もう20時なのに私は会社に居残り・・・日本企業で働く私は他の社員と同じように残業をしているけど、残業手当はなし。残業と言っても、ネットサーフィンや同僚とのお喋り、コーヒータイムを楽しんでいるのよ。だって仕事は何時間も前に終わっているんだもの。実際の仕事より、仕事場に居るってことが大事ってこと。夜遅くまで働いていればボスに認められるって考えなのね。同僚は、昼寝をしたり、ドラマをダウンロードしたりと、呑気なもの。きっちり5時半前に仕事を終えた彼は「え?まだ早すぎるよ」と言っては会社に残る。時々彼が時間通りに退社する時の挨拶は「行ってきます!」戻ってこないのに、仕事を頑張っている、 会社に戻ると思わせるテクニックらしいわ。
私も忙しい会社にとっては残業が必要だって解ってる。だけど残業手当込みの固定給が支給されていて、多くの会社では残業代が支払われないのが現状。実際に日本は残業手当の有無に関わらず、残業時間は世界一なのよ!会社員はひと月40時間残業なんてざらね。
戦後、日本人はだまって働き蜂のように仕事に打ち込み、結果として外国とは異なった雇用主と労働者の関係ができてしまったわ。 未だに日本では、終身雇用がごく普通。さすがに近年では変わってきたけれど、外国とは比べ物にならない。例えば、オーストラリアでは、数年ごとの転職やキャリアの方向転換もしばしば。だから企業は優れた人材が離れないように、より良い労働環境を提供し、労働者がより長く就業してくれるよう努力してるってわけ。でも、日本企業はこのような努力をしない。残業、転勤、昇給無しの新任務、なぜこんなことができるの?それは、”社員は一生会社に尽くす、会社を裏切らない”と高を括っているからよね。戦後、多くの企業が利潤追求のために労働環境を軽視してきたけど、今日も同じ理由から企業は社員への待遇を怠っている。
残業はさまざまな心身、社会問題を及ぼすもの。ストレスや、心筋梗塞、出産率の低下、職場事故、心の病、自殺、過労死などなど、挙げればきりがない。さあ、どうやって不必要な時間外労働を減らしていけばいいんだろうか。そして自由時間をどう使えばよいのだろう。読書、家族との時間、恋人との時間などの休息も、仕事場での生産力、幸せへ繋がるんじゃない? でも日本の企業が社員のプライベートのため、早く帰らせる努力をするかしら?それでも労働者は企業に求めるべきよ。他の社員が徹夜をするから自分も・・・なんて人の真似は止めない?
私は、みんな5時半になったら「行って来ます!」と退社して、プライベートな時間満喫すべきだと思う。家族や友人と過ごす”時間外労働”の見返りは計り知れないほど大きいもの。ドォデショ?
Originally published in Fukuoka Now magazine (fn94, Oct. 2006)