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ラース・マーティンソン


アメリカ人の漫画家ラース・マーティンソンには日本との長い付き合いがある。高校生で交換留学生として来日し、JETプログラムの英語指導助手を勤め、四国大学で書道を学んだ。連載グラフィック・ノベル『トウノハル』には彼自身の体験が顔をのぞかせる。彼がこの作品で描いているのは、福岡で暮らす外国人数名の生活だ。第一部と最近出版された第二部を読んで舞台が地元福岡だと気付き、日本での生活に慣れようと奮闘する主人公のぎこちない姿に自分を重ねる読者もいるだろう。ラースのインスピレーションの源は実に様々。葛飾北斎のような版画家や、西部出身で自費出版を行っているクリス・ウェアのような漫画家、19世紀の本のデザインなどが趣向を凝らした彼の本に結晶しているのだ。彼は『トウノハル』の主人公ダン・ウェルズが日本人の同僚に歩み寄ろうとする姿を描くことで、人間関係の機微というテーマを追求している。職場恋愛についても…かどうかは分からないが。

「トウノハル」は全4部作。異国で暮らすことによって経験する様々な局面を、各パートで描き出そうとしている。パート1では、孤独感に焦点をあて、パート2では、主人公の周りで徐々に築かれていく人間関係がストーリーの中核だ。パート3、パート4で、主人公ダンは、日本でいったいどのような経験をするのだろうか。
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出身: ミネアポリス、ミネソタ
日本滞在歴: 5年
職業: 漫画家、作家

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn146, Feb. 2011)

Category
People
Fukuoka City
Published: Feb 1, 2011 / Last Updated: Jun 13, 2017

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