こだわりあるコーヒーショップが多い福岡。珈琲豆や焙煎、抽出方法など、コーヒーに関してはもちろん、カップやインテリア、営業形態にもショップそれぞれの個性があり、多様な人々を惹きつけるクリエイティブなスポットでもある。この秋は、そんな個性豊かな9つの空間に、アート作品を展示し、コーヒーを楽しみながら、アートも鑑賞できる贅沢な企画が実現した。先日惜しまれながら102歳の生涯を閉じた抽象絵画の巨匠・野見山暁治や、福岡出身の世界的な彫刻家・豊福知徳、1960年代に福岡を拠点に活動した前衛芸術家グループ・九州派を率いた桜井孝身など、福岡を代表するアーティスト9名の作品が展示される。
・2023年9月16日(土)〜9月24日(日)
・福岡市内各店舗
・https://yokanavi.com/event/238238/
<参加店舗>
珈琲美美 @bimi_coffee
福岡市中央区赤坂2-6-27
定休:月曜と第一火曜(祝日も含む)※その他の火曜日は珈琲豆の販売のみ
12:00〜17:00 L.O.、珈琲豆の販売11:00〜18:30
1977創業。自家焙煎、ネルドリップで一杯ずつ丁寧に淹れたコーヒーを堪能できる
展示作家:野見山暁治
終戦後の1953年に渡仏し、パリを中心に活動する。当初はキュビスムを思わせる画面構成や筆致で、故郷のボタ山や身近な人々を描いた。帰国後は徐々に抽象表現へと傾倒、鮮やかな色彩と形象が溶け合うような独自の画風を確立した。
Saredo Coffee @saredocoffee
福岡市中央区六本松3-11-33エステートビル101号室
11:00〜20:00、土日祝11:00〜18:00
定休:火曜、水曜
日々の暮らしに寄り添うおいしいコーヒー。洋服を選ぶように、コーヒー豆を選ぼう。
展示作家:石橋泰幸
「九州派」立ち上げの一人。常識を覆す実験的な作品の数々で注目を集めた。立体作品から、漫画のようなペインティングまで、その作風は変幻自在である。
COFFEEMAN Roasting & Planning & Café @coffeeman.jp
福岡市中央区六本松4-5-23
10:00〜18:00
定休:月曜(月曜日が祝日の場合は営業)
国内焙煎競技会優勝経験者のオーナー・ロースターが、日々コーヒーの可能性と魅力を発信中。
展示作家:山内重太郎
「九州派」結成当時は、極限まで削ぎ落した表現によって、錫や銅板、アスファルトといった素材の持ち味を還元的に際立たせた作品群で注目を集めた。ブロンズや石膏を用いたエイリアンの卵を思わせるオブジェを展示している。
ÉCRU “FRESH COFFEE & NATURAL WINE” @ecru_fukuoka
福岡市中央区草香江1-8-15-1F
8:00〜22:30 L.O.
定休:水曜
朝から夜まで、生産者の想いの詰まったスペシャルティコーヒーと、ナチュラルワインが主役のスタンド。
展示作家:斎藤秀三郎
「九州派」そして「グループ⻄日本」で抽象表現を追求するが、1980年代にメゾチント技法と出会い遅咲きの才能を開花させる。人間を想起させるキャベツをモチーフに、文明批判をテーマとした精緻な銅版画シリーズは斎藤の代表作となる。
A little COFFEE @a_little_coffee_fukuoka
福岡市中央区鳥飼3-1-4 平野ビル1階C号
10 :00〜17:00L.O. 、日祝10:00〜16:00L.O.
不定休
コーヒーとパスタ、スイーツ、いろんな時間帯で楽しめる。夫婦で営む喫茶店。
展示作家:磨墨静量
美しい色彩のパウル・クレーを思わせる幻想的な作品で知られる。叙情に安住することなく、常に革新的な画面構成・表現を追求し続けた。
Filles et Garçons @fillesetgarcons_cafe
福岡市中央区大手門3-2-26
11:00〜23:00、日曜のみ18:00まで
定休:月曜
パリの街角にあるような、自家焙煎コーヒーや自家製焼き菓子、ワインやビールも楽しめるカフェ。
展示作家:田部光子
女性解放思想を1960年代初頭より扱った稀有な存在。また、水俣汚染や第五福竜丸の被曝といった社会問題に対し、強い批判精神と女性ならではの視点で作品化した。
NIYOL COFFEE @niyolcoffee
福岡市早良区祖原14-21
11:00〜17:00L.O.
定休:木曜
厳選されたスペシャルティコーヒーを自家焙煎。地下ギャラリーでは毎週イベントを実施。
展示作家:桜井孝身
戦後日本の前衛運動に大きな足跡を残した「九州派」の実質的リーダー。コールタールやアスファルト、麻袋といった労働と結びついた素材の使用と、独自の力強い筆勢による作品で知られる。
COFFEE & CAKE STAND LULU @cacs_lulu
福岡市中央区薬院2-3-26
12:00〜18:30L.O.、金土12:00〜21:30L.O.
定休:火曜、水曜
スペシャルティコーヒーと厳選された材料のケーキや焼き菓子が楽しめる親子で営むカフェ。
展示作家:小幡英資
端正な円や矩形を組み合わせた理知的な表現が特徴でありながら、自然を愛する風流人でもあった。同じく「九州派」のメンバーであった夫人の大黒愛子と共に、市内ギャラリーや小戸海岸近くの自宅アトリエで「小戸物産展」と銘打った二人展を開催している。
COFFEE COUNTY Fukuoka @coffeecounty
福岡市中央区高砂1丁目21-21
11:00〜19:30
定休:水曜
Coffee Bar & Shop. コーヒーカウンティの焙煎豆を液体としてどう表現していくのか、というコンセプトの元、2016年9月にオープンした2号店。
展示作家:豊福知徳
1960年第30回ヴェネツィア・ビエンナーレ参加のためイタリアに渡り、そのまま約35年間定住。マリンメッセ福岡の横には、終戦後の中国東北部や朝鮮半島からの引き揚げを記念した代表作「那の津往還」が設置されている。