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手頃な料金で楽しめる良質のアート:ミュージアムの常設展示

れた街でアートを楽しみたいなら、公立のミュージアムに行くことをおすすめ。ほとんどの公立ミュージアムには常設のスペースがあり、コーヒー代より安い料金で入場できます。しかも世界的に有名なアーティストや、その地域でしか見られない作品など、貴重なアート作品がたくさんあるのです。

常設展示の楽しみ方
それぞれのミュージアムの収集方針に沿って、これまで集めてきた作品が展示されるのが常設展示です。華やかな特別展に比べて地味な印象がありますが、歴史あるミュージアムや収集方針がユニークなミュージアムでは、現在では貴重な作品や他では見られない作品に出会うこともあります。

Affordable Art Experiences: Permanent Exhibitions in Museums, 手頃な料金で楽しめる良質のアート:ミュージアムの常設展示

もともと一般に公開するために収集したものなので、料金が安いのも魅力のひとつです。入場料はせいぜい数百円程度。しかも特別展などに比べて混雑が少なく、予約不要でいつ行っても入場できます。手頃な料金でも展示はボリュームがあるので、じっくり見ようとすると1~2時間はかかります。常設展示でも時々展示替えがあるので、気に入ったら再度訪れてみるといいかもしれません。

福岡アジア美術館

世界で初めて、アジアの近現代アートを系統的に収集・展示するためにできた美術館です。美術館が開館した1999年頃は、アジア美術にはほとんど注目が集まっていませんでした。そんな時期にも地道に収集を続けた結果、19世紀から現代まで、23の国・地域から約4,500点を収蔵しています。その中には、後に世界的に有名になったアーティストも数多くいます。
常設展示のアジアギャラリーでは、年に数回、テーマを設けて展示替えを行っています。25年以上収集しているので、アジア美術をさまざまな切り口で系統的に展示することができます。アジア美術ならではのパワーを感じられる作品が多いのも特徴です。

アーティストや研究者が、福岡に滞在しながら作品制作や市民との交流を行うレジデンス事業にも力を入れていて、作品制作の様子が見学できることもあります。ミュージアムが入る博多リバレインは便利な都心にあり、建物周辺にはパブリックアートもたくさん設置されています。

Affordable Art Experiences: Permanent Exhibitions in Museums, 手頃な料金で楽しめる良質のアート:ミュージアムの常設展示

福岡アジア美術館
・アジアギャラリー観覧料:大人¥200、高校・大学¥150、中学生以下無料
福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7・8階
092-263-1100
https://faam.city.fukuoka.lg.jp/

福岡市美術館

1979年に開館した福岡市美術館は、日本の古美術から近現代の巨匠作品まで、世界的な名品や重要文化財を含む約16,000点を収蔵しています。とにかく収蔵作品が幅広いので、常設展示は1階と2階に分かれています。
1階は日本の古美術や仏教美術を中心にした展示です。見どころは福岡藩主・黒田家の菩提寺のひとつだった東光院から寄贈された仏像の数々。寺のお堂のような空間に十数体の仏像が並ぶ様子は圧巻です。日本の茶道に興味があるなら、裕福な実業家で茶人でもあった松永安左エ門が集めた茶道具も興味深いでしょう。

2階は20世紀以降のアートを中心に展示しています。サルバトーレ・ダリ、ジョアン・ミロ、マルク・シャガール、アンディ・ウォーホル、レオナール・フジタなど、20世紀の巨匠の作品があるほか、日本の現代アーティストの作品もあります。他ではあまり見られない九州出身の画家のコレクションも充実しています。

建物の周囲には草間彌生をはじめとした屋外彫刻も展示されていて、自由に見学することができます。赤茶色のタイルで装飾された建物は、日本近代建築の巨匠・前川國男の作品。2019年には、オリジナルの意匠を大切にしたリニューアルが行われました。

Affordable Art Experiences: Permanent Exhibitions in Museums, 手頃な料金で楽しめる良質のアート:ミュージアムの常設展示

福岡市美術館
・常設展示観覧料:大人¥200、高校・大学¥150、中学生以下無料
福岡市中央区大濠公園1-6
092-714-6051
https://www.fukuoka-art-museum.jp/

福岡市博物館

福岡タワーや福岡paypayドームなどの観光スポットがある百道エリアの一角に、1999年に開館した福岡市博物館。福岡の古くからの歴史や人々の生活の様子を展示しています。正面入り口に立っている4体の像は、フランス近代彫刻の巨匠、エミール・アントワーヌ・ブールデルの作品です。

常設展示では、古代から海外と交流してきた福岡の歴史を11のコーナーに分けて展示。ハイライトは最初に展示されている国宝「金印」。西暦57年に、中国から日本の「奴国」に授けられたとされる純金製の印章で、福岡市内の志賀島で発見されました。他にも、外交や交易の窓口だった鴻臚館、博多商人や福岡藩の歴史などについての展示があります。展示のラストを飾るのは、博多の人々が愛してやまない夏祭り「博多祇園山笠」です。

Affordable Art Experiences: Permanent Exhibitions in Museums, 手頃な料金で楽しめる良質のアート:ミュージアムの常設展示

福岡市博物館
・常設展示観覧料:大人¥200、高校・大学¥150、中学生以下無料
福岡市早良区百道浜3-1-1
092-845-5011
https://museum.city.fukuoka.jp/

Category
Art & Culture
Places
Fukuoka City
Published: Feb 5, 2024 / Last Updated: Feb 15, 2024

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