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12月は博多座で芸妓さんの芸が見られます

妓さんが所属して、お座敷の取り次ぎを行なったりする事務所のことを券番(けんばん)といいます。全国各地にありますが、最近では芸妓さんの数が減り、声がかかるお座敷も少なくなって全国的に減少しています。博多に最初の券番ができたのは明治22年(1889)、大正時代までに5つの券番ができました。当時は好景気に後押しされて料亭は大にぎわいだったといいます。けれども戦争で一時中断し、戦後いくつかの券番が復活しますが、最終的にはすべての券番がひとつにまとまって博多券番となりました。最盛期は2,000名を超える芸妓さんがいたそうですが、現在は21名、10代から80歳代までの芸妓さんが博多券番に所属しています。

芸妓さんの仕事は毎日お座敷に出ることだけではありません。博多芸妓の1年は、毎年1月8日~11日に行われる博多区東公園の十日恵比須神社の正月大祭で始まります。博多の芸妓衆が揃って1年の開運と商売繁盛を祈願するのが9日の「かち詣り」。黒紋付きの正装に博多帯、稲穂のかんざしをさして歩く姿は実に華やかです。5月は「博多どんたく港まつり」に参加。5月3、4日の2日間、博多芸妓は全員で博多の町の各所にある演舞台で、三味線、唄、太鼓、踊りなどの芸を披露します。

5月のどんたくが終わるとすぐに稽古に入るというのが12月に行われる「博多をどり」。現在は博多座で開催されていて、12月の「市民檜舞台の月」公演のひとつとして毎年行われています。博多の伝統芸能の担い手である芸妓衆が総出演し、日頃から磨いてきた長唄、清元、常磐津などの邦楽、邦舞の芸を披露します。いわば芸妓衆にとっては1年の集大成ともいえる舞台だけに、その練習にも力が入ります。博多をどりは京都の都をどり、東京の東(あづま)をどりに続いて、博多の伝統芸能を伝えていきたいという気持ちから始まったもので、今年で18回目を迎えます。博多ならではの踊りも披露しますし、芸妓衆が総出演するフィナーレが見どころです。めったに見られない博多芸妓の芸を、市民の皆さんも気軽に楽しんでください。
www.media-line.or.jp/h_kenban

Originally published in Fukuoka Now magazine (fn120, Dec. 2008)

 

 

Category
Art & Culture
Fukuoka City
Published: Dec 1, 2008 / Last Updated: Aug 1, 2019

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