今年の8月、マラソン初心者の私が初めてハーフマラソンに挑戦した。場所は長崎の五島。夕陽の絶景と地元の人たちのサポートに支えられ、大満足の初マラソンを体験した。そしてこのマラソンで味をしめた私は他のレースにもチャレンジしようと、福岡のシティマラソンにエントリー。一般からプロ選手まで、5,000人以上が参加する大規模なレースで、初心者の私もなんとか1時間55分でゴール。再び完走の喜びに大感動! といきたいところだがしかし、完走の喜びとは別に、どうも解せないところがある。解せない理由はそのコース。福岡ドームを出発し、百道を抜けるまではよかったのに、その後「福岡一臭マラソン」、「福岡悪所巡り」の最悪なコースに突入したのだ。空気の悪い高速の下、ガス臭い倉庫地帯、生ゴミの匂いが漂う暗い道…。さらに当日は27℃を越える暑さも手伝い、長浜通りに至ってはラーメンの匂いと、地面からは生温かい空気が立ちこめ、呼吸をするのも困難なほど。とにかく「爽やかにスポーツの秋!」という雰囲気からはほど遠かったのだ。
マラソンに呼吸が大切なことを知ってる?観客が少ないのはルートのせいじゃない?
大会後、いくつかの疑問を持って事務局に尋ねたところ、主催者もルートに関しては満足していない様子。公道を管理する警察は「交通規制は市民が迷惑する」を理由に、なかなかルート改善にはOKを出してくれないのだとか。確かに迷惑する人がいるかもしれない。だけど年に1日、いや半日。お祭り好きな福岡ならば、もっと街中を巻き込んで楽しめるイベントになってもいいはずなのでは? と、福岡とマラソンを愛する私は考えるのです。みなさん、どうでしょう?
数ヶ月ぶりに復活した「ドォデショ?」。復活第1回は本誌編集長ニック・サーズがもの申す。大好きな福岡の街で体験した初マラソンで彼が考えたこととは…。
Illustrations by Shirley Waisman
Originally published in Fukuoka Now magazine (fn72, Dec. 2004)