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松風園

こは、茶室と日本庭園を有する公園としては福岡市内で3番目となる都市公園で、平尾の閑静な住宅街に2007年7月に開園した。元は百貨店・福岡玉屋の創業者として、また質の高い九州の陶磁器のコレクターとして有名な田中丸善八翁の邸宅“松風荘”があった所で、茶を愛する善八翁が有名な数寄屋師・笛吹嘉一郎(うすいかいちろう)氏に依頼して造った茶室“松風庵”や四阿(あずまや)がそのまま残され、活用されている。“松風庵”は四畳半の内の半畳を床にした四畳枡床という作り。

これは千利休の墓がある京都の大徳寺・聚光院の“枡床の席”と同じ間取りで、いかにも茶の湯をこよなく愛した善八翁らしさを感じることができる。


正門をくぐると石積階段のアプローチがあるが、左手にはエレベーターもあり、バリアフリーに配慮されている。受付のある東西に長い棟には、新しい茶室もあり、この庭園のシンボルともいえる“松風庵”ともども、茶事や日本文化にふれることのできる催しで利用できる。さらに、一服300円の抹茶のサービスは、誰でも気軽にお茶を楽しむことができる嬉しいサービスだ。見学者にはわかりやすい解説のサービスもあり、街の喧噪を逃れ、穏やかな時間を過ごすことができる格好の場所である。浄水通りのメルパルク跡地角を曲がって2つめの信号を右に行くと入口がある。入園料は大人100円、小人50円。

松風園(しょうふうえん)


福岡市中央区平尾3-28
092(524)8264
9:00~17:00
休園日:火曜日(休日の場合は翌日)
入園料:大人100円、小人50円

松風園から歩いて5分ほどの所にある小ぢんまりとした公園。公園の片隅に佇んでいるのは、幕末に生きた野村望東尼の草庵を1952年に復元した建物だ。勤王の志士・高杉晋作が1864年にこの地にあった平尾山荘に身を隠した場所としても有名である。 一年中、緑を感じることのできる都会の癒しスポットのひとつであるが、梅の花が咲く季節には華やかな彩りが加わって美しい。

平尾山荘(ひらおさんそう)
福岡市中央区平尾5-2-28

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn125, May 2009)

Category
Chuo-ku
Published: Jan 17, 2012 / Last Updated: Apr 1, 2016

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