるニールソン・武蓮傳に、新たにオーストラリア出身のレレア・パエアが加わり、強力な攻撃ラインが誕生したばかりだ。

Fukuoka Sanix Blues

2005年、それまでの「福岡サニックスボムズ」から「福岡サニックスブルース」にチーム名を変更。ブルース音楽の穏やかな響きとはうらはらに、福岡サニックスブルースは近年、トップリーグ残留を果たすために激しい戦いを繰り広げてきた。2003年〜2004年に開催された第1回トップリーグに参加するも近鉄ライナーズとの戦いに破れ降格。しかし2005年〜2006年のシーズンでは2年ぶりにトップリーグ返り咲きを果たしている。衛生管理事業を行うサニックスに所属している彼らは、敵を「一掃し」、トップリーグでの地位を固めたいところだろう。

ヴォルテクスに迫る!

リーグ戦第7節を11月末にひかえたこの時期、フクオカ・ナウはキューデンヴォルテクスの香椎練習場を訪れた。そこで聞いたヴォルテクス外国人メンバーの生の声とはいかに!?

エイドリアン・トンプソン

ヘッドコーチ
ヴォルテクスのヘッドコーチ、エイドリアン・トンプソン氏の日本でのコーチ歴は4年。時々家族に会うためにオーストラリアに帰るものの、生活の基盤は完全に日本になっている。

(日本のラグビーについて)格段にレベルアップしている。トップリーグは非常に良い大会でイタリア、アメリカ、カナダのリーグより優れているのでは。日本のトップリーグに1チーム連れて来たらすごくいい試合になると思う。(外国人選手の役割について)組織的なポジションにいる選手、例えばナイサン・グレイなどには試合以外でも指導者として活躍してもらっている。また、フロントライナーに体の大きな島嶼国(フィジー、トンガ、サモア等)出身の選手を入れることも多い。外国人3人制の導入により出場枠が2人から3人に増えるので、今後外国人選手の数は増えていくと思う。ただ、どのチームも条件は同じだから、今後の鍵は如何にいい日本人プレイヤーを加えるかだ。サントリー、サンヨー、東芝など、非常にいい日本人選手を擁していると思うよ。伝統的に日本には、オーストラリア、ニュージーランド等からの選手が多いけれど、今後ヨーロッパからも選手が来るようになるだろうね。(ファンについて)ヴォルテクスへのサポートは素晴らしいよ。レベルファイブスタジアムでの試合には、九州電力の社員やその家族を含め毎回5、6,000人のファンが来てくれているし、アウェイでの試合にも多くの観客が集まってくれていてとても感謝しているよ。(休日の過ごし方について)時々天神界隈に行くよ。選手は親富孝通りに行っているようだね。(第6節三洋電機ワイルドナイツ戦の戦略について)彼らのバスを爆破することかな?(笑)冗談です。とてもいいチームだし、全力で戦いたいと思う。(九州対決、サニックスブルース戦について)九州勢はまだトップリーグでは新参者で、成績も良くない。昨年は対コカ・コーラ戦、サニックス戦共に勝利したけれど、今年は両チーム共に一層気合いを入れているし、対サニックス戦も大切な試合であることは間違いないね。(ヴォルテクスの外国人選手について)近くに住んでいてよく行動を共にしているよ。皆フィールド外でも交流したり、日本語を学んだりしていて、チームにも馴染んでいると思う。(外国人ファンに向けて)日本のラグビーは高得点になる試合が多く、観客が拍手する場面が違うなど、文化的な相違点もあり楽しめると思うよ。12月から1月にかけて大きな大会がたくさんあるし、ぜひ見に来てほしい。

ナイサン・グレイ

BKコーチ兼センター
体重:99kg 身長:185cm
オーストラリアをワールドカップチャンピオンへと導き、2005年からはヴォルテクスの要としてチームのトップリーグ昇格を後押ししたグレイ。国際舞台での経験をアシスタントコーチとして惜しみなく発揮している。

(外国人選手が与える影響について)彼らが貢献できる一番大きな部分は、勝負に対しての姿勢や自信だと思うね。日本人選手は高い技術力や身体能力を持っているし、ボールの扱いも上手く力も強い。ただ、フィールドで自分自身を表現する自信に欠けていると思う。ここに来ている外国人選手はそれが自然に出来ている。日本のラグビースタイルかも知れないけれど、興味深い点だと思うよ。(九州のラグビーシーンについて)コカ・コーラと我々とは長年のライバル関係にある。サニックスも加わってトップリーグの九州勢は3チームになったし、九州ダービーは素晴らしいよ。(サニックス戦について)地元ライバル同士の対決だし、いい試合になるだろうね。何故だか知らないけれど我々チームの日本人選手は、地元チームとの対決となるとかなり燃えるんだ。それを見るのがすごく楽しみだし、自分がその中に入れるのも楽しみだよ。(ラグビー観戦初心者に向けて)試合を見るとラグビーの魅力がよく分かると思うよ。15人の選手が一つのボールを追いかけ、互いにフィールドで激しくぶつかり合う。スピード感もあり、興奮に満ちているのがラグビーだよ。

福岡県内のクラブチーム情報

現在、福岡県ラグビーフットボール協会加盟のクラブチームは県下に37チーム。クラブチームでは、ラグビー経験者だけでなく、未経験だけれどもあの楕円のボールに触れてみたい!という人まで、様々な人がラグビーを楽しんでいる。中には、70歳代のプレイヤーも!興味を持ったら協会のウェブサイト(website)で近くのクラブをチェックしてみよう!協会事務局では、電話にてクラブの紹介も行ってくれる(092-715-8172)。

レディースラグビー!

ラグビーの女性チームが福岡にあるって知ってる?福岡レディースラグビーフットボールクラブのメンバーは女性ばかり。設立3年目のこのチームは、学生、OL、主婦などラグビー好き&スポーツ好きが、月1回(第3日曜日)東区香椎浜のさわやかスポーツ広場で練習している。現在メンバーは約40名。今後アンダー17とオーバー18の2カテゴリー展開していく予定のこのチームでは、 ラグビー経験に関係なく一緒にラグビーを楽しめるメンバーを募集中。詳しくはジェネラルマネージャーの徳田謙介さん(090-3730-9646)まで。

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn118, November, 2008)

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Fukuoka City
Published: Nov 1, 2008 / Last Updated: Jun 13, 2017

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