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中洲

中洲

九州一の歓楽街として全国にその名を知られる中洲。誕生は1600年と古く、筑前（ちくぜん）福岡藩初代藩主・黒田長政（くろだながまさ）が福岡の町造りを行った際、「福岡」と「博多」をつなぐため中洲に「中嶌橋（なかしまばし）」を架けたのが起源とされている。江戸後期には武士の町「福岡」と商人の町「博多」の中間という立地を生かし、双方が楽しめる歓楽街として発展。今でも夜賑わう店が多いのは、その頃の名残といえるだろう。明治時代に入り演劇が流行、1890年代後半には文人墨客（ぶんじんぼっかく）が集うサロンが登場、1910年代には映画館が続々と立てられるなどサブカルチャーの発信基地としての役割も果たす。今回はそんな多彩な変貌を遂げてきた中洲の魅力に迫ってみよう。

那珂川と博多川に挟まれたデルタ地帯に位置し、決して広くはない細長いエリアに、屋台を含む約3,500もの店舗が密集。ここで働く人の数は3万人ともいわれ、スナックやキャバクラなどの飲み屋から、ヘルスやソープなど風俗まで魅惑の店々がネオンを輝かせながら多くの男性を引き込んでいく。客を呼び込む男性や女性は夜の中洲を華やかに彩るキャストたちだ。なかでも「かわいい」キャバ嬢たちが一堂に介し、その姿を見るだけで妖艶な世界を感じられるのは魅力のひとつだろう。中洲ならではの風景を見せるのは人だけではない。日常使いできる居酒屋やバーが集まる中洲2〜5丁目と、通称「南新地（みなみしんち）」と呼ばれる1丁目は雰囲気が違う。南新地は九州各地から多くの人々が集うソープ街。その関係をひとつの文化として捉えるのも一興だろう。

夜の顔が際立つが、ドン・キホーテなどが入る中洲ゲイツ、福岡アジア美術館を併設するリバレイン博多など商業施設が立ち並び、昼も楽しめるエリアへと進化中。年間を通し随時多彩なイベントも開催し、毎年8月に行われる人気音楽イベント「中洲ジャズ」は、サブカルチャーを発信するDNAがこの街に今なお生き続けている証だ。多くの人々を惹きつける町の魅力は外から見るだけでは分からない。今夜、中洲の”ある店”に足を踏み入れ、その魅力に酔いしれてみるのはいかがだろう。

ブルー・ラグーン

雑居ビルの地下1階にあり、中洲で唯一フィリピン料理を提供するレストラン。本場フィリピン人シェフが手がける料理は豚肉と野菜のレモン風味スープ（￥1,200）や豚の肺のピリ辛炒め（￥800）など100種以上そろい、なかなか日本ではお目にかかれない珍しいメニューばかり。スペイン料理もある。結婚式の二次会など90名まで対応可のパーティープランも1名￥3,000から用意。
Tel: 092-791-5706
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カフェ＆バーダイニングエタニティ

大名で13年、看板のないバーとして人気を博し、3年前に中洲に移転。ストリップ劇場の老舗・浅草ロック座の系列｢博多ロックハリウッド｣の建物を再利用した店で、ロックハリウッドのネオンを残しているのはストリップを文化のひとつとして捉えるオーナーのこだわりだ。パスタやピザ（各￥1,000〜）などフードは30〜40種そろい、チャージ料はなし。不定期で行うライブ情報はHPでチェックしよう。
Tel: 092-262-8015
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中洲はかた舟

中洲沿いを流れる那珂川の夜の風景としておなじみの屋形船。船内からは食事を楽しみながらキャナルシティ博多のネオンなど街の灯りが織り成す夜景を堪能できる。￥6,000から2時間の周遊プランを用意し、冬は温かな鍋や魚介の炭焼きなどを提供。利用客が多い11、12月の出航時間は18:00、20:00の1日2本のみで、前日までに要予約だ。12月の金土はすでに満席なので注意しよう。
Tel: 092-734-0228
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