福岡っ子にとって小さな頃から身近な存在である焼とり店。「焼とり」と言えども、福岡では鶏料理だけを指すのではなく、串焼き全般が焼とりだ。それが故、鶏肉、牛肉、豚肉、野菜など豊富な種類の串焼きを目当てに、両親に連れられて近所の焼とり店に食事に行ったり、おかずの一品として持ち帰ったり、仲間と集うのも焼とり店だったりする。大人になればデートや接待にも焼とり店は活躍するのだ。ここ、焼とりの八兵衛上人橋通り店は、モダンなインテリアで、大人が落ち着いて食事としての焼とりを楽しむことができる。
ちなみに福岡の焼とり店を楽しむ上で押さえておくべき点は二つある。ひとつ目は豚バラ。これは福岡っ子だけが”あって当然”と信じている串で、他県ではあまり一般的でない。お店に入って「まずは豚バラ!」が福岡っ子なのだ。そして、二つ目は頼まずして出てくるおかわり自由のキャベツ。レモンと酢、薄口醤油で作ったタレがかかったざく切りの生キャベツは、さっぱりとして抜群にうまい。アルコールで喉を潤しながらキャベツを摘み、焼きあがった順にキャベツの上に提供される焼とりをテンポよくいただくのが、地元っ子の楽しみ方だ。店の中心に配置されたステージのような焼き場で、新鮮なネタに純米酒を吹きかけ、塩コショウをふって備長炭(炎や煙が出にくく高温で一気に焼き上げることができる高品質な炭)で一本ずつつ丁寧に焼かれる焼とり。同店名物のえんどう豆の串揚げ、すき焼きの世界観が一本に詰まった和牛すき焼き串など、一手間加えられた焼とりもぜひ試したい。
メニュー(税別|チャージ¥500):
串三昧コース¥4,300(小鉢、ゴマサバ、えんどう豆の串揚げ、浅漬、串焼き7種、焼きおにぎり茶漬け、デザート)、八兵衛農園サラダ¥1,180、バーニャカウダ¥1,180、焼きとりおまかせ5種¥1,480、豚バラ¥200、とん足¥350、生ビール¥680、日本酒¥630〜、グラスワイン¥580〜
※2019年10月1日以降、消費税率変更に伴い価格の変更がある場合があります。
・外国語メニュー:英語
・カード:利用可
・予約:可能
・禁煙
Originally published in the Fukuoka Now Magazine (fn215, Nov. 2016)