Now Reports

ニッポンの課題

わゆるハーフと呼ばれる私の娘が小学校に入学することになった。小さい彼女が外見によって差別を受ける事を少なからず案じていた私。入学後間もなくして不安は的中。娘がクラスメイトから、茶色い肌の色を「はだいろ」に変えるように言われたというのだ。私ははすぐさま学校へ連絡を取ったが、学校も、娘をからかった生徒の両親も真剣に話を聞いてはくれなかった。それどころか、妻がクラスメイトの母親に電話をすると鼻で笑い飛ばすという始末。とうとう市の教育委員会にまで足を運んだが、そこでもやはりこのような「人種差別」を全く問題視していない委員会の態度にも落胆させられた。鼻息が荒いと感じるひともいるかもしれない、でもこれは事実なのだ。私の子供達は日本の子供に比べて肌の色が濃い。それでしばしば「汚い」「マックロ」「バイキン」などと酷い言葉をあびせられる事がある。私の娘は日本で生まれ、日本国籍を持つ日本人であり、そして日本文化を愛しているというのに!


日本の差別は他の人種を「異種」だと意識していることにつきるのではないか。大事なのは「人類は皆同じ」である事。日本の子供達が、世界中の人間はひとつの輪で繋がっていることを学べたらどんなにいいだろう。私達人間はみな同じ祖先から生まれた同じ人類であること、人種の多様性は障害になるべきではなく、人類の財産であるべきこと。道行く人々が、皆同じ容姿で全く同じ思考回路も持っていたり、道端に咲く花が同じ色や形であったら、僕達の人生はとても単調になってしまう。そう、多様性こそが社会、人生のスパイスなのだ。
多文化、多人種に関連する問題は、今や世界中で重要視されている話題だろう。日本政府もこの問題を真剣に捉え、理解ある国民を育てる為に子供達の教育を見直して欲しい。日本が世界のトップになる為には多人種性は不可欠だと思うのだ。異なる意見を尊重する事、受け入れたり、討論したりすることもあるだろう。インターネットの普及によってコミュニケーションは今まで以上に重要になってきた。2ヶ国語以上を話せたり、多文化に興味のある日本人は日本と世界の架け橋となってさらなる発展へと導くはずなんだ。
さまざまな人種、さまざまな宗教の、さまざまな文化の人間が共存できる国「日本」において、さまざまな人々がお互いを尊敬し合い、協力しあえる社会を作り上げることこそ、今の日本に必要なことであると思うのだが。みなさんドォデショ?コメントお待ちしています。www.now.blog-city.com

ドォデショ

by Joel Assogba
Canadian, Writer, Illustrator & Civil Activist

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn87 Mar. 2006)

Category
Others
Fukuoka City
Published: Mar 1, 2006 / Last Updated: Aug 1, 2019

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ページトップに戻る