糸島にあるアートギャラリー、Studio Kuraでは世界各国からアーティストが訪れ、数カ月間滞在しながら制作に励むレジデンスプログラムを行なっている。プログラムの最後には、その成果を発表する展示会が実施される。今回は6組8名のアーティストによる作品が展示される。
・2022年10月22日(土)、10月23日(日)
・11:00〜17:00
・アーティストトーク:10月22日14:30〜
・入場無料
・Studio Kura Gallery
・福岡県糸島市二丈松末586
・092-325-1773
・https://studiokura.info/
01.Floyd Grimm & Ruven Stettler / フロイド・グリム&ルーヴェン・ステットラー(Swiss)
“Dead or alive: double exposure” / Exhibition style: Mixed Media
スイス出身のフロイド&ルーヴェン。それぞれ個別に活動をしてきた二人ですが、2021年末から共同作品にも取り組んでいる。糸島周辺の日本の民俗学とポップカルチャーに関連して探索した「生きているものと死んだもの」に焦点をあて、ドローイング、ペイントシルク、3Dプリントのオブジェクト、そして映像がミックスしたマルチメディア作品を発表。
02. Elisa Bochicchio / エリサ・ボチッチョ(Italy)
“Rain Yokai ” / Exhibition style: Drawings
エリサが初めて日本を訪れたのは雨が降り続く7月。雨の種類や、それを表現する言葉と四季に気づき、雨を定義する50の言葉、雨の降り方、雨が降ったときの自然の様子に注目。そこで、雨に対する思い入れを日本の伝統的な妖怪と混ぜ合わせて「雨の妖怪」を作り出した。カラフルな水彩絵の具で彩られたフレンドリーな妖怪は、みんなに挨拶に出てきたあとは、雲隠れして次なる出番を待っているのだそう。
03. Agnes Ersson & Karl Patric Näsman / アグネス・エルソン&カール・パトリック・ナーズマン(Sweden)
“Act of Dyeing” / Exhibition style: Natural dye on textile
クラ滞在中は、オーガニックテキスタイルを、糸島の道路や竹林で見つけた植物や顔料で調合した天然染料を使った染色に取り組んだアグネスとカール。使用する植物は、金時草、苧麻の葉や茎、黒豆、栗、赤杉皮、竹、柿の実、シェラックなど。塩で布を固定したり、植物で染め付け浴槽を設置したりと準備にも時間をかけ、自然の色を引き立たせるように染め上げる。縫い合わされたテキスタイルは木製のフレームに張られ、同時に「染めるという行為」を、プロジェクトの絵画シリーズの新作として発表する。
04. Rebecca Merlic / レベッカ メルリック(Austria)
“Diffuse Bodies” / Exhibition style: Media Art
糸島のスタジオクラと、オーストリア文化フォーラム東京との強力なコラボレーションにより実現した3カ月間のフィールドワークの末に完成したリサーチプロジェクト「ターボ・キャピタリズム崩壊後の家庭の未来」を行ったレベッカ。デジタルホームという新しい言葉を問い、現実とデジタルを融合させ、新しい「家」の形を提案。そして、ビッグデータと組み合わせ、協調的・集団的・包括的なデジタルライフを実現させる。現実の再現ではなく、新しい技術を使った記憶とデータによるパラレルワールドの仮想世界を開く。ゲームシーンは、糸島のハイブリッドなデジタル樹木や自然を収集し、東京の街並みと融合させたものだ。
05. Christine Vannier / クリスティーン・ヴァニエ(France)
“Japan in the eyes of a Latin woman” / Exhibition style: Painting and Video
ビジュアルアーティストのクリスティーン。4歳の時に色彩感覚を意識して以降、独学で芸術を学び続けてきた。建築家としてのキャリアに基づく彼女の作品は、普遍的な言語に向かって常に前進したいという願望によって導かれている。身体の持つ感情的な知性を強く信じ、ジェスチャーが個人的感情を表現していると考えている彼女は、今回のアーティスト・イン・レジデンスで、日本に対する印象を表現している。
06. Katerina Kerouli /カテリーナ・ケロウリ(UK)
“Notes on Japan” / Exhibition style: Mixed Media
カテリーナは、ロンドンを拠点に活動するイギリス・ギリシャのマルチクリエイター。アースカラーや自然を意識したデジタル作品を多く制作しており、今回は、編み物で絵画制作に挑戦したり、日本で見つけた興味のあるものをイラスト化するなど、彼女の眼を通した糸島の様子が楽しげに紹介されている。2020年に出版した自身初の児童書「ROAR!」は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでも出版されている。