女子の健やかな成長と幸せを祈る日本の伝統行事「桃の節句(上巳の節句)」。雛人形を立春(2月4日)頃から飾り、旧暦の3月(新暦の3月下旬から5月初旬にあたる)頃までにしまうため、2月から3月にかけて各地で雛祭りが行われます。
元々、女子の人形遊びから発展した雛飾り。人形が身代わりになって邪気を祓うと信じられていたことから「流し雛」が行われるようになり、その後、女子の健やかな成長を祈る伝統行事と雛飾りが結びついて「雛祭り」が行われるようになりました。江戸時代の宮廷においては、季節ごとの伝統的な行事として3月3日は「桃の節句」として祝われ、今でも節句の食事とともに「菱餅」と「白酒」を代表に、ちらし寿司やハマグリの吸い物などで祝います。
昨今では家族や地域だけにとどまらず、観光の目玉として、その地に受け継がれる雛飾りなどを公開するなど、地域一体となった「雛祭り」が広く行われています。雛人形、雛飾り、など地域文化を色濃く映す雛祭り。この時期に福岡・九州各地の雛祭りを巡ると、地域の暮らしや春の訪れを感じることができます。
福岡近郊で行われるひな祭り
福岡県(7件)
・柳川市「雛祭りさげもんめぐり」
・博多区「博多町家ふるさと館のひなまつり」
・朝倉市「古都秋月雛めぐり」
・うきは市「筑後吉井おひなさまめぐり」
・八女市「雛の里・八女ぼんぼりまつり」
・北九州市「門司港レトロのひなまつり」
・飯塚市「いいづか雛のまつり」
佐賀県(2件)
・佐賀市「佐賀城下ひなまつり」
・有田町「雛のやきものまつり」
大分県(3件)
・杵築市「城下町杵築散策とひいなめぐり」
・日田市「天領日田おひなまつり」
・臼杵市「うすき雛めぐり」
福岡県
柳川雛祭り さげもんめぐり
柳川のひな祭りは、部屋いっぱいに吊される「さげもん」の美しさに目を奪われる。女児の初節句に贈る柳川伝統のひな飾り「さげもん」が、観光施設や商店街など柳川の街を彩り、ピンクののぼり旗を目印に、雛飾りを巡るまち歩きイベント「さげもんめぐり」が楽しめる。3月21日(火祝)(雨天時順延:3月26日)は多くの人々が楽しみにする「おひな様水上パレード」をカメラに収めようと、多くの人々が集まる。パレードの出発のお堀に飾られた、さげもんの下をくぐり、着飾った稚児達、晴れ着を着た母娘らを乗せたどんこ舟が水上をゆっくりパレードする。
・2023年2月11日(土祝)〜4月3日(月)
・無料(一部施設は入場有料)
・柳川市街地、柳川商店街、他(さげもんめぐりマップPDF)
・0944-74-0891(柳川市観光案内所)
・https://www.city.yanagawa.fukuoka.jp/kanko/meisho/meguru/sagemonmeguri.html
Kyushu Live – Yanagawa, Princess Water Parade / おひな様水上パレード(2021年3月21日配信)
https://youtu.be/Rctvxg8bWmM
「博多町家」ふるさと館のひなまつり
3月3日は女の子の健やかな成長を願うひなまつり。博多では、ひな祭りや七夕など、旧暦から行われていた行事を一月遅れで行う風習があり、桜が満開を迎える4月3日に行われることも多い。博多の家庭で毎年飾られてきたひな人形やひな道具などが、英語と日本語の解説付きで展示される。
・2023年3月1日(水)〜4月3日(月)
・10:00〜18:00(最終入館17:30)
・休館:第4月曜(祝日の場合は翌平日)
・入館料:展示棟¥200、町家棟無料
・「博多町家」ふるさと館 展示棟2階、町家棟
・福岡市博多区冷泉町6-10
・092-281-7761
・https://www.hakatamachiya.com/
・https://www.instagram.com/furusatokan/
古都秋月 雛めぐり
かつては城下町として栄えた風情ある町・秋月には、秋月城址をはじめ、文化財指定の門や住宅が点在してい。ひな飾りの季節になると、雛人形が随所に展示され、一般にも公開されるため、町並みを散策しながら「雛めぐり」を楽しめる。今年の展示は28カ所。中でも、秋月城跡の長屋門前の石段21段をひな壇に見立て、市民から寄贈された雛人形600体以上を展示する雛飾りは見応えがある。
・2023年2月11日(土祝)〜3月5日(日)
* 石段の展示は期間中の土日祝と3月3日の10:00〜16:00のみ(雨天の場合は中止)
・入場無料(一部施設は有料)
・福岡県朝倉市 秋月長屋門、城下町秋月(朝倉市秋月・秋月野鳥)他、28カ所(雛めぐりマップ)
・0946-24-6758(あさくら観光協会)
・https://asakuraiku.jimdofree.com/
・https://www.instagram.com/asakura0946/
筑後吉井おひなさまめぐり
うきは市吉井町内にある旧家の豪華な雛飾りから、一般宅で所蔵されている珍しい雛飾りまで、江戸時代から現在までの数多くのお雛様が、町内の家々や商店、旧家、公共施設で展示される。うきは市吉井町のおひなさまの大きな特徴は、庶民のお雛様であること。「おきあげ」と呼ばれる特徴的な雛飾りがあり、お雛様や歌舞伎、浮世絵を題材に、各家々の女性が手作りした「おきあげ」を「箱びな」の周りを彩るように飾る。うきは市吉井町の白壁土蔵の町並みをゆっくり散策しながら、お雛様めぐりができる。
・2023年2月11日(土祝)〜 3月21日(火祝)
・10:00〜17:00
・見学無料
・福岡県うきは市吉井町白壁通り一帯(おひなさまめぐりマップPDF)
・0943-76-3980(観光会館 土蔵)
・https://chikugo-yoshiihina.com/
・https://twitter.com/yoshiiohinasama
雛の里・八女ぼんぼりまつり
和紙や提灯、仏壇、蝋など、昔から伝統工芸の町である八女は、九州一の人形づくりの町でもある。その八女には、素朴な「箱びな」と呼ばれる、四江戸期から昭和30年代まで作られていた雛人形がある。四角い箱に収まり、蓋を開ければ飾ることができる、この珍しい箱びなをぜひ見てみよう。また、八女人形会館には徳川将軍家の姫君らが輿入れに持参した雛人形など、目を見張るほど豪華なものなどが多数展示される。雛人形の展示公開場所はとても多く、白壁通りの町家や民家、商店街など100カ所以上。桃色の提灯が目印だ。2月26日(日)14:00からは、役目を終えたひな人形への感謝の意を表す供養祭が福島八幡宮で行われる(見学無料)。
・2023年2月19日(日)〜3月12日(日)
・入場無料
・福岡県八女市 八女福島白壁の町並み一帯(おひなさま巡りマップ)
・0943-22-6644(茶のくに観光案内所)
・https://yame.travel/project/bonbori/
・https://www.facebook.com/profile.php?id=100067462661331
門司港レトロひなまつり
門司港レトロ地区のひな祭り。旧門司税関では明治時代の雛飾りが、三宜楼には昭和・大正時代の雛飾りと、歴史的建築物内に飾られるそれぞれの時代を反映した雛飾りの見学でタイムトリップ気分を楽しめそうだ。栄町商店街やレトロ地区内で雛人形が展示される。
・2023年2月4日(土)〜3月5日(日)
・入場無料
・会場:三宜楼(月曜休館)、旧門司税関、栄町銀天街など
・093-332-0106(門司港レトロ倶楽部)
・https://www.mojiko.info/event/info/mojikohinamaturi2023/
いいづか雛(ひいな)のまつり
古くは宿場町として、明治時代以降は炭鉱で栄えた飯塚市。炭鉱王が暮らした旧伊藤伝右衛門邸をメイン会場に、飯塚市内広域10カ所で趣向を凝らした雛人形が飾られる。国の重要指定文化財の旧伊藤伝右衛門邸では、20畳の座敷一面に日本一の規模を誇る座敷雛が飾られる。座敷雛の今年のテーマは「彩る雛 心躍る日本の祭り」。博多の山笠、青森のねぶた、大阪岸和田のだんじり祭りなど、祭りを楽しむ様子を雛人形で表現する。
・2023年2月4日(土)〜3月21日(火祝)
*開催期間や時間は会場ごとに異なるので、公式Webページにて確認を。
・旧伊藤伝右衛門邸、飯塚市歴史資料館、飯塚市中心商店街など市内10会場
・福岡県飯塚市内(会場マップPDF)
・0948-22-3511(飯塚観光協会)
・http://kankou-iizuka.jp/event_124/
・https://www.instagram.com/iizukahina/
佐賀県
佐賀城下ひなまつり
城下町として栄えた佐賀のひなまつり。明治から昭和初期にかけて、旧佐賀藩主である鍋島家の歴代夫人たちが愛した優雅な雛飾りを見学できる。伝統工芸である佐賀錦をまとった優雅なおひなさまや、佐賀藩の公服の文様に使われた鍋島小紋を衣装に用いたおひなさまなど、重厚な文化が花開いた豪華絢爛な雛飾りを、貴重な歴史的価値あふれる建物巡りと合わせて楽しもう。期間中の土日祝は、20分ごとに周遊バスが運行される(大人¥180)。
・2023年2月11日(土祝)〜 3月21日(火祝)
・10:00〜17:00(最終受付16:30)
・一部施設有料(徴古館¥500、佐賀市歴史民俗館¥400)、中学生以下無料
・佐賀市歴史民俗館、徴古館(佐賀城下ひなまつり散策PDFマップ)
・0952-20-2200(佐賀市観光協会)
・https://www.sagabai.com/main/6795.html
有田雛(ひいな)のやきものまつり
「陶器のような肌」は、世界でも通じる褒め言葉。陶磁器のまち、有田のひな祭りは、艶やかな肌に繊細な絵付けが施された有田焼のお雛様が街を彩る。3年がかりで作られた世界最大の磁器製座りびな七段飾り(アリタセラ)や、有田館では、有田町を代表する窯元である柿右衛門窯や香蘭社、姉妹都市ドイツのマイセン磁器製作所が制作した雛人形など、有田に点在する窯元やギャラリー、ショップなど町中で展示を見学することができる。期間中の土日祝は、有田の観光まちなかガイド付き周遊バスが1日2便運行される(日本語、無料)。
・2023年2月4日(土)〜3月12日(日)
・入場無料
・佐賀県西松浦郡有田町内各所、有田館、アリタセラ(雛やきものまつりPDFマップ)
・0955-43-2121(有田観光協会)
・https://www.arita.jp/event/hinamatsuri/
・https://www.instagram.com/arita_kankou/
大分県
城下町杵築散策とひいなめぐり
「きものが似合う歴史的町並み」と認定され、江戸時代の情緒が残る美しい城下町・杵築。南北の高台に武士が住み、その谷あいに商人が住んだ日本唯一の「サンドイッチ型城下町」を散策し、武家屋敷と老舗に飾られる雛人形を鑑賞できる。市内にある26会場では多様な雛人形が公開展示され、和服で訪れると公共観光文化施設は入館無料だ。和楽庵では着物レンタルと着付け(クーポン付¥3,500、予約優先)も行う。2月11日(土祝)に酢屋の坂下広場で開催されるオープニングイベントではポン菓子の実演と無料配布が行われる(12:00、13:00、14:00、雨天中止)。
Photo from Kitsuki Tourism Organization
・2023年2月11日(土祝)〜3月12日(日)
・大分県杵築市城下町一帯(ひいな展示会場Googleマップ)
・0978-63-0100(杵築市観光協会)
・https://www.kit-suki.com/events/hinameguri2023/
天領日田おひなまつり
江戸時代に九州随一の繁栄を極めた日田市。莫大な財をなした豪商も多く、現在でも旧家には贅を尽くしたひな人形の数々が残っている。おひな巡りの中心は、豆田町・隈町界隈。特に国指定重要文化財の『草野本家』は必見。また、日田をはじめとする筑後川上流域の庶民に親しまれ、平面の人形型に衣装を張り付けた雛人形「おきあげ雛」もぜひ見ておきたい。願い事を書いた紙雛を水に流して、身の穢れを清める「豆田流しびな」(3月5日10:00〜14:00、桂林荘公園)など、期間中は様々なイベントが町中で行われる。
・2023年2月15日(水)〜 3月31日(金)※開催日時は会場によって異なる
・入場無料(一部施設は有料)
・大分県日田市豆田地区、隈地区他14会場
・0973-22-2036(日田市観光協会)
・https://oidehita.com/archives/56562
うすき雛(ひな)めぐり
天保の改革(1841~43年)のころ、臼杵藩では質素倹約のため、紙製の雛人形しか飾ることを許されなかったとされる古文書の記述をもとにはじまった「うすき雛めぐり」。古文書では、雛人形に関する禁止の御触れが出ていたが、先人たちはそんな時代にあっても、子供の成長の無事を祈りながら紙製の雛を飾ったのではないだろうか。当時の作り方は残っていないが、お雛様の原型である立雛を参考に、2006年春、市民ボランティアの手によって誕生した「うすき雛」。期間中は、4つの会場に市民が手作りしたうすき雛が飾られる。
・2023年2月10日(金)〜 3月12日(日)
・入館無料
・臼杵市観光交流プラザ、サーラ・デ・うすき、久家の大蔵、旧真光寺(雛めぐりPDFマップ)
・0972-64-7130(うすき雛めぐり実行委員会事務局)
・https://www.usuki-kanko.com/archives/16997
・https://www.instagram.com/usuki_kankou/
注意:掲載情報は2023年2月10日時点のものです。これらの料金・条件等が主催者によって変更される場合がございますので、変更等にお気づきの際にはフクオカ・ナウまでご連絡ください。