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波佐見焼 – 焼きものの町、長崎県波佐見町へようこそ!


山間にある人口14,800人ほどの小さな町、波佐見町。町内の丘陵一帯から磁器の原料「陶石」が産出されるようになったことに加え、山々から発する河川水、燃料に必要な木々に恵まれていることから、やきもの生産に欠かせない条件が揃った土地として古くより窯業が定着しています。1610年頃に磁器生産が始まったといわれ、それから約400年以上もの間、一度も途絶えることなく続けられています。

<車>
長崎自動車道・西九州自動車道「波佐見有田I.C.」から車で5分

<列車>
JR有田駅より車で10分

<波佐見町乗合タクシー>
有田駅前から波佐見町中尾山を繋ぐ乗合タクシー。JR九州・特急列車の有田駅到着時刻に合わせて毎日8往復運行。乗り降り自由、どの停車場所からも乗降できます。出発の一時間前までに(JR博多駅を出るときに!)予約が必要です。

・路線:JR有田駅前⇄波佐見有田IC⇄波佐見町役場⇄陶芸の館⇄中尾山交流館
・料金:一日乗車券¥1,000, 小学生¥500
・予約:0956-85-2290(波佐見町観光協会)

波佐見焼をテーマに旅してみよう


山間にある人口14,800人ほどの小さな町、波佐見町。町内の丘陵一帯から磁器の原料「陶石」が産出されるようになったことに加え、山々から発する河川水、燃料に必要な木々に恵まれていることから、やきもの生産に欠かせない条件が揃った土地として古くより窯業が定着しています。1610年頃に磁器生産が始まったといわれ、それから約400年以上もの間、一度も途絶えることなく続けられています。

日本で初めて陶磁器が焼かれた地域として知られる九州の北西部は、波佐見焼や有田焼、唐津焼など世界的にも知られるやきものの産地が複数存在します。朝鮮から伝わる技法から端を発した磁器も、各地域ごとの文化や方針によって、彫りや貼り付けなど多様な技術を用いた青磁(波佐見)、染付や色絵を用いた多彩な図柄を表現した磁器(有田)などに、個性が異なります。波佐見では、17世紀末から、国内向けの日用食器を普及されるべく、安く大量に生産することに力を入れるようになります。
江戸時代には割れにくく丈夫で手頃な価格で手に入る食器として「くらわんか碗」は広く流通し、それまでは芸術品として親しまれていた器を庶民の器に変化させました。(1680年代〜1860年代)

波佐見焼きは、町が一つのチームとなって分業制で物作りを行います。生地を形作る型を担う「型屋」、素焼き前の生地を作る「生地屋」、絵付けから焼成までを行う「窯元」。
かつて波佐見焼を大量に生み出した世界最大級の登り窯も、共同で利用されていました。

波佐見町やきもの公園の小高い丘にある「世界の窯広場」。世界を代表する珍しい12の窯が再現されている。

今では、量産品の特徴でもあるシンプルなデザインに、機能性が見出され、暮らしに合わせて変化する波佐見焼の文化と合間って、若者やクリエイターらにも人気がある。

G型しょうゆさし
使いやすさが凝縮された端正なデザイン。

くらわんか碗
江戸時代に普及した庶民の磁器。揺れる船の上でも取り扱いやすいよう厚手で重心が低く丈夫。くらわんか、は「食べませんか?」の方言。

くらわん館(陶芸の館)

波佐見町内35の窯元や商社・伝統工芸士のやきものの展示販売のほか、地元特産品の販売も。2Fは波佐見焼の資料館。

長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2255-2
http://kurawankashop.sakura.ne.jp/
・営業:9:00〜17:00
・休館:12月31日、1月1日、1月2日

中尾山


約20の窯元や商社が並ぶ中尾山。江戸時代の陶磁器大量生産を可能にした世界最大級の登窯跡ギャラリーやショップも点在する。路地や古い煙突が立つ山間の小さな集落には、今も暮らしが根付いており、散策におすすめ。

長崎東彼杵郡波佐見町中尾郷
0956-85-2273(中尾山交流館/9:00~16:00)

西の原地区


江戸時代から平成13年に廃業するまで十代にわたり波佐見焼を生産してきた製陶所の跡地。事務所、細工場、絵付け場、釉薬精製所、登り窯があり、 敷地内ですべての生産が可能だった貴重な製陶所。今では、当時の面影を残しながら現代の感性を備えた空間としてカフェ・レストラン、雑貨屋、ギャラリー、ボルダリング施設などが立ち並ぶ。

長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4
http://24nohara.jp/
・定休:各店舗によって異なる(水曜が多い)

鬼木の棚田

江戸時代の中頃には完成したといわれる棚田。四季ごとに折りなす日本の原風景が美しい。展望場もあり、地域農家の主婦たちが地元の農産物で作る米や味噌などを販売する鬼木加工センターがある。

長崎県東彼杵郡波佐見町鬼木郷

波佐見焼の歴史と産地のシステムを学ぶツアー

観光ガイドと共に、波佐見焼の産地を巡るツアーは3種類。全コース、発着はくらわん館、人気の西の原地区での散策つきです。英語ガイドがつくツアーもあるので、海外からの訪問者と一緒に訪れるのも便利。

波佐見焼の現場を見学:4時間ツアー(11:00〜15:00)

分業制をとる波佐見焼の産地の仕組みを「型屋」「生地屋」「窯元」それぞれを訪れて実演を見学する。陶郷・中尾山にあるかつての製陶所を再利用して作られた交流拠点「四季舎」での昼食つき。

波佐見焼の職人に習う制作体験付き:5時間ツアー(11:00〜16:00)

中尾山でランチをとり、陶郷の散策と波佐見焼の制作現場で実演見学、そして「生地屋」の作業所で制作体験!鋳造、造作の後、完成品は郵送も可能だ。

波佐見焼の器でいただく創作コース料理:3時間ツアー(11:00〜14:00)
西の原のキッチンスタジオで、現役シェフがゲストのために作るコース料理をシンプルモダンな波佐見焼の器でおもてなし。

ツアー詳細・申し込み:https://ps-q.jp/tourism/hasami-town/

Originally published in Fukuoka Now Magazine (fn252, Dec. 2019)

Category
Places
Hasami
Published: Nov 27, 2019 / Last Updated: Nov 27, 2019

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