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猿のお面を玄関に飾るのが博多の習わし

岡市早良区の藤崎バスターミナルの前に、ひっそりとたたずむ小さな猿田彦(さるたひこ)神社があります。いつもはお参りする人もいない閑散とした神社なのですが、年に何度か大にぎわいを見せる日があります。年明けて最初ににぎわうのが「初庚申(はつこうしん)」の日。この日は毎年異なりますが2011年は1月5日(水)、日の出前の早朝5時半には、境内をぐるりと人が囲み、社務所が開くのを多くの人が待っています。何を待っているかといえば、そこで売られる縁起物のお面、猿面です。

神社の祭神・猿田彦というのは、天孫降臨の際にニニギノミコトを道案内したという神さまで、それ以来、道の神、旅人の神、導きの神、道案内の神さまとして親しまれているとか。さらに猿は「去る」に通じて、火難や盗難を防ぐとされ、博多っ子は玄関にこのお面を掛けてお守りにしています。博多部を歩いていると、博多祇園山笠の役割(総務とか赤手拭いなど)を書いた表札の隣にこの猿面が飾られているのを見ることができます。

この猿面ですが、ひとつひとつ職人さんの手作りだそうで、よく見ると表情が微妙に異なります。毎年新しいお面と古いお面を掛け替えるのですが、少しずつデザインも異なるようで、毎年のお面をずらりと飾っているツウの人もいるようです。境内には猿の飾り物が何個か置かれていますが、初庚申の日にはこの猿たちが赤い手拭いでほっかむりをしています。これがまた愛嬌があって可愛いのです。可愛いといえば、この日しか買えない名物「さるあめ」。金太郎飴の猿版です。

近頃では、猿は木から落ちないことから、合格祈願のお守りとして購入する人も多いと聞きました。1月5日は頑張って早起きしてみましょう。社務所が開いているのは5時半から夜19時までですが、売り切れることは必至ですよ。猿面は1体1,000円。問い合わせは紅葉八幡宮(Tel.092-821-2049)
近くの高取商店街では、参詣帰りの方たちに向け、朝7時から無料でお茶のサービスをしているとか。足を伸ばしてみませんか。

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn145, Jan. 2011)

Category
Art & Culture
Fukuoka City
Published: Dec 20, 2011 / Last Updated: Aug 1, 2019

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