博多駅の西側から、博多港へ真っ直ぐ伸びる大博通りの両側に広がる一帯は、中世に由来する歴史や伝統・文化を感じられるスポットが数多くある地域です。このあたりは、「博多旧市街(オールドタウン)」として、祭りや伝統工芸など、古くからの暮らしを訪れた人も体感できるまちづくりが進められています。
博多千年門(はかたせんねんのもん)
福岡市博多区博多駅前1-29-9
博多駅から10分ほど歩くと、博多旧市街の象徴でもある「博多千年門」に到着します。2016年に博多の繁栄を願って建てられたこの門は、この地を訪れた皆さんを、歴史的文化財が多く残る博多の寺社町エリアへと導くウェルカムゲートです。門扉の板材には、太宰府天満宮より寄贈された樹齢1,000年の樟が用いられ、欄間には博多織の献上柄模様が刻まれています。
承天寺(じょうてんじ)
門をくぐると、情緒豊かな小径の両脇に、博多織や博多祇園山笠の発祥地として知られる1242年創建の「承天寺」があります。宋から水車による製粉技術を持ち帰った僧が、うどん・そばの作り方を日本に広めたことから承天寺はうどん・そば発祥の地とされています。
そこから少し歩くと、高さ10.8mの日本一大きな木造坐像「福岡大仏」が祀られる東長寺があります。大仏の台座内には地獄から極楽へ至る道に見立てた「地獄・極楽めぐり」ができます(拝観料50円、9:00〜16:45)。
また、境内には創建1200年を記念して建てられた五重塔や福岡藩主・黒田家の墓がある寺としても知られています。
東長寺
福岡市博多区御供所町2-4
人魚伝説が残るお寺「龍宮寺」が、東長寺から大博通りを挟んで反対側にあります。 1222年に博多の漁師の網にかかった146m(!!)の人魚が、手厚く葬られたという伝説があり、人魚の骨と江戸時代に描かれた人魚の掛け軸が保存されています。見学を希望する場合は、事前に電話にて相談を(092-291-1003 – 日本語対応)。
龍宮寺
福岡市博多区冷泉町4-21
龍宮寺の北側には、博多の総鎮守「櫛田神社」へと導く参道の入り口に一ノ鳥居があります。ここから櫛田神社まで約250m、途中には、博多の歴史と文化を伝える観光スポット「 博多町家ふるさと館」があります。
明治中期の博多織織元の住居兼工房を移築復元した町屋があり、明治・大正の時代を中心に博多の暮らしや文化が紹介されています。
「博多町家」ふるさと館
福岡市博多区冷泉町6-10
http://www.hakatamachiya.com/
「お櫛田さん」の愛称で広く市民から親しまれている神社(創建757年)で、 不老長寿、商売繁盛の神として信仰を集めています。 福岡の夏の風物詩「博多祗園山笠」が奉納される神社で、高さ13mの飾り山笠が一年中(毎年7月1日に新しくなるため準備期間の6月は非公開)展示されています。
本殿手前の右側には、長寿の象徴である鶴三羽に囲まれた「霊泉鶴の井戸」があります。不老長寿の水として信仰され、かつては飲用されていましたが、現在は飲むことはできません。
櫛田神社
福岡市博多区上川端町1-41
櫛田神社の南神門は、400mにも及ぶアーケード通り「川端通商店街」に通じています。140年以上の歴史があり、仏壇店や博多人形店、提灯店などの老舗をはじめ、洋服店や青果店、飲食店など暮らしに密着した店や、観光客向けの店など140店舗以上が軒を連ねます。
また、大型ショッピングモールのキャナルシティ博多と、アジア美術館やショッピングセンターの博多リバレインを繋ぐ商店街として、多くの人が行き交う賑やかな通りでもあります。
通りの途中には、博多祇園山笠の飾り山笠が1年中飾られている休憩所「川端ぜんざい広場」があります。金土日の11:00~18:00には、名物の甘いぜんざいが販売されます。
川端ぜんざい広場
福岡市博多区上川端町10-256
http://www.hakata.or.jp/zenzaihiroba/
ちなみに、12世紀頃の博多は、日宋貿易の中心として宋の商人が居住し、櫛田神社界隈は日本初のチャイナタウンが形成された場所でもあります。
参考記事「世界水泳公式アンバサダーが楽しんだ博多」
英語レポート:https://www.fukuoka-now.com/en/world-aquatics-ambassadors/
日本語レポート:https://www.fukuoka-now.com/ja/world-aquatics-ambassadors/
唯一無二!アジア美術館
アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する世界に唯一の美術館が福岡にあります。アジア23カ国・地域の、多様なジャンルの作品を網羅する約4,500点(2022年現在)のコレクションは、質量ともに世界でも類をみないユニークなもので、新たなアジア美術の価値の創造を目指しています。
世界水泳選手権の期間中は、海洋環境をテーマにした作品や、自然の脅威に向き合いながらも力強く生きる人々の姿を描いた作品、水、川、海などのイメージに作家自身のルーツや内面性を表現した作品など、13点の大型インスタレーションや映像作品などを紹介する特別展を開催しています。
世界水泳選手権2023福岡大会記念展
「水のアジア」Special Exhibition Waters in Asian Art
期間:2023年7月1日 (土) 〜 2023年9月3日 (日)
イベント詳細:https://www.fukuoka-now.com/ja/event/special-exhibition-waters-in-asian-art/
福岡アジア美術館
福岡市博多区下川端町3-1 博多リバレイン7F