温暖な気候で食材に恵まれている九州。多様な野菜や果実が育てられ、旬の新鮮な食材を一年を通して食べることができます。
今回、私たちFukuoka Nowが紹介するのは、「農業が盛んで自然が豊か」といったイメージで知られる佐賀県の食。肥沃な平野や水が豊かな山間部広がる田畑では、米・麦・大豆などが育てられています。そして、イチゴやミカンなどの果樹栽培や肉用牛などの畜産が行われ、玄界灘や有明海の豊かな幸にも恵まれる農畜水産のバランスが良い地域です。
第一弾は、佐賀の野菜にスポットをあてます。
旬を求めて訪れた佐賀県各地で見つけた、地産野菜をメインに提供する4軒の飲食店を紹介します。これらの店では、ベジタリアン対応のメニューがあります。
そもそも、佐賀の野菜に興味を持ったきっかけは「白石の蓮根（レンコン）」でした。日本各地でレンコンは栽培されていますが、佐賀県白石町で育つレンコンは格別です。
有明海の干拓が広がる土壌はミネラル豊富な重粘土質。約100年前の1922年に、この水はけが悪かった土地に、農業を営む小野 市次さんがレンコンを植えたことがきっかけで、白石町でレンコン栽培が始まりました。今や、全国屈指の高品質のレンコンが栽培されています。
鮨処だるま寿し
白石町で親子3代にわたって営む寿司店、だるま寿しでは、祝い事に欠かせない寿司や、ふらりと立ち寄って食事ができる握りのセット、会合のためのコースなど、地域の人々にとって欠かせない「町の寿司店」として親しまれています。
海外経験もあるエネルギー溢れる3代目店主の小野達磨さん。そう、白石レンコンをこの土地に持ってきた小野市次さんの子孫です。
客人をもてなす食事処としても人気で、農業を営む親戚や知人から仕入れる食材など、地域産のものだけを使った寿司コースは、だるま寿しが力を入れる定番メニューです。予約をすれば、これを野菜だけにすることも可能です。白石町が誇るタマネギ、レンコンを中心に、スイートコーン、アスパラなど旬の野菜を使った寿司、そして、天ぷらの盛り合わせが付きます。お米も海苔もお茶も佐賀県産、お吸い物や茶碗蒸しも昆布出汁で、動物性は使いません。
佐賀県が誇るブランドいちご「いちごさん」の寿司も！
鮨処だるま寿し
・佐賀県杵島郡白石町福富1475-1
・0952-87-2147
・11:00〜13:30 L.O.、17:00〜21:00 L.O.
・定休：水曜（月に一度連休あり）
・https://darumazushi83.com/
・ベジメニュー（税込）：地場野菜の寿司盛合わせ¥1,650
JR佐賀駅から街中を歩いて15分程の場所には、佐賀野菜づくしのコースを出してくれる天ぷら店があります。
アーケード街の端にある天ぷら専門店、八木（やつき）は、天ぷら一筋40年超の八木三夫さんと、二代目で寿司職人の努さんがカウンターに立ちます。佐賀の名産・佐賀牛の握りも人気なのですが、旬の佐賀産の野菜を使った天ぷら約10品と、アボカドロールがセットのコースも提供しています。
カウンターに座ると、奥からシュッと天ぷらを揚げる音が聞こえます。高温の油で揚げるため、外側は瞬時に水分が飛んでかたまり、食材の旨みが外に逃げないという調理上の特性を持つ天ぷらは、野菜の旨味を引き出す最高の調理方法です。昆布と鰹を使った出汁で作る天つゆや、抹茶塩でいただきます。
また、八木がこだわる揚げ油は精度の高い椿油。熊本の天草や長崎の五島の椿の実から絞ったものです。あっさり、カラッと揚がるため、創業時からずっと椿油を使っています。
「朝の買い出しが終えたら、仕込みや調理で1日中調理場に立ち続けます。夜に最後の注文の品を提供して店内を見渡した際、客人らが談笑している様子を見ると安堵と達成感を感じます」、と微笑む店主の三夫さん。
アスパラやレンコン、カボチャなど、薄い天ぷらの衣に包まれた揚げたての旬の野菜や山菜。いちごさんも天ぷらに！
椿油天ぷら八木
・佐賀県佐賀市白山2-3-14
・0952-23-0541
・11:30～13:30 L.O.、17:30〜21:00 L.O.
・定休：日曜、祝日
・https://www.instagram.com/shirayama_yatsuki/
・ベジメニュー（税込）：旬のお野菜セット（野菜の天ぷら＋野菜のお寿司）¥1,750 *前日までの要予約
佐賀には、西日本随一の名滝「清水の滝」があります。名水百選にも選ばれる滝を囲む山間には、この地域・小城の名物・鯉料理を提供する店が集まっています。
私たちが訪れたのは、鯉料理と和食を提供する1912年創業の料理店「ひのでや」です。だしや天然素材にこだわり、自家製の切り干し大根や、野菜を豆腐で和える白和えなど、素材の味と食感を生かした品々は、やさしい味わいです。
山菜や季節野菜の天ぷらは、自家製の山椒塩でいただきます。手打ちの蕎麦や、出し汁で茹でた大根を味噌で食べるふろふき大根など、佐賀の家庭でも食べられている料理を味わうことができます。
名物の鯉のあらい。薄く切った鯉の身を湯に通して冷たい水でしめる、独特の調理方法です。コリっとした食感と鯉特有の淡白な味を、甘くてピリッとしたオリジナルの山椒入りからし酢みそでいただきます。
ひのでや
・佐賀県小城市小城町松尾2053
・0952-73-4451
・10:00〜18:00
・不定休
・https://hinodeya-saga.com/
・ベジメニュー（税込）：SAGA野菜イロイロセット¥4,000
小城から武雄温泉方面に30分ほど車で走ると、あたりを田畑に囲まれた穏やかなエリアに、程よく手入れされた庭に面するカフェがあります。家族と一緒に過ごす時間を優先するために、この地で15年前からカフェを営む店主の林口夫妻。あたり一帯がやさしい雰囲気で包まれています。
季節の果実を使ったパフェや、手作りの焼き菓子はもちろん、自家栽培の野菜や米、信頼おける農園から届く野菜や、近隣の人たちが作っている野菜などを使ったランチメニューも人気です。
店の畑などで朝採りした新鮮野菜をたっぷり使ったサラダのようなピザや、旬の野菜で作るランチプレートの本日のメニューは、茄子の磯辺揚げ、かぼちゃとじゃがいものサラダ、切り干し大根、キャロットラペ、大根の酢漬け、生野菜のサラダ、じゃがいものローズマリー炒め、グリル野菜、豆乳豆腐、そして、店主が育てたお米をで炊いた白米にぎり（2つ）。動物性は一切使われていません。
ほっこり癒されるには、庭に面したテラス席もおすすめです。敷地内には、ヤギが暮らし、別棟にはセンスよくセレクトされた雑貨を販売するショップも営業しています。
slow cafe
・佐賀県多久市多久町3795-1
・0952-75-2077
・11:00〜17:00
・定休：月曜、火曜
・https://www.instagram.com/slowcafe_taku/
・ベジメニュー（税込）：野菜のピザ¥1,210、ごはんのランチプレート¥1,210 *ランチプレートは14時まで。
次回も、食材に恵まれる佐賀の多様な食事情を紹介します。お楽しみに！
Fukuoka Now X 一般社団法人佐賀県観光連盟
佐賀県ではベジタリアン対応が可能なレストランを応援しています。
>> 佐賀県公式：佐賀ベジタリアンガイド（野菜を楽しむレストラン紹介）
Fukuoka Now 佐賀特集 2024春（4回シリーズ）
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・食材の宝庫 佐賀 vol. 01 旬の野菜を食べに行こう！
・食材の宝庫 佐賀 vol. 02 豆腐を食べに行こう！
・食材の宝庫 佐賀 vol. 03 器とヘルシー料理
・食材の宝庫 佐賀 vol. 04 素晴らしきシェフ達
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